結核と診断されるまで(2) | 食道がんと闘います

食道がんと闘います

65歳食道がんサバイバー。
初発は2013年、ステージ3aリンパ節に転移。
手術で切除し抗がん剤治療。
しばらく無事でしたが2016年に肺転移、切除手術。
以来、異常なし。
定年退職後、大学で医療系を学び卒業、再度就職するも3か月で解雇、その後開業するも2年で廃業。

奈良から帰ってきてその翌々日くらいだったでしょうか。

急に38度くらいの熱が出ました。

今から思えばこの発熱自体は結核とは関係のないものであったような気がします、例えば新型コロナに感染したとかなんとか。

しかしながらその後1週間ほど、これがどうしようもない倦怠感におそわれました。

それこそ起き上がるのも億劫な倦怠感、易疲労感。

買い物に出るのもシンドくて、家に残っていたもので食いつないだような気がします。

仕事も1週間の休業です。

この倦怠感が結核に関係あったのかどうかはわかりませんが、この辺りから体調がおかしくなったのは間違いありません。

1週間ほどで異常な倦怠感はおさまったものの、それでも言いようのない疲れは残り、消化器が動いてくれない感じも旅行以来ずっと続いていました。

当然のことながら食欲も減退気味です。

咳が出だしたのもこの頃からだったと思います。

もともと咳が出る方なのですが、この辺りから就寝前とか起床後とかに目立って咳込むことが増えました。

これが9月の半ば頃。

やがて痰が出始めました。

緑黄色の粘稠な痰で、徐々に量が増えていきました。

これはさすがにおかしい。

そう思って9月の下旬に街のクリニックを受診しました。

クリニック選びに際しては呼吸器内科を標榜しているところを選びました。

 

そのクリニックですが、まず新型コロナとインフルエンザの検査をされました。

検査自体も院内ではなく屋外で行い、陰性が確認されるまでは院内には入れないという徹底ぶりで、頼もしく思う反面、これが患者に対する扱いかという気持ちもないではなかったのですが。

で、問診となりまして。

私の場合、何度も気胸を起こしていたり転移性腫瘍があったり、ともかく肺には問題が多いためでしょうか、医師は明らかに及び腰というか関わりたくないという気持ちが見え見えというか、ろくに診もしないで、これは大学病院に行った方がいいのではないかと言ってくれたわけです。

それは検査していろいろな可能性を排除してから言うべきことだろうと思ったのですが、何しろ立場の弱い患者なものですから、ともかく診て下さいとお願いし、ならばということでレントゲンを撮ったり血液検査のために採血したり聴診器を当てたりということになりました。

で医師の曰く、肺炎が起きているようではないし、気管支炎なんかの様子もない、と言いますので、私が「結核の可能性はありませんか」と聞いたところその感じではない、がんの肺転移ということは考えられるかなあ、とのたまわったわけです。

しまいには「家の中の掃除をキチンとしていないのではないか」などとも言われましたが、これには少々ムッとしてしまい、毎日掃除機をかけていますよと少しトゲのある返事をしてしまいました。

がんについては、3月にCTを撮っており、その段階では明らかな転移性の腫瘍が見られないことは確認されているところであり、当然そのことも伝えているのですが、わずか半年で咳が頻発するほど腫瘍が大きくなっているとは考えられないと素人の私でもわかることを言っているわけで、これを聞いたときに「この医者はダメだ」と思いました。

念のために喀痰検査をしてほしいとも申し出たのですが、なんかあやむやにされてしまいました。

後から思えばあるいはこのクリニックでは喀痰検査ができなかったのかもしれませんが、それならそうと言ってくれるべきでしょう。

とりあえず血液検査の結果を聞く必要があるので翌日に再来院することとし、この日は少しもやもやした気持ちでクリニックを後にしたのでした。