印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

本日、印刷の依頼をいただいたお客様は、条件を詳細に記載しており、不明点や確認事項はありませんでした。

印刷物の依頼時には、どの程度の情報を提供すれば見積もりが可能か、お客様にとっても分かりづらいことがあります。そのため、私たちはお客様としっかりと条件を確認するように心掛けています。

お客様が詳細を把握できていないのは当然のことであり、私たちの役割はお客様の意図を引き出すことです。それによって、見積もりだけでなく、適切な提案も行うことができます。

本日のお客様の案件は、増刷の依頼でしたので、過去の見積書の条件欄を参考にして、詳細な条件を提示していただいたものと想像できました。

というのは、印刷用紙の条件として、こう記載があったからです。

用紙:ニューVマット A判57.5kg

印刷通販によって、印刷用紙の名称も、WEB上で一般の方が目に触れる機会が増えましたが、「ニューVマット」という紙の名称は、あまり見たことがないと思います。

しかし、「マットコート」と言えばお馴染みだと思います。

実は、「ニューVマット」は「マットコート」なのです。
 

 

なんのこっちゃと思われる方もいるかと思いますが、「ニューVマット」は三菱製紙の「マットコート」の銘柄の1つなのです。

製紙会社ごとに、「マット系のコート紙=マットコート」の銘柄がいくつもあります。

そのため、銘柄である紙の商品名と、紙の種類である総称、呼び名を明確に区別しておかないと混乱してしまいます。

今回の場合は、過去の実績として、「ニューVマット」を使用した記録があったことから、お客様は「ニューVマット」という条件をだしてきただけだと思いました。

お客様は、紙の条件を伝える際には、記載された情報をそのまま伝えることが効果的であると考えたのでしょう。

 

そう解釈できたのです。

そのため、今回は「マットコート」という条件で記載した見積書を、今回提出させてもらいました。

「ニューVマット」は、当社の工場でも、常備紙として選んでいたくらい印刷適正が良い紙ではあるのですが、今年に入ってからの紙の供給不足によって、「ニューVマット」は入手困難となりました。

どこの印刷会社も、よく利用されるコートやマットコートは、様々な銘柄のものを取り寄せ、対応しているのが現実です。

念のため、お客様にもこの話をしたのですが、案の定、「ニューVマット」にこだわっている訳ではありませんでした。

印刷通販サイトでは、絶対にでてこない紙の名称ですが、一般の印刷会社は正確さを期すために、銘柄で用紙を表記する場合も多々あります。

知っておく必要はありませんが、マットコートだけ、どんな銘柄があるのか、まとめてみることにします。

当社の新人君も、いまだに、ユーライトという紙がマットコート紙だいう感覚がなく、困ったものだというのも、まとめてみるきっかけになりました。
 

 

マットコートの種類

●王子製紙
ニューエイジ
ニューエイジW
OKトップコートマットN
OKロイヤルコート

●日本製紙
ユーライト
リサイクルマット100
シルバーダイヤ
ニューウルトラS
シルバーダイヤS

●大昭和製紙
しらおいマット

●北越製紙
ミューマット
ミューマットER

●中越パルプ
雷鳥コートN
レジーナ雷鳥マットコート100

●大王製紙
ユトリロマットコート
グリーンユトリロマット100

●三菱製紙
ニューVマット
パールコートGマット
ニューMBSマットコート

 

最初にある「ニューエイジ」という銘柄が、かつてはマットコートの代表のような紙だったのですが、廃盤になるという話も今年ありました。

そんな感じで、製紙会社の都合で、紙の銘柄もどんどん変わってしまいます。

しかし、マットコートといっても、これだけの種類があることを知っていれば良いと思います。

プロは、よく使用されるマットコートの銘柄は頭に入っていなければいけませんが。

それならば、印刷通販でマットコートを選択したら、どの銘柄なのかを知りたいところですが、印刷通販もやりくりしているでしょうし、教えてもらうことはできないと思います。

銘柄によって、紙の色目や平滑さ、印刷適正が微妙に違うのですが、一般の方が気にするようなことはないと思います。

ごく稀に、同じ斤量の紙でも銘柄によって、紙のしなり方が違い、銘柄から指定しなければならないこともあります。

それだけ、印刷の仕事は繊細なのです。

今日はここまで。

ブログは続きます。