お酒を飲むと、帰りに聞く音楽のボリュームが2上がります。
冷え切った耳もパソコンが温めてくれた部屋に入ってジンとして、またスピーカーから音を流します。
曜日を忘れた大人たちがホテル街を歩いてました。
いま、帰ってきました。
今夜もギターを弾きました。
たくさんの人がかわりばんこに僕の前で歌を歌いました。
僕が歌を歌ってることは、あまり知られてないです。
アナンさんはギター弾いてたまにドラムとベースをする人のようです。
いろんな人がいろんな発散にくる音出し部屋。東中野にあります。
小さな悩みを吐露したお兄さん。
そんなことはないよ大丈夫って慰めを、「いやでも…」って切り返すの。
彼はほんとは好きな人を待つ時間つぶしをしてるだけ。
あの子と帰りたいだけ。
用もなく先生に質問して、美人のあの子と少しでも一緒にいたがる男の子、中学校とかでクラスにもいたなあ。と。
僕はうんうんと楽しんでます。
誰もいなくなって、僕と従業員の根岸くんはギターとドラムを変わる変わる弾きました。
僕の曲を覚えてくれてる根岸くん。僕の曲、いっぱいしました。
夜のクラックのリフ、彼の方が弾けるんです。
よく飲みに来るおじさん。「よかったよ!」と僕らにピールを一杯おごってくれました。
ピールを真ん中に置いて叩いて弾きました。
そうしてお店は閉まりました。
帰ったら電気とラジオをつけます。
カレンダーになってるレゴブロックを次の日に変えて寝ます。
ラジオを小さな音で流しながら寝ます。
音がないのがあまり得意ではないんです。
よくわからない日々が、怖くなったりもします。
納品前には常夜の毎日になったりします。
誰もいない部屋が辛くなったりします。
会いたい人に会いたくなったりもします。
幸せなんて振り返るもんじゃあありませんよ。
噛み締めるものでもない気がします。
もっと認められたいなあと思いながら、また今日も眠りにつきます。
僕の歌を聴いて、僕に気づいてほしいなと思いながら寝ます。
早く大きくなりたいです。
そうして気づけば朝になって、今日の予定をこなします。
大きくなってたくさんの人と一緒に僕の音楽を作れたらいいなって思います。
僕も、音楽が好きです。
辛くないです。嘘です。
がんばります。