最近、注目されているがんの
免疫細胞療法についてご紹介します。
今から約100年前にアメリカの
ウィリアム・B・コーリーが
バクテリアを混合したワクチンを
がん患者に注射したことに
始まります。
長い間、影をひそめていましたが、
1980年代、
がん細胞を攻撃、排除するサイトカイン
(細胞活性化)による
免疫力強化療法の研究が進みました。
遺伝子工学の進歩にともない、
インターロイキン2や
インターフェロンなどの大量生産が可能となり、
腎臓がんやメラノーマ(悪性黒色腫)
の治療に応用されました。
現在では、免疫細胞療法が効果を上げつつあります。
患者自身の血液から採取したリンパ球に
インターロイキン2を混ぜて培養し、
増殖させて患者の体内に戻すLAK療法も
アメリカ国立がん研究所で始まっています。
腎臓がん、メラノーマ、大腸がん患者に実施した
臨床試験では、22%との有効率を上げています。
免疫細胞療法はまだまだ実験段階の治療法ですが、
自分自身の免疫メカニズムを利用してがんを治療する
副作用の少ない治療法なので、
将来に希望の持てる最先端医療です。