最新の学説から見ても、スピノサウルスの顎はワニの顎と同じで、バチンと一瞬で閉じるバネトラップのようなものらしい。
ワニは平べったい頭なので下顎と上顎を結ぶ顎の筋肉は強力だが短い。短いから瞬時に閉じることができる。
一方、ティラノサウルスは深い頭骨で、強力で長い顎の筋肉がある。長いということは、閉じるには時間がかかる。圧縮機、ゴミ収集車の上下からゴミを圧縮するあれだろう。ゆっくりと骨を砕く。
そもそも重い頭をそう素早くは動かせない。
鳥や獣脚類の採食運動は基本的にシーソー運動で、S字の首の曲げ伸ばしで、力点の頭部と支点の腰との距離が変化し頭部と尾が交互に上下する。
しかし、スピノサウルスの首を強いS字形態に再現するのはどうなのか?
スピノ科の場合、支点(腰)と力点(頭部)の間に重い前足がある。重い前足はシーソー運動に混乱しか生まない。
鳥などは翼という大きな前足があるが、これらは歩行時にはたたまれ背中にぴったりくっつけていて、無視できる。
頭を前後に出し入れしやすい。
首をS字に肩に引き付ける鳥には、その運動のための胴椎の神経棘の伸長は一切見られない。
スピノサウルスがS字に首を引けば、伸長した胴椎の神経棘に激突する。
基本鳥の採食は啄みや突っつきであって、スピノサウルスのような巨大な頭でキツツキみたいな動作をすれば、川底に口先が激突して頚椎をやられるだろう。スピノサウルスが長い顎を狩りに使用するとすれば、突っつくのではなくワニのように獲物をなぎ払い転倒させる手法だろう。