原種シクラメン クレチカム eⅹ CSE 96262の葉っぱが出てきました。
2016年 グリーンアイスナーセリー種から。なかなか大きくならないね~。
届いた実生ビニールポットは小さすぎて安定も悪かった。そこで一回り大きな鉢に鹿沼土を使って二重鉢にしてみたという。この判断が後々に良い結果をもたらすことになるのじゃが、その話はあとにしよう。
爺さまは時を忘れ、ヴェシカリウスが頭を持ちあげるのをじっと待った。じゃが、そんな爺さまに最初の試練が襲い掛かるのじゃった。
ヴェシは頭を持ちあげたものの、自力で種鞘を外すことができんかったという。2日待った。どうしても取れん。爺さまは焦った!種鞘が外れぬまま命を落としたものを何度も見た!無理に外そうとして双葉がちぎれたこともあった!この子をそんな危険な目に合わせるわけにはいかん!
その頃には爺さまにもいい相談相手が出来ていたという。花のお江戸に暮らす◯レボラス倶楽部の会員さまじゃった。
そのお方のアドバイスに従い、ちぎったティッシュぺーパーを乗せ乾かぬように霧吹きで湿らせ続けたという。
爺さまはそんなに暇人ではなかったが、