こんなニュースがありました。
クロマグロ禁輸案否決=日本の「反対」実る-ワシントン条約会議委員会
(時事通信社 - 03月19日 01:03)
【ドーハ時事】絶滅の恐れがある野生動植物の輸出入を規制するワシントン条約の第15回締約国会議の第1委員会は18日(日本時間同日夜)、大西洋・地中海産クロマグロ(本マグロ)の国際取引禁止案を、反対多数で否決した。すしネタや刺身用の高級魚であるクロマグロの国内消費のほぼ半分を同地域に依存する日本は、禁輸反対を各国に働き掛けて劣勢をはね除け、否決に持ち込んだ。
モナコが提案した禁輸案に対する投票結果は、賛成20、反対68、棄権が30だった。本会議に当たる24~25日の全体会合で、モナコが再投票を求める可能性は残るが、禁輸は回避される方向となりそうだ。
委員会では、モナコが禁輸の提案理由を説明した後、各国が意見を表明。カナダは禁輸案はうまく機能しないと指摘し、国際機関「大西洋まぐろ類保存国際委員会」(ICCAT)で行う資源回復の取り組みを支持する考えを表明。漁業国やアフリカの途上国などからも同様の声が相次ぎ、「クロマグロの資源回復はICCATでしか解決できない」という日本の主張が幅広い理解を得た形だ。
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このニュースは、要するに裏工作の結果、マグロを食えるようになった。というものです。
料理の話というのは、安定した読者層があり、いわゆる「売れる」要素でもあるわけですが、元来、マグロのそれほど好きなことのない私としては、そこまでして食いたいか?という意識があります。
大トロをありがたがって食う人が多いようですが、本来はブタのえさ。
猫でさえ食わないというのが、脂身の大トロ部分。
おいしい赤身をブタに食わせて、ブタも食わない大トロを人間がありがたがって食っている。
ま、風刺にはなるんでしょうが、この手のニュースというのは、まず、切口が見当たらない。というのが、私の個人的感想です。
さて、こういう切口はどうでしょう。
どうでもいいようなものを、必死で守ろうとする、おろかな人間劇というやつです。
ま、このマグロのような駆け引きドラマですね。
どうでもいいようなもの。
私はここに「命」というキーワードをおいてみたいと思います。
医学の進歩というのは目を見張るものがありますが、哲学的ないいかたを借りるまでもなく、人間は誕生した瞬間から、「死」に向かって歩き出すわけで、「死」は確実にやってくるわけですね。
つまり不老不死はないわけです。
が、どんどん延命治療という分野でも成果が出て、たしかに50年もたって、植物人間になっている人が、意識を取り戻したという話もありますが、これってそこまで生かす必要性というのは何なんでしょうね。
意識が戻った人間というのは、50年間のブランクがあり、そのブランクを埋めるため、とにかく知識を貯えようとして、猛烈に勉強する。
その結果、頭の回線がショートして、あえなくその人は死んでしまうということになると、風刺ではありますが、人間の命の尊厳を見つめるおもしろい話になるように思います。
私があまりまぐろを食わないものですから、どうでもいいといえばそれまでですが、せっかく秘訣に持ち込んだマグロを、ある日、日本人が何かの理由で一切食わなくなったとしたら。
同じ切口でも、このような意外性のほうがおもしろいストーリー展開になりそうです。
ニュースというのは、それをストレートに読んでも、作家修行にはなりません。
せめて斜め読みでもして、おもしろい切口を見つけていただきたいと思います。