注:もうかなり過去のことなのでご了承を(^^;。


私の父親が亡くなっていたせいなのか、
「原戸籍謄本」を本籍地から取り寄せるために数日を要したものの、
それを郵送で家庭裁判所に送った数日後、
私の元には家事審判の呼び出し状が送られてきました。

審判は確かその日の10時半からで、
朝はパートナーに家庭裁判所まで送ってもらうことにして、
帰りは電車を乗り継いで家に帰る予定になっていました。

改名審判から数年も経っていましたが、
今回の審判のための問い合わせの時と、申し立て書を提出した時、
そして今日また来たので全く知らない場所だという緊張感はありませんでした。
もちろん、もし許可されなかったら?という緊張感は計り知れないものでしたが。

念のために今日もずいぶんと早めに到着していたので、
私は自販機で買ったジュースを持って、
書記官室(?)の場所だけを確認して、しばらくその廊下で待ちました。

やがて時間も10時を過ぎたのでもうそろそろ良いかなと、
私が書記官室で呼び出し状を提出すると、
担当の書記官の人は私を案内して、
まず小さな休憩室みたいな部屋に連れて行きました。
「もうしばらくこちらで待っててください」
、、、どうやらまだ時間は早すぎるようでした。

待っている間に次第に緊張感も増してきた私は、
とりあえずトイレを済ませて大人しく待っていました。

10時15分を過ぎたあたりでさっきの書記官さんが私を呼びに来て、
私はついに家事審判室に案内されました。
そこは改名審判の時と同じくらいの広さでしたが、
中央に置かれていたのは四角のテーブルでした。

書記官さんはエアコンの調節をすると、
インターホンで審判官の人に連絡をしたようでした。

数分後、ファイルを抱えて部屋に入って来た審判官は女性の方でした。
正直、私は男性でなかったことに安心感を覚えました。
思わず、机の下でガッツポーズをしたものです。

改名審判の時は書記官の方に起立しての挨拶を促されましたが、
なぜだか今回はそんなこともなかったので、
私は審判官さんに合わせて、イスに座ったままで軽く頭だけ下げました。

審判官さんは穏やかそうな方で、
「では、始めましょう」とか言ったと思います。
その時、正確な時間はまだ10時25分にもなっていませんでした。

「(えんじぇる)さん?本人さんですよね?」
「はい」と私は不安げに答えました。
私はもしかしてMTFに見られてない?と少し不安になりました。
実はまた私は堂々とすっぴんでその場に来ていたのです。

審判官さんはファイルをぺらぺらとめくりながら、2、3の質問をしました。
「小さな頃からご自分は女性だと思われていたのですね?」
「はい」
「既に名前も変えられていて、手術もいろいろ受けられているのですね?」
「はい」
ほとんど審判官さんの独り言だなと思いながらも、
私は素直に、極めて大人しくお返事しました。

「結構です。では、あなたの戸籍の性別を女性として扱うことに問題はありません。
これから先の手続きはこちらの書記官の指示に従ってください。」
審判官さんはそんな風に言い、審判は終わりになりました。

またも私はそのあっけなさに少し呆然として、
イスから立ち上がらないままで審判官に会釈をしてしまいました。
でも、特に注意されることもなく、審判官さんはその部屋を出ていきました。

時計を見ると、まだ予定の10時半にもなっていませんでした。
結局、改名審判の時と同じくたった2、3分で終ってしまったのです。

「では、審判書謄本を作成しますので、先ほどと同じ休憩室で少し待っていて下さい。
たぶん、、、20分くらいお待ち頂くと思います。」
書記官さんは時計を見ながらそう言うと、私をさっきと同じ部屋に案内しました。

審判前の緊張とは違った意味で早くなる鼓動を感じながら、
私は書記官さんが現れるのを待ちました。

それから15分くらいが過ぎた後、書記官さんが来て、
まず私に審判書謄本を渡してくれました。
それはホッチキス止めされたB5サイズの2枚の紙でした。

「どこかに間違いがないか目を通してください」と言われ、
私はざっと目を通しました。
中身は精神科の担当医に書いてもらった診断書の内容を大雑把にまとめたもので、
「特にありません」と私は言いました。

これをもらうためにどれだけのお金と時間がかかったんだろうと、
私は思わず気が遠くなりました。

「では、説明しますね。
これから、こちらの家庭裁判所からあなたの本籍地の○○ですか、
そちらに戸籍の性別の変更命令が通知されます。
するとそちらであなたを筆頭者とする新しい戸籍が編成されます。
父親との続柄は、、、『長女』ということになります。
それらの処理が終りますと、あなたの住民票のある役所と、
こちらの家庭裁判所に『変更されました』との通知が来ます。
そうすると、こちらからあなたに連絡をしますので、
その時点で住民票はすでに変更されていまが、
あなたはご自分で役所に行って頂いて、健康保険や年金等の手続きをしてください。」
「はあ。」

私はじゃあ、全部役所で勝手にやってくれれば良いのになんて思いながら、
書記官さんの言葉を聞いていました。
でも、とりあえず私はまた連絡を待てば良いのです。

「じゃあ、この審判書って特にもうどこにも提出しないんですね?」
「ええ、それはもう持っておられて結構ですよ。
特に役所とかでは提出するところもないでしょう。」
「連絡ってどのくらい先ですか?」
「そうですね、、、遅くても2週間くらいだと思いますよ。」
「わかりました。」
「では、よろしくお願いします。」
書記官さんはそう言って、休憩室を出ていきました。

私は気を落ち着かせるために、
しばらくそのまま休憩室で審判書を眺めていました。
夢じゃないかと何度も確認をしました。

11時を過ぎたくらいで私は家庭裁判所を出て帰途につきました。
途中で交通事故とかに遭わないように気をつけて、
また審判が夢じゃないかと、
電車の中でもカバンの中の審判書を何度も確認しました。
たぶんその時の私はにやけ過ぎて、顔が崩れていたと思います。

家に帰りついた私は、速攻で大切なお友達に結果をメールしました。

(第4話に続きます。)


(注:もうかなり前のことなので、正確な言い回し等は違っていたかも知れません。)

。。。。。
(処理の流れの説明)


家庭裁判所の審判許可。
     ↓
本籍地の役所に家裁から通知。
     ↓
変更された性別での新しい戸籍の編成。(MTF=「長女」、FTM=「長男」※1)
     ↓
その役所から家裁、住民票のある役所に処理終了の連絡。
     ↓
家裁から本人に処理終了の連絡。
     ↓
本人が役所に行って、年金や保険の変更手続き。
     ↓
転籍(本籍地の移動)をした方が良いです。※2


※1、兄弟、姉妹が何人いようと「長女」、「長男」になるそうです。
※2、転籍をしないと、「性別変更」の記録が残ったままだそうです。
。。。。。

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