ストーリーというのは、必ず、事件が起こります。
いつもたとえ話で使う浦島物語でもそうですが、村の子どもにいじめられている亀をみて、浦島がかわいそうに思って、金をあがなって助けるという事件が起こります。
よく純文学しか文学と認めない、などという、ろくに日本語の文章も書けないかたが、入塾に当たって、このようなことをいってくることがありますが、純文学であっても、事件が起こらないとストーリーははじまっていかないわけです。
誰かを好きになったというのも事件ですし、今回の遅刻というのも事件なんですね。
殺人事件だけが事件ではないということです。
さて、遅刻ということになりますと、本来のストーリーとは違うストーリーが展開するのは、容易にわかりますね。
遅刻しなければ、それがデートなら、ごく普通にたのしい一日が訪れていたはずです。
が、遅刻したことで、相手が帰っている可能性もあるわけで、としますと、日常ではないストーリーが、そこから展開することになります。
少し、話題は変わりますが、競馬の格言に逃げ馬1頭の場合、必ず、馬券に絡ませよ。というのがあります。
これは逃げ馬がそのレースを引っ張り、レースを演出するキーホースになる可能性が高くなるからです。
が、その本来ならレースを引っ張り演出する逃げ馬が、スタートダッシュで遅れて、最後尾を走ることになると、その逃げ馬が演出するレースにはなりませんね。
ストーリーというのは、この競馬のレース展開と同じで、ほんのちょっとした事件で、ストーリーは一変してしまうことがあるということになります。
さあ、あなたは今日の何時かに、デートの約束をしています。
普通通り出かけるのですが、ちょうど、地下鉄にトラブルがあり、時間通りに行けないことになります。
遅れることを電話しようとしても、相手が電話に出てくれません。
実は相手は携帯電話をもってでることを忘れていたんですね。
ようやく着いたとき。そこからはじまるストーリーを作ってみましょう。
これが、エピソードストーリーとなり、本線に導入されれば、かなりおもしろい物語になるかもしれません。
やってみてください。