第3回目はお芋屋の初日の出来事や売上などを書いていこうと思っていたのですが、今日は先日お亡くなりになった僕の焼き芋の師匠の事を書いて行こうと思います。


師匠は兵庫県や京都府で焼き芋屋さんなどを営んでおりました。


僕と師匠が初めて出会ったのは、約19年程前になり僕がまだ26歳の時でした。


当時の僕はたこ焼き屋や居酒屋、キャバクラなどを運営していたのですが、師匠はそのキャバクラ店のお客さんでした。


僕自身は普段あまり自社のお店には行かないのですが、その日はたまたま用事がありお店におりました。

すると店長が怒って店長室に入ってきたので、どうしたか聞くと

『何度注意しても女の子にお触りするお客さんがいるんです』 とご立腹。


話しを聞くと六十代ぐらいの方で、ものすごく元気がいいとの事。

そんな話しを店長としているとまた店内からお触りしていると報告があり僕も時間があったので、店長と一緒にそのお客さんの元にいきました。


そこで、そのお触り爺さんと色々と話しをしたらすごく面白い方で少し一緒に飲ませて頂きました。

そして帰り際にその方から名刺を頂いたら焼き芋屋さんの名刺でした。


当時は焼き芋屋をする予定はなかったので、とくに何も思いませんでした。

しかし、それから約4年後に自社で焼き芋屋さんをやる事になったのです。

当時は色々なイベントや催事、スーパーさんの前などでたこ焼きや焼き鳥などの販売もしていたのですが、あるスーパーの店長さんから秋に焼き芋をやって欲しいと依頼がありました。


そこですぐに道具やテントなどを揃えて準備はすぐに出来ました。


そして実際に3種類の(紅あずま、安納芋、鳴門金時)お芋を焼いてみました。
そして食べてみるとそこそこ美味しいのですが、すごく美味しいというレベルではありませんでした。

そしてどうすればもっと美味しく焼けるかを考えていたら、以前に名刺を頂いたお触り爺さんの事を思い出しました。

すぐに電話をし事情を説明すると2週間分の着替え等を持って来いと言われました。
誰が行くか社内で話した結果、体が空いているのは自分しかおらず僕はかなり渋ったのですが、結果僕が修行に行くことになりました。

そこで、師匠から教えて頂いた事は
•お芋の熟成のさせ方
•アク抜き
•お芋のチェックの仕方
•お芋の管理
•焼く温度、焼き方
•保温の仕方 などを教えて頂きました。

ただのお触り爺さんだと思っておりましたが、お芋に関しては物凄く真剣でとても丁寧な仕事をされる方で大変見直した事を今でもよく覚えております。

またこの時に商売のイロハも教えて頂きました。
僕も商売をして数年経っておりある程度はわかっているつもりでしたが、師匠から色々と教えて頂き自分の思いや考えはまだまだ浅いなと感じた事を今でもたまに思い出します。

そこから約15年師匠とは長い付き合いとなり、色々と教えて頂きました。
また僕が10年程前に焼くお芋を当時出始めの『紅はるか』のみにしたときや、最近で言えば昨年末に年明けからはお芋を真空パックにして販売すると報告したら
『そんなのは焼き芋じゃない!』などと怒られ言い合いになった事もありました。

Xにも書きましたが、師匠は今年の令和6年1月5日の4:36分に享年83歳で永眠されました。
お陰様で師匠の最後には立ち会う事ができ、最後に以前から用意してくれていた9枚のメモ用紙をくれました。

そこには
•常に農家の方々に感謝すること

•一本一本丁寧に扱うこと

•自分にとっては何十本のうちの一本かも 
しれないが、お客さんにとってはその一本が全てだということを忘れないこと

•どんなに忙しくても、お客さんの顔や目を見てお礼を言うこと

など仕事に関する事が8つ書いてあり、最後の一枚には

•大阪の時とは違い一人でリヤカーを引いての商売は色々と大変だろうが、歯を食いしばり根気よく体に気をつけて頑張れ。
とあり最後に『ありがとうな』とありました。


また
『葬儀などには来なくていい。そんな 時間があるなら芋を焼いて岐阜の人に食べてもらえ』
とも書いてもありました。

なので、葬儀等には出席せず言われた通り師匠が亡くなられた次の日からお芋の販売を再開しました。

今年からお芋屋では焼いたお芋を全て真空パックにして販売させてもらっております。

師匠に今後は真空パックにしてお芋を販売をすると話しをした当初はかなり怒られましたが、年末に郵送で真空パックにしたお芋を送っておりました。

僕には怒っておりましたが、奥さんのお話を聞くと真空パックのお芋を食べて師匠は
『これ美味しいな』 と言っていたとを教えてくれました。

師匠とは約19年程の付き合いでよく言い合いなどもしましたが、とても温かく面倒見の良い方でした。

今後は師匠に直接お会いする事はもう出来ませんが、師匠から教えて頂いた事や最後に頂いたメモ用紙を時折見て師匠の教えを忘れないようにやっていきます。

今日はお芋の師匠との出来事を書かせて頂きました。
次回は岐阜お芋屋の初日の出来事や売上などを書いていこうと思います。

今日も読んで頂きありがとうございました🍠
乱文失礼します🙏