がん性腹水:CART症例減少 | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー


CART(腹水濾過濃縮再静注法)

 

CARTとは,
Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy
の略である.

http://ameblo.jp/gin-nami/theme2-10048693736.html
 

 

簡単に内容を説明すると,
穿刺した腹水を
フィルターで細菌やがん細胞等を除去し,
さらに濃縮器で余分な水分を取り除き,
アルブミンやグロブリン等の
“栄養分”を
再び点滴で患者さんの
体内に戻す緩和的措置のことをいう.


CARTは
当院でも適応条件を定めて,
外来で可能な症例は外来通院で行っていたのだが,
 

最近,とんと施行症例がなくなった.


CARTのフィルター会社の営業が
「最近,CART症例がありませんね~」と訪ねてくるが,
適応症例が無いものだからしようがない…
 

というより,
低用量抗がん剤の手技が安定し,
同療法で腹水コントロールがつくことが多くなってきており,
CART導入の症例が少なくなってきているのだ.

 

以下の症例は40歳代,女性,卵巣がんの患者さん.


他院にて,隔週でCARTを導入し,
胸水・腹水合わせて約4,000~5,000mlを穿刺していた.

 


 


“縁”あり,当院で
低用量抗がん剤治療を始めたところ,

胸水・腹水のコントロールがつき,
CART導入をしなくてよくなった.


症状緩和の為に,
胸水・腹水を穿刺+α(=CARTのこと)は重要だとは思うが,
 

やはり,
溜まらなくする工夫,治療も一方で大切なのでは?


どうも
医療サイドは,CART導入状態の胸水・腹水に関しては,

コントロール不可と決めつけている節があるようだ…