注目の殺菌方法「オゾン殺菌」〜ミネラルウォーター〜 | 日本初アクアソムリエ&行政書士のブログ

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日本アクアソムリエ協会認定アクアソムリエマイスター及び公認講師。

また行政書士の国家資格取得者なので、水質検査申請、飲食店の許認可、HACCP(ハセップ)申請等の知識に精通しております。

農林水産省が発表しているミネラルウォーターの品質表示のガイドラインでは全ての水に殺菌処理を義務づけ、容器入りの飲料水を「ミネラルウォーター類」と呼び、殺菌処理の方法により4つに分類しています。

1.ナチュラルミネラルウォーター:
ナチュラルウォーターの中でも、ミネラルをもともと含む地下水を原水とした水。処理方法はナチュラルウォーターと同じく、沈殿、濾過、加熱殺菌に限る。日本で一般に「ミネラルウォーター」と呼ばれるタイプ。

2.ナチュラルウォーター:
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的、化学的な処理を行っていないもの。

3.ミネラルウォーター :
ナチュラルミネラルウォーターの中でも、品質を安定させるためにミネラルの調整ばっ気、複数のナチュラルミネラルウォーター混合紫外線オゾンによる殺菌、除菌などの処理を行っているもの。

4.ボトルドウォーター:
1~3以外の飲料水。例えば、純水、蒸留水、水道水など。処理方法の制限はなく、大幅な改変を加えてもよい。


〜難しい説明が続きますので、ご興味のあるお方以外はここから下の方まで飛ばしてもらって大丈夫です〜

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注目の殺菌方法「オゾン殺菌」

オゾンとは


地球の大気中には酸素があります。
その酸素は2つの酸素原子からできた分子(O2)で、オゾンはその酸素分子に酸素原子が1つ加わった、3つの酸素原子からなる分子(O3)です。 

オゾンは40数億年前から存在する、比重1.6の気体で、雷の放電や太陽の紫外線などによって生成され、紫外線と共に地球環境の衛生管理にオゾンが大きな役割を果たしてきました。

有害波長の紫外線から人間を守ってくれているオゾン層では10~20ppm濃度(=1g中に100万分の1g=1ppm)で、通常環境の大気中には無意識量(約0.005ppm)でオゾンは存在していますが、オゾンは特に海岸(0.03~0.06ppm)、森林や高原(0.05~0.1ppm)の空気中に多く含まれています。そのため、微量なオゾンと人間の共存は、すでに長い期間の安全テストを済ませていると言えます。

オゾンの特徴は強い酸化力を持つことで、工業的には無声放電、電解、沿面放電、紫外線照射等の方法で濃度の高いオゾンを発生させます。その優れた酸化力を利用して、水や空気の浄化・殺菌、脱色、有機物除去等広い分野にわたり私たちの生活や環境の保護に役立っています。 


自然発生するオゾンは、主に太陽光線に含まれる紫外線が酸素に触れるか、また突発的な落雷などの自然放電による空気分解時にも、酸素原子3個が結びついて発生します。(突発的な放電分解ではNOxも発生)

酸素原子が3個の状態は、酸素分子(酸素原子2個)に不安定な酸素原子1個が結びついているので、この不安定な酸素原子が他の分子などに結び付き、有機化合物を二酸化炭素と水に酸化分解します。

細菌レベルにおいては細胞膜を破壊してしまうので、細菌は乾燥死します。 


オゾン殺菌とは


オゾンは1840年、ドイツの化学者シェーンバインにより発見されました。科学的に認知されたのも1840年代で、その殺菌作用は1873年には判明しており、酸化・殺菌・悪臭除去の目的でオゾンが実用され始めてから100年以上の歴史を持ちます。

しかしオゾンおよびオゾン水が食品に対する「抗微生物剤」として正式認可を受けたのはアメリカでも21世紀(2001年6月26日公布)からで、ヨーロッパでは歯科治療での傷の治りの促進にオゾンが注目され、殺菌と生組織活性化に期待がかけられるなど、日常の中で有効にオゾンが活かされていますが、政治と業界団体の結びつきが強いアメリカや日本では、むしろ有害性のリスクを抱えた塩素が安価であったこともあり重用され、オゾンの産業分野での利用すらも遅れ、一般にも認知に至っていません。


