普段何気なく使っているお札には、
1万円札は福沢諭吉、5千円札は樋口一葉、
千円札は野口英世、ほとんど見ない2千円札は守礼門
の図案が用いられています。
このお札の正式名称を、日本銀行券と云います。
その歴史は、明治10(1877)年に
大蔵省紙幣局が国産第1号紙幣を製造したことに始まります。
日本銀行券の平均寿命は、1万円券で4~5年程度、
使用頻度が高く傷みやすいので、5千円券と千円券は、
1~2年程度とされています。
こんな日本銀行券の原料として用いられるのは、
ミツマタとマニラ麻です。
日本銀行券は、深凹版印刷、すき入れ(白黒すかし)
ホログラム、マイクロ文字など
数々の偽造防止技術が施されており、
ミツマタは、繊維が柔軟で細くて光沢があり、
印刷適性に優れているので、世界一の品質の
日本銀行券を製造するための材料として適しています。
ミツマタは三股に枝分かれすることから名が付いた
ジンチョウゲ科の落葉性の低木植物で、
中国原産とも日本にも自生するとも云われています。
花は初秋から樹木の先に蕾をつけ、
翌年2~3月頃に外側から内側に向け開花します。
古くから楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)とともに
樹皮が和紙の原料として使われてきました。
日本銀行券(紙幣)以外にも、証券用紙、
箔合紙、賞状用紙、美術工芸紙などに用いられています。
なお日本銀行券を偽造すれば、
通貨偽造・変造罪(刑法第148条第1項)
偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)で
罰せられますので、変な気を起こさないようにね