久しぶりの長編です | ゲテのブログ

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日々思いついたコトをいろいろ綴ってます

最近

CSの古い再放送ドラマ

よく見てる

 

若い頃見てたやつね

 

 

そのドラマを放送されてたころ

ゲテ

お菓子の工場で働いてて

 

お菓子って

ケーキとか洋菓子ね

 

そういうのは

夏場は売れなくて

 

15時ぐらいに仕事終わっちゃって

 

帰宅しても

16時半とか

まだ日が高い

 

テレビは

ドラマの再放送の時間帯で

よく見てた

 

ちょっと

そのころの話を思い出して

 

書いてみたいと思って

 

ゲテのいた

お菓子の工場は

出来てまだ5年目ぐらいの工場で

 

会社自体は古いんだけど

自社工場はまだ5年目ぐらいで

 

ゲテは4年目の新人だった

 

今のアイドル風に言えば

1期生、2期生、3期生

で、ゲテは4期生

 

先輩後輩の関係はちゃんとしてて

それでも和気あいあい

楽しくやってた

 

とはいえ

そこは会社

筋は通さないと

 

他部署から製造課長が赴任することになった

 

常務が製造課長を兼務してたので

ちゃんと

しようってことだ

 

その

新任の課長ってのが

 

まー

イカツイおっさんで

赤ら顔で

圧の強い感じで

コワモテで声もデカイ

 

もう見るからに”反社”の人みたいな

おっさんで

 

ついたあだ名が

「赤鬼」

 

この赤鬼

赴任直後にやったのが

自分の子分にあたる

”主任”の任命

 

当然

流れからして1期生から選ばれるはずだったが

 

選ばれたのが

なんと3期生

 

あえて

3期生を抜擢して

1期生2期生を鼓舞しようってことか

 

3期生といえば

ゲテの1コ上

 

まだ弱冠ハタチの”大沼”(仮名です)ってやつ

 

入社2年目で

主任になった

 

赤鬼はこの大沼を使って

改革をしようと目論んだんだろうが

 

この大沼ってやつが

まー

ポンコツで

 

1期生2期生の先輩方を

 

「あんた」

「お前」

 

呼ばわりすることから始める

 

ミスした2年先輩に

 

「おまえなぁ、わかってんのか!」

 

なんてやるわけですよ

 

・・・ちょっとねぇ、おかしいでしょ

 

なんか大抜擢されて

有頂天になってたのか

 

バカですわ

 

面白くないのは

先輩方

 

今まで

後輩だったのが

”上司”になったんだから

 

しかも

バカにしてくるんだよ

 

その大沼が

新たな武器を手にする

 

「始末書」

 

「始末書書かすぞ!」

 

っていう武器です

 

ゲテが

牛乳が足りず冷蔵庫で大型の牛乳缶から

ステンレスのボールに入れて

持ち場に戻ってる途中

小走だったので

ボール内で

牛乳が揺れて

跳ねて

マグカップ半分ぐらい

床にこぼしたんだよ

 

それを大沼が見つけて

すっ飛んできた

 

「ゲテ!牛乳こぼしただろ!」

 

「・・・はい」

 

「始末書書け!」

 

「は・・・しまつしょ?ですか?」

 

何もわからないまま

例文みたいなの見せられて

それを手本に書いて提出した

 

ゲテもまだ18か19ぐらいで

まだよくわかってなくて

言われるがまま書いた

 

反省文的なもんだと思ってたけど

 

あとで

大変なことだと知った

 

それから

しばらくして

 

仕事終わって

駅に向かって歩いてると

 

駅前で3期の先輩が待ってた

 

「ゲテ、ちょっと」

 

駅前の喫茶店に連れていかれる

 

そこには

1期生2期生がずらりといて

 

リーダー格の方が

 

「ゲテ、お前大沼に始末書書かされたのか?」

「はい」

些細なことで書かされた顛末を話す

 

「オレたちが会社から始末書取り返してやるから協力しないか」

 

クーデター計画があったようで

面白そうなんで協力することにした

 

職場の常務さんは

気さくな方で

毎日必ず工場に顔を出されて

ゲテみないな下っ端にも

片手挙げて”よっ”なんて挨拶してくれる方で

 

その常務さんに直訴しようという作戦

 

駅前の喫茶店が作戦本部で

 

時々

ゲテも呼んでもらって

作戦会議に参加した

 

そんなことは

会社は先刻承知で

クーデター計画は筒抜け

 

そもそも

会社は

赤鬼+大沼が

従業員から反感買ってることも知っており

 

そりゃ毎月

始末書が何通も事務所に挙がってきたら

おかしいと思うでしょ

 

しかも

読んだら些細なことで

書かせてる

 

強制してるのは明白

 

こんなの

労働基準局なんかに知られたら大変

 

そこで

速やかに

会社は動きました

 

まず

赤鬼の更迭

 

資材課だったか、左遷されます

 

その後

大沼の主任は解任

平に降格

 

空席になった課長席は

後日

別部署から着任することに

 

始末書は無事

返してもらって

その場で

シュレッダーで粉砕してやりました

 

これで

元通り

 

話は続きます

 

さんざん

大沼にコケにされた先輩方の

報復が始まります

 

かなりしっかりイビられてました

 

ゲテが仕事してたら

大沼がやってきて

「ゲテ、冷蔵庫からバター取って来てくれんか」

「はい」

行こうとしたら

2期生の先輩が

すっ飛んできて

「ゲテ、行かなくていいぞ。バターぐらい自分で取ってこい!」

 

会釈して

持ち場に戻る

 

しばらくして

冷蔵庫から戻って来た大沼

 

目の周りが真っ赤だったから

・・・泣いてたんだろうな

 

でもまぁ

しょうがない

 

赤鬼にそそのかされたとはいえ

やったのは大沼自身だ

 

大沼

徳島の人で

会社の寮に住んでて

 

職場でも寮でも

イビられてた

 

トイレに入ってたら電気消されたりしてたって

 

結局

2ヵ月頑張ったけど

 

退職して

徳島に帰った

 

仲いい職場だったけど

 

大沼の送別会はなかった

 

やったところで

誰も行かなかったろう

 

かわいそう

とは思うけど

 

これはどうなんだろう

 

大沼

もうちょっと上手くできなかったのかと

思うねえ

 

赤鬼も

大沼はもっと賢いヤツだと

思ってたんじゃないか

 

予想以上にポンコツだった

 

しかし

偉いのは

大沼

 

一度も

謝罪はしなかった

 

それは

ちょっと見上げたヤツだった

 

いや

謝れないほど気が小さかったのかもしれんが

 

謝らないのは

信念も勇気も必要だ

 

今は何してるんだろうか

 

知ったこっちゃないが

 

大沼からは

反面教師として

いろいろ学ばせてもらった

 

そういう意味では

感謝してるが

 

今でも

嫌いだわ

 

あいつ

 

じゃまた