ほんとうにきみたちに人間関係が描けるだろうか? | 作家養成塾『遊房』の公式ブログ 「めざせ!公募小説新人賞」門座右京監修

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こんな記事に目がとまりました。

心の病の社員増えた…企業の4割
(読売新聞 - 08月31日 19:50)

 「最近3年間でうつ病など心の病気を抱える社員が増えた」と回答した企業が44・4%に上ることが31日、民間の調査機関「労務行政研究所」の調査でわかった。

 55・2%だった2008年の前回調査時より減少したものの、年代別では20歳代の若年層が増加した。

 調査は今年4~5月に実施し、上場企業など252社の回答を集計。心の病気を抱える社員が増えたと回答した企業は、社員1000人以上の企業で50・6%(前回比20・2ポイント減)、300~999人で50・0%(同9・8ポイント減)、300人未満で33・3%(同0・8ポイント増)と、大企業を中心に減少傾向が目立った。

 一方、心の病気を抱える社員が多い年代層を複数回答で尋ねたところ、30歳代の48・2%(3・7ポイント減)、20歳代の47・3%(6・1ポイント増)が多く、20歳代では前回調査より増加した。同研究所は「若い社員に即戦力を求める企業が増えている。それがストレスにつながっているのでは」としている。

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15年ほど前になります。
1か月だけ正社員として入社したことがあります。
立ち上げたばかりの会社で、チャーターメンバーとして指導いただきたいということだったわけです。

社長というのは、私より10歳ぐらい年下だったでしょうか。
若くみえることを自慢にするつもりはないんですが,その10歳年下の社長より私のほうが下に見えたはずですが,面接している社長より下っ端仕事をしている私が社長と思っていた応募者がほとんどだったんですね。

たぶん年齢とかそういうことではなく、その人が持っている、なんというか説明のつかないもの、人徳といってしまえばそれまでですが、何かオーラのようなものを、素直に感じた結果でしょう。

あとでどうしてかわかったのですが、どうもその社長というのはパソコン世代とでもいうのでしょうか。隣にいる人間にも、メールで指示するんですね。
これじゃ人徳も何もあったもんじゃないな、ということで、早々に仕事を引き払わせていただいたんですが、どうも聞くところによると、そういう指示系統がメールというのは、最近では当たり前のようになっているようですね。

私は思うんですが、日本の国語能力は、文科省が考えているようなレベルを、はるかに下回っているといえるでしょう。
そのことは小説指導をしていてもわかりますが,昔はストーリー構築法を教えれば、だいたい1年で公募授賞する連中は、10人中8人が該当したものです。

が、最近は,国語レベルの低すぎるせいか、国文法あたりもわかっていない、でたらめなことばを正しいと思っている連中が増えてきています。

国語能力が欠如しているのに、メールという文章力の必要な文化が,パソコンやモバイルメールによって、すっかり定着してしまったため,自分のことばですらまともに説明できない連中が、もっとわかっていない文章で命令しているわけですから,これはコミュニケーションの欠如というより、人間関係の欠如という現象になっているわけですね。

うつという病気は、だいたいにおいて、気の弱い連中が、いわゆる気を使いすぎた結果,陥る病気であるわけだけれど、コミュニケーションがメールだけの世界となると、これは多少、向こう気の強い私などでも、持っていく矛先が真奈美の人間でなく、乾いたパソコン画面だとどうにかなってしまうかもしれません。

男女のまともな会話が書けないというのも、そうした弊害ゆえでしょう。

人間というのは、最初に文字ではなく、ことばを持った生き物なんですね。
そのことばを残そうとして、考えだしたのが文字という文化なんです。

まず、メールのやり取りの前に、面と向かって笑い、面と向かって叱りましょう。
陰でこそこそ言い合うから,うつ病が充満してくるのです。

ことばを知らなければ、ことばを文字にすることはできないのですから。