しかしオゾンによる殺菌殺菌脱臭には、以下のようなメリットがあります。

・塩素と比較して2倍(空気中)~6倍(水中)程度の殺菌力、3000倍以上の殺菌スピードを持ちます。

・塩素は細菌の細胞膜に浸透して新たな耐性菌を発生させる危険性もありますが、オゾンは細菌の細胞膜を破壊して乾燥死させるので、耐性菌を発生させることも無く、二次汚染の心配がありません。

・ヒ素/ホルマリン/塩素等は残留(ホルマリンで4^5日)するため、頻繁な使用では蓄積され使用後も処理を要しますが、オゾンは酸素に戻るため廃棄などの処理が必要がありません。


あらゆる分子の中でオゾンのみが酸素に戻る性質を持っており、そのオゾンの酸素に戻る還元速度は早く、密閉放置で10数時間、換気すれば分単位で検知不能な濃度になります。


オゾンは微臭性で濃度を自覚できるため、世界でオゾンによる職場事故の報告例はありません。
小さな虫やネズミなどはオゾンを嫌い姿を消します。またフェロモンが分解消臭されて交尾~繁殖できなくなります。



オゾンの留意点


オゾンの酸化作用により、有機素材(天然ゴムなど)は劣化します。
また長期の使用では雨水と同様に金属を酸化します。

極端な濃度では塩や酢や酒も有害なように、オゾンも濃度を選ぶ必要があります。
オゾンの人体への有害性については、『60度のお風呂の有害性・危険性』を訴えるのに等しく、その危険な状態より、はるか手前で風呂なら火を止めたりあがるのと同様に、濃いオゾンのニオイなどで自然に人は換気するなどするので、オゾン事故の報告は1件もありません。
 

  光化学オキシダントとオゾンの混同も間違いです。原因の一つは平成8年の環境省告示にあり、「観測されたオゾン濃度指示値を光化学オキシダントの濃度としてもよい」という発表が、「光化学オキシダント濃度=オゾンの濃度」と誤用され「オゾン=光化学オキシダント」という誤解に結び付いています。


オゾンは酸素原子の集まりで、光化学オキシダントは排気ガスの中の有機物成分に光が作用して生じたエアロゾルで、オゾンと光化学スモッグは、まったくの別物です。 

以下は参考

*日本オゾン協会理事の杉光さんのコメント。

「 光化学スモッグがはじめて問題になったのは1955年7月のロサンゼルスである。快晴にもかかわらず視界がぼやけ、目や喉の不快感を訴える人が急増した。後の研究で、原因は自動車の排気ガスと紫外線によって引き起こされたいわゆる光化学スモッグであることがわかった。 日本では、1970年7月に杉並区の高校で女生徒が目の痛みや頭痛を訴えて倒れ、病院に運び込まれる事件が起きた。その後日本の各地で同様の被害が報告されている。しかし、オゾンは名前が「臭い」というギリシャ語に由来するほど臭いが強いが、これまでに臭いを感じたという報告は見られない。
臭いが感知できない濃度で障害が発生することはオゾンに携わってきた者には極めて考えにくい。」


〜飛ばされたお方はここからお読み下さいませ〜

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このオゾンの説明からわかりますように、オゾン殺菌の有効性は確かですが、国内農林水産省の規定では「1.ナチュラルミネラルウォーター」の規定には入れることはできず、「2.ミネラルウォーター」の規定内となります。


国内では一番良い殺菌方法とは認定されてないようです。

繰り返しになりますが、国内のナチュラルミネラルウォーターの殺菌方法規定は「沈殿」「濾過」「加熱殺菌」の3通りのみです。


ただ米国等では「オゾン殺菌」は有効と見られており、ナチュラルミネラルウォーターの規定に入ります。


「ナチュラルミネラルウォーター」をめぐる規定の差は各国で違うようです。


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前回のブログ↓

「MUJI無印良品NaturalMineralWater」

でお話しした無印良品のお水はオゾン殺菌をほどこしてあるとの情報を得ました。

詳細↓

フーズチャンネル






となりますと、無印良品のNatural Mineral Waterはオゾン殺菌を施してますので、厳密には「ナチュラルミネラルウォーター」ではなく「ミネラルウォーター」となりますね。




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Shingo Okada

九州初アクアソムリエマイスター
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