ぎふ障がい者きょうだいの会について①  

    (ぎふ障がい者きょうだいの会代表 原)

 

【きょうだいの悩み】

 みなさんは「きょうだい児」という言葉をご存知でしょうか?


 数年くらい前からこの言葉が使われることが増えたように思います。「きょうだい児」とは、障がいや病気のある子どもの「きょうだい」のことを表す言葉です。なぜこのような言葉が数年くらい前から使われるようになってきたのでしょうか?


 これまで障害のある当事者や親に対しては、さまざまな問題提起がされ、支援がされてきました。しかし、一方で障がい者の「きょうだい」が抱えている悩みや問題にはこれまでスポットが当たってきませんでした。


 当事者や親だけではなく、障がい者のきょうだいも、小さな頃から障がいのあるきょうだいの面倒を見なければならなかったり、親なき後きょうだいの面倒を最後まで見なければならなかったり、人知れず大変な思いをしている人もたくさんいます。中には、深い心の傷を負ってしまう、思うように生きることのできないきょうだいもいます。

 

 これまで見過ごされてしまっていた障がい者の「きょうだい」の問題について考えていこうという動きがここ数年静かに広がってきています。


障がい者のきょうだいが集まって、自分のきょうだいのことや家族の悩みを話す会を「きょうだいの会」と言います。


親の会は、全国にたくさんあり、親同士のつながりがありますが、きょうだいが集まる場所やつながりは、まだ全国にごくわずかしかありません。そのため、障がいのあるきょうだいのことで悩んでいても、誰にも相談できずにいることが少なくありません。
 親の会に参加しても、親ときょうだいでは立場が違い悩みも違うのです。


 きょうだいにはきょうだいの生活があります。きょうだいと離れて暮らしている人もいれば、自分の家庭や結婚のことで悩んだりしている人もいます。

 また親やきょうだいとの関係がうまく持てず、悩んでいるきょうだいもいます。きょうだいの障害や家庭環境などによって、きょうだいの悩みはさまざまです。


 そんな複雑なきょうだいの悩みを安心して話すことができる場所が「きょうだいの会」です。

 以前NHKの「バリバラ」でも「きょうだい」をテーマにした放送があり、注目を集めました。ここ数年、きょうだいの会の活動が全国に広がりつつあります。