地域創生を加速する「道の駅」

「道の駅」にビジネスチャンスあり

 

 新型コロナで経済活動が止まっている中、感染対策を万全にし、日本全国を車中泊仕様に改造した軽バンで旅しながらリモートワークを始めた。その中で、世界に類のない「道の駅」という仕組みに大いに関心を持った。

 

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった直後の2020年4月、米科学誌『サイエンス』の論文では「新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、外出規制などの措置を2022年まで断続的に続ける必要がある」とハーバード大研究チームが発表した。当時は「2年もかかるものか」と疑っていたが現実になった。

 

 私は1988年からアメリカに移住し、様々なビジネスをニューヨークを中心に行ってきた。近年は日本でクラウドファンディングを普及させるために活動し、新商品の開発、海外進出や地域創生に力を入れてきた。パンデミックになった2020年から、30年以上住み慣れたニューヨークから日本へ拠点を移し始めた。

 

そこで出会った道の駅は現在、全国に1193駅ある。私は昨年、42都府県、551駅に訪問し、それをすべてブログにつづった。そこでの郷土料理や特産品、温泉情報もまとめていった。

 

「道の駅」の仕組みと目的

 

そもそも道の駅とはどんな仕組みと目的があるのだろうか。

 

道の駅の登録は、市町村やそれに代わり得る公的団体が設置者となり、国土交通省に申請し認可されるものである。そして、管理・運営はJA(農業協同組合)や民間企業などの指定管理者や第三セクター、自治体が行っている。その目的は、道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供と地域の振興に寄与することである。

 

また、道の駅では3つの機能を備えなくてはならない。1つ目は、24時間無料で利用できる駐車場、トイレなどの「休憩機能」。2つ目は、道路情報、観光情報、緊急医療情報などの「情報提供機能」。3つ目は、文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設で地域と交流を図る「地域連携機能」である。

 

 

 

図表:国土交通省の資料の元、著者が作成

 

ステージ別にみる道の駅

 

 1993年に最初の道の駅が登録された第1ステージから現在は第3ステージとして進化を遂げている。

 

開駅当初の第1ステージでは、道路利用者への公共の休憩所、トイレ、案内所を主とする「サービス提供施設」であった。その10年後の2013年からは、第2ステージとして、道の駅自体を「観光の目的地」として、特産物や名物、そして地域の情報発信地としての機能を果たすようになった。そしてウィズ・コロナ時代になった2020年からは、第3ステージとして「地方創生・観光を加速する拠点」とする等の目標が掲げられている。

 

 

図表2 国土交通省の資料の元、著者が作成

 

現在、道の駅は全国に浸透し、認知度も高まり、日本全国を網羅する一大ネットワーク拠点となった。年間延べ2億人が集まり、年商10億円以上を稼ぐ道の駅は20カ所を超える。新鮮な地元の1次産品の販売だけでなく、加工から一貫して手掛けた独自商品で集客を競う道の駅も広がってきた。集客力のある道の駅には大手企業が参入するようになり、商業施設化も盛んになっていった。

 

例えば、積水ハウスと米マリオット・インターナショナルは2020年10月、岐阜県美濃加茂市の道の駅「みのかも」の隣接地にホテルを建設。岐阜を皮切りに、全国14カ所に相次いで道の駅隣接のホテルを開業した。23年秋までに29カ所に広げる計画があるようだ。

 

 また、アウトドア用品大手「モンベル」は福井県と連携・協力の包括協定を結び、2021年4月に福井県大野市蕨生に開駅した、道の駅「越前おおの荒島の郷」に出店した。また同社は秋田県とも提携し、23年に秋田県にかほ市に開駅予定の、道の駅「象潟」にも出店する。施設内では物販のみならず、人工岩でのクライミング体験ができるほか、同市の自然を楽しめるようトレッキングやカヤック、カヌーなどの体験プログラムも用意する。市はモンベルに施設の管理と運営を委託する方針だ。

 

 弊社においても、道の駅のファンに向けて、楽しみながら学ぶ「全国道の駅検定」を開始した。また、私が教鞭をとる福知山公立大学においても道の駅と連携し「道の駅xクラウドファンディング」を実施。過疎化、疲弊している道の駅の「新商品の開発」や「ブランディング」「越境EC」「海外進出」の支援も行っていく。

 

これまでドライバーの憩いの場として発展した道の駅から地域再生を担う拠点に進化している。当面は国内観光やマイクロツリーリズムが推奨される中、ますます道の駅の需要が増すのは間違いない。そこには無限のビジネスチャンスがあると確信している。

 


板越ジョージ/佐賀大学客員教授、クラファン株式会社代表取締役
いたごし・じょーじ 1988年渡米、1995年にNYで起業。米国で上場を試みるが、2001年同時多発テロの影響で倒産。その後、日米において海外進出のコンサルティング、クラウドファンディングの普及、日本の地域創生を行う。「クラファン®」の名付け親。著書多数。サウスカロライナ大卒、中央大学大学院修了MBA、博士(学術)。経産省「新しい担い手研究会」委員。中小企業アドバイザー(中小機構)。

 

(初出:繊研新聞 2022年1月18日)

 

 

 

日本を知ろう! 全国道の駅検定

https://www.michiken.jp/

 

 

 

 

 

 

今日もお付き合いありがとうございました^_^

 

「フォロー」すると最新情報があなたの元へ届きます。

 

「いいね」は励みになります!

 

皆様の役立つ情報をお届けしたいと思っています。

 

 

 

小さな幸せが大きな幸せ^_^

 

板越ジョージ 博士(学術)

ワインソムリエ、温泉ソムリエ、道の駅研究家、

クラウドファンディングコンサルタント®︎

 

全国道の駅検定

https://www.michiken.jp/

 

YouTubeやってます!

https://www.youtube.com/channel/UCmyFhqg2DtQl2ipgporEdIw

 

インスタグラムで日常をアップ!

https://www.instagram.com/george_itagoshi/?hl=ja

 

無料メルマガ(イベント情報)

http://www.igyoshu.com/mailinglist/index.htm 

 

 

 

✳︎こちらのブログはプロモーションではありません。私個人で購入し、私見を述べたものです。