時代劇からヒントを得る/公募小説、新人賞突破のアドバイス | 作家養成塾『遊房』の公式ブログ 「めざせ!公募小説新人賞」門座右京監修

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こんなニュースがありました。

5月なのに雪、30センチの積雪も
(日テレNEWS24 - 05月13日 12:04)

 強い寒気が流れ込んでいる影響で、13日は東日本や北日本の山間部で季節外れの雪が降っている。
 群馬県の北部山沿いにある天神平周辺でも12日夜から雪が降っており、13日朝までに約15センチの雪が積もった。この時期に雪がちらつくことは時々あるが、ここまで積もるのは大変珍しいという。
 また、群馬県と長野県にまたがる志賀草津道路では、多い所で30センチの積雪があったという。
 この雪は13日の日中にいったん小康状態となるが、13日夜から14日朝にかけて再び本格的に降る予想となっている。

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異常天気というんでしょうね、こういうのって。
と、振りはこの程度にして、今回は時代劇から、ヒントを得ようという視点研究です。
もっとも時代劇でなくても、ポルノでも、喜劇でも、ホラーでも、なんでもいいんですが。

このニュースですぐに思いついたのが、月形半平太の「月さま、雨が」というシーン。京の舞妓がお茶屋で遊んで帰る月形を見送りに出て、そっと表をみると小雨がぱらついている。
で、この舞妓がくだんのことばをいって、番傘をさしかけるというくだりです。
対して月形は、「春雨じゃ、濡れて行こう」といい、さしかけた傘を押しとどめ、詩吟を吟じながら小雨の町を消えていく。
とまあ、こういう感じです。

行友李風作の戯曲ということで生まれた主人公ですが、土佐藩郷士武市半平太がモデルといわれています。

ことさように、連想ゲームのような感じで、主人公像やストーリーラインを、どんどんくっつけていくというのが、この部分で、塾ではこれを「カオス(混沌)」を作るといいます。

たとえば、5月の雪。ということでいうと、私なんぞは、雪と由貴となり、初恋の女性をついつい連想してしまうんですな。
3回振られたのに、いまだにお付き合い願っているんですから、ちょいとしたストーカーですな。
しかも我が奥さん同伴で食事にもいっている。

たとえば、この関西風にいえば「けったいな」ヤツは、すでにありましたし、「けったいな」夫婦もあった気がしますので、この際、死にかかった私、アラカンじじいを主人公に仕立てて、死んでいくまでのラブストーリーでもええなあ、と思っとりま。

そういえば関西には、和が師森繁久彌先生の「夫婦善哉」とか、先輩格にあたる市川雷蔵先生の「ぼんち」などという、軽妙洒脱な作品がけっこうあります。

どたばたの漫才がまたぞろブームですが、そういう軽妙洒脱な路線は、いずれ誰かが復活させ、関西文学の地盤沈下を食い止めてくれるような気もします。

ちょっとしたことばをヒントに、発想を深めていくには、相当量の小説や映画を読んで観なければ思いつくものではありません。

今のみなさんに足りないのは、決定的な致命傷ともいうべき、読書量の低さ、少なさです。
まともに本も読まない人が、まともな日本語を書けるかを考えればわかるはずです。

たくさん読んで、たくさん思いついてください。
思いつくためには、毎日をぼやっと過ごしてはダメということでもあります。