神社
ミズカミノオロチ 男 179mm
わたし/おまえ 貴様/呼び捨て

 

自分を神だと言い張って信仰と畏怖を求めてくる不審なお兄さん。

自分を神だと言い張っているので神様らしく人助けや自前の宗教の作成など色々なことにチャレンジしているがうまくいっていないようだ。人権がない。

 

飼い主もおらずホームレスで貧困の野良リヴリーが多く住んでいる川沿いに掘っ立て小屋を建てて暮らしている。カンカンの箱に拾ったキレイな木の実や近所の子供に貰った折り紙を貯めている。

自分で作った宗教を広めて人々を幸せにしたいと考えている。拾ったり日雇いで稼いだddで宗教のチラシを作って配ったり集会所を借りて説明会を開いたりしているが、信者はなかなか増えないようだ。

 

元々は世界の外からこの世界の不具合を修正するシステムがリヴリーの姿を取って現れた、日本語で訳すなら正真正銘神という名で呼ぶべき存在。だが実際はシステムの力の一部でしかなく、創造神だとか神一人分丸ごとの力があるとかそういうわけではないし、現実に顕現した今は運営の庇護下に置かれなくとも生きられる点以外はただのリヴリーである。世界の歪みを正せば世界の外に帰ってしまうが、リヴリーの身体では思ったより調査が進まないので割と長いことこの世界に居座っている。


神社と名乗っているのは最初に最低限の知識を持って具現化した時、みんなが崇めているものを名乗ろうとして、みんなが崇めているからと神社と名乗りだしたのが由来。みんなが崇めているのは神社ではなくその中の神であるのは言うまでもない。宗教を作って人々を幸せにしたいと思っているのも神が宗教を作ったと思っているため。実際は神ではなく人間の教祖が開いているのは言うまでもない。自分が神であるため他の神も全員実在していると思っている。宗教を開いて人をたくさん集めれば修正するべき不具合が何かの情報も集めやすくなるとも思っている。

 

「わたしは神社、この世の神だ!讃え崇めて敬え、信仰しろ!」
「ウワーッ人権がない!こんなの何かの間違いだ…ッ!覚えていろ!!」
「何!?きさまの神は信仰にこんなに金を要求するのか!?これでは逆に不幸になるではないか…よし、わたしが一度話を付けてやろう!その神の元へ案内してくれ!」
「ぐぬぬ…わたしは確かに使命を持って送り込まれた力の一部のはず…世界線がズレたというのか…?」
「私の作った宗教だ、チラシだけでも見てくれ!」

「私の作った宗教のチラシが突風にあおられて全部ドブの中に~~~!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

神は長い間それぞれの世界に力の一部を送り込み見守ってきた。この世界には人間という生き物とそれが造ったリヴリーという生き物がいた。だがリヴリーアイランドは資金難により全てのリヴリーがフラスコの中で眠りにつきその歴史を終えた。リヴリーの紡いできた文化も飼い主との絆もフラスコの中の泡沫に消えた。この世界に降り立った神の一部は長い間リヴリーを見守ってきたため、彼らを愛してしまっていた。神はリヴリーたちの結末を哀れに思い世界線を捻じ曲げてしまった。リヴリーアイランドが存続し、何事もなく続いてゆく今のこの世界線は本来存在しない世界であり、不具合も多い。神の一部は一部でしかないゆえに力を使い果たし改変の記憶を失った。そして歪みの多いこの世界に驚愕した。原因不明だがこんなにも不具合の多い世界は初めてだと、この世界を見守らねば、元の世界に帰るわけにはいかないと。不安定な世界に生きる民を幸せにし、歪みの原因を探り世界を安定させる事こそが神の務めであった。歪みの原因が自分自身であるとは気づかない。