母 「私の中では金メダル」 | 京都のぎっちゃん 旅日記

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今朝の日本経済新聞に 振付師の宮本賢二さんが 
こんなコラムを書かれていました。
 
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日本フィギュア界の夢が結実した14日の男子フリー。
私が泣けたのは高橋大輔の演技だった。
あの笑顔を見ていると、こちらの心も温まるようだった。
点数に関係なく、ラストにふさわしい滑りだったと思う。
 
今の日本男子がこんなに点数を取れるようになったのは、高橋のおかげである。
彼がトップシーンに登場する前と後で男子シングルの風景は、がらりと変わった。
それまで日本の男子選手には踊りへの恥ずかしさや抵抗が少なからずあった。
 
高橋は「踊ることは格好良い」ということを身をもって体現していった。
ジャズ、ブルース、タンゴと何でも踊る冒険心が日本の男子選手たちを目覚めさせ
フィギュアファン拡大に貢献した功績は大きい。
国際大会で、本来なら日本人より踊りのセンスがあるはずの外国人選手たちが
高橋の演技を食い入るように見ていたのを思い出す。
それだけステップと表現力は群を抜いていた。
 
振付師としては8年ほどの付き合いになる。前回バンクーバー五輪に続き、
今回もショートプログラムの演目を提供した。
「きれいになりすぎず、ちょっと汚く滑ってほしい」など難しい注文にもよく対応してくれたと思う。
 
彼の素晴らしさは、自分の感性をプラスアルファできること。
一緒に仕事をするときはわくわくするする半面、下手な振り付けをしたら
「しょうもない」と見透かされそうで緊張感があった。
自分の世界観をもっているから、何者でも演じることができたのでしょう。
すごく癖があるようで、何の癖もないともいえる不思議なスケーターでもある。
 
ケガで満足できる演技ではなかったと思うが、羽生と町田が今まで日本男子を
けん引してきた高橋を超えていったのも、新時代の幕開けを告げるものだと思う。
若い羽生の演技にも美意識を感じる。
高橋のDNAはしっかりと引き継がれていくはずである。
   
 
 
 
キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ 
 
 
 「今までの演技で一番いい表情をしていた。私の中では金メダルです。」
 
国内で見守った母はそっと涙をぬぐった。
 
                  ~2月13日 日経 夕刊より