新司型問題と旧司型問題の相違点 | 司法試験情報局(LAW-WAVE)

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昨日のエントリー(短文問題・中文問題・長文問題) の続きです。

昨日は、問題文の長さという観点から、司法試験系の問題を下記の5つに分類しました。

 

① 一行問題

短文問題 ⇒旧司(昭和)、えんしゅう本、120選など

 

--------  境界線  -----------

 

中文問題 ⇒旧司(平成)、予備試験、ロー入試など(=旧司型)

長文問題 ⇒司法試験、演習書など(=新司型)

超長文問題 ⇒2回試験など



その上で、司法試験系の問題群の決定的な境界線は、②と③との間に引かれる、(つまり、③④⑤の問題の性質は、本質において同じ)という結論に達しました。

 

今回は、この中から特に、③旧司型問題と④新司型問題の相違点に絞って論じてみます。

まず、思いっきり単純化していえば、

③旧司型は、条文の要素(要件・効果)の量と、問題文の事実の量がほぼ同じであり、

④新司型は、条文の要素(要件・効果)の量よりも、問題文の事実のほうが量が多い

ということができます。

④新司型には、法的に意味のある狭義の事実に加えて、法的に無駄な広義の事実含まれます

この点が、③旧司型との決定的な違いです。

 

記号を使っていうと、

③旧司型は、事実=条文

④新司型は、事実>条文

ということです。

問題と解答との関係でいうと、

③旧司型は、問題=解答  問い=答え

④新司型は、問題>解答  問い>答え

ということになります。

 

人によっては、あるいはこの違いをこそ本質的と感じる方がいるかもしれません。

新司と旧司の違い強調したがる人は、この点に着目して「新司は旧司とは本質的に違う」と言います。

 

しかし、私にはこの違いは、司法試験論文試験の本質を左右するほどのものには思えません。

 

どうしてそう言えるのでしょうか。

 

ここで、「問い」を「答え」に言い換える通常の手法(問い→答え)ではなく、「答え」から「問い」を再構成する通常と逆向きの手法(答え→問い)を導入してみると、意外な事実がみえてきます。

ここは読み飛ばしていただいて構いません。

実は、「問い」が長くて複雑になればなるほど、「答え→問い」の再構成は正確性を増します反対に、「問い」が端的すぎる問題では、再構成は(その射程が広がりすぎて)正確性を欠きます。

たとえば、「日本で一番高い山は?」という問いに対して、「富士山」という答えが成立しますが、ここで「富士山」という「答え」から「問い」を再構成しようとしても、元の問いに無事戻れるとは限りません。「日本を象徴する山は?」などの「問い」に間違って戻ってしまう(再構成に失敗する)可能性があります。このように、問いが端的すぎると、戻るための情報が少なすぎるため、正確な再構成はしにくくなるのです。

しかし、「問い」に豊富な情報量があれば、個々の情報相互間の関係が複雑になってくるので、再構成に向けた解(=答え)が絞られていき、むしろ(手間はかかるものの)正確な「再構成」はしやすくなるのです。

まず、③旧司型問題について。

もし相当にハイレベルな実力があれば、完全解に近い「答え」が示されれば、そこからかなりの精度で「問い」を再構成できるはずです。③旧司型問題は問題文に無駄な要素がないため、「問い→答え」も「答え→問い」も、本来の問題と解答の形を損なうことなく、両者を往来することが可能です。

 

旧司時代の論文問題には、問題文に無駄がないという特徴がありました。それはすなわち、問い=答え関係が成立していたということです。言いかえると、「問い」から「答え」へ、「答え」から「問い」へ、相互に可逆的な往来が可能だったということです。

次に④新司型問題を考えます。

④でも、③と同じように「答え」から「問い」を再構成できるでしょうか。

 

残念ながら、それは絶対にできません。④新司型問題には問題文に無駄な要素があるため、仮に完全解が与えらたとしても(どんな実力者でも)、「問い」の完全な再構成は不可能です。

なぜなら、その「無駄」は、「答え」に一切反映されていないからです。

 

新司型問題では、「答え→問い」の再構成は不可能なのです。

 

新司型問題では、問題文に無駄があるため、厳密には「問い=答え」は成立していません。

もちろん、「問い」を「答え」に言い換える(イコールで結ぶ)のが試験ですから、その限りではイコールが成立しているともいえるので、いわば「問い≧答え」なのが新司型問題だと考えてください。

しかし、です。だからといって、新司型問題で何らの再構成もできないわけではありません

新司型問題でも、正確かつ論理必然的な「再構成」は、実は十分にできます。

そのとき、一体どんな問題文が再構成されることになるのでしょうか。

答えは簡単です。


新司型問題の「問い」は、旧司型問題の「問い」に限りなく近い形で再構成されることなるでしょう。

 

新司型問題の「答え」には、問題文の「無駄」が一切反映されていないのですから、このような「答え」から「問い」を再構成してくださいと要請された実力者は、間違いなくその「無駄」を一切省いた形で、「問い」を再構成するはずです。

 

これは考えてみれば当然のことです。

なるほど、「問い」にかんしていえば、新旧の論文試験で随分と形式が変わった感じがします。

しかし、一方の「答え」にかんしていえば、強いていうなら新司のほうが多少長くなったくらいで、新旧の間にそれほど大きな変化は見られません。「答え」のほうには、「問い」の圧倒的な長さの違いから感じられるほどの、本質的ともいえるような違いは見出せないのです。

 

このように、新旧で本質的な違いのない「答え」から「問い」を再構成するわけですから、そうして出来上がった「問い」が、新旧で似たようなものになるのは当然のことなのです。

 

すなわち、新司法試験の問題文は、世の受験生たちを威圧するその外観とは裏腹に、「無駄な要素」という虎の皮をかぶった羊に過ぎません。

④新司型問題の本当の中身、その本質は、③旧司型問題そのものに他なりません。

 

言いかえると、新司型問題の「問い」の本質、「答え」から照らし返される形で再構成された新たな問いとして示されるものです。こ再構成後の問いそが、新司型問題の本質です。

 

このようにして再構成が完了した「新たな問い」は、間違いなく旧司型問題に限りなく近いものになるはずです(ちなみに、再構成後の新司問題は、旧司問題と同様「問い=答え」の関係が完全に成立します)。


多くの合格者が新司型問題を解く際も、まず新司型の長い事案から無駄な事情を選別・排除して、全体を旧司型の「中文問題」のサイズに一旦落とし込んでから、改めて処理をし直しているはずです。

そうしないで、いきなり新司型の問題文全体を、全体として丸ごと相手にするなんてことをやっていたら、あれだけ長い問題文を正確に処理することはできないのではないかと思います。

 

つまり、多くの合格者は、

【1】 長文の新司型問題を、
          
【2】 いったん旧司型問題の大きさにサイズダウンさせたのちに、
          

【3】 改めて新司型問題を再構成した旧司型問題の形で処理をする。


という思考プロセスを、本人が意識しているかどうかはともかく、辿っているはずなのです。

おそらくは裁判官ですら、ありとあらゆるバカ長い資料を全部そのままの形で相手に
するのではなく、当該案件をいったん百選事案程度の大きさに落とし込んでから(扱いやすいサイズに置き換えてから)、改めて処理をし直しているのではないでしょうか。

以上が正しければ、多くの受験生が旧司型問題についてよく尋ねる質問、すなわち、

 

Q:「新司法試験の論文対策として旧司型問題を解くことは有効か?」

 

という質問に対して、私は、

 

A:「極めて有効である」

 

と答えておきたいと思います。


もちろん、新司型問題が解けるようになるには、新司型問題を解くのが最も良い、ということは言えるのですが、現実問題として新司型の長文問題は、時間の制約もありなかなか多くの数をこなせません。

 

ですから、時間的な効率性の観点からも、③旧司型問題を一定程度取り入れて対策を行うことは、④新司法試験の論文試験対策として、有用かつ必要なことであると私は思います。

重要なことは、身に付けたい能力の(全部ではなく)核心がどこにあるのかを見極めることです。

そして、その核心を集中的に鍛えることです。

たとえば、野球を始めた少年にとって、素振りやバッティングセンターで球を打つことは練習の最優先事項です。野球の解説本を読んだり筋トレをしたりするよりも、はるかに実践性が高いからです。

しかし、いくら実践性があるからといって、毎回毎回、実際に球場に足を運んで、毎回毎回、実際にバッターボックスに立ってバットを振る必要があるかといえば、さすがにそこまでする必要はないでしょう。

そのような極端な練習は、実践性の高さと引き換えに、時間と労力を著しく損なうことになるからです。

したがって、野球を始めた少年にとって最も効率性の高い練習とは、練習の核心部分を最優先し、そこに実践性を付加していくものになるでしょう。この場合の核心部分とは、バットを振る・ボールを打つという練習を、場所を問わずに行うことです。


このように、練習には核心部分とそうではない部分があります

これらの要素をバランスよく配分しながら、最も効果的なポイントを見出すことが肝要なのです。

 

司法試験の論文対策に戻ると、
(1)最重要の核心部分は、事案とメイン条文を結びつける(事案からメイン条文を想起する)訓練です。

(2)それができたら、今度は無駄な要素が入った長文問題で、(1)と同じ訓練を行います。

(3)最後に、実際に会場で(2)を訓練することも時には必要です。

 

(1)=旧司型問題の処理訓練

(2)=新司型問題の処理訓練

(3)=答練・模試の受験

です。

 

これらをどう配分していくかが、受験生にとって大事な戦略となります。

 

私のおすすめの配分を適当に言ってしまえば、(1)70% (2)25% (3)5% くらいでしょうか。

もちろん、自分が何を得手・不得手にしているかによって、配分は変わってきます。

 

形式的にいえば、(3)だけで(1)(2)(3)全てをカバーしているとも言えるわけですから、(3)を100%にしてもいいですし、あるいは、(2)で(1)の練習を全てカバーすることにして、(2)を95%やることにしてもいいわけですが、既に述べたように、練習には核心部分とそうではない部分があります

そうである以上、配分を(2)(3)に極端に偏らせることは、勉強方法として逆に効率が悪いのです。

 

つまり、旧司型問題を適度にブレンドして勉強することが、司法試験の論文対策として最も効率的な方法だと私は思います。

 

 

 

 

 

 

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