■ハロルド作石
■BECK
■ストーリー
田中幸雄14歳。
ホントに平凡な人生だった・・・。
あの男に出会うまでは━━━━━━
なんとも短いストーリーで申し訳ありません。
あの男「南 竜介」に出会う前の田中幸雄の人生に、
ストーリーとして書く部分がほとんどないのです。
それくらい平凡な中学生だった田中幸雄が、
竜介に出会うことで急変するのです。
まず作者「ハロルド作石」氏の代表作と言えばゴリラーマン。
主人公がまったく喋らないという特殊な漫画でしたが、
ストーリーと見せ方によってうまく作品として作り上げた名作。
そんな喋らない主人公を描いた作者が、
今度は音が聞こえない音楽漫画を手がけました。
音楽の音の部分が聞こえないわけですから、
ゴリラーマン同様ストーリーや見せ方だけで伝えなければならず、
コマ割や擬音表現などあらゆる部分を的確に活用しなければなりません。
その部分が出来てこその音楽漫画であるのですが、
もちろん本作も十分に聞かせる漫画を作り上げています。
音楽のおの字もわからない少年「田中幸雄」が、
回りの環境に左右されつつもそれが音楽の基礎を作りあげていたり、
音楽に対する気持ちが徐々に強くなる心理描写など、
ストーリーの部分は特にすばらしい出来です。
少年漫画である為画風に関しては女性が好まない傾向もあるかもしれませんが、
そういうフィルターのない方や音楽ファンにとってはとても楽しめる作品です。
最近は「NANA」や「のだめカンタービレ」など、
音楽関連の漫画がとても注目されていますし、
本作もTVアニメ化にとどまらずゲーム化までされました。
ゲームの方は・・・な結果となりましたが、
現在も月刊マガジンにて連載中ですので、
今後もまだまだ期待した作品です。
■マーベラスインタラクティブ
TVアニメ放映終了直後に発売だった記憶がありますが、
それにしても寂しい結果になったタイトル。
まぁゲーム化自体に無理があるのかもしれませんが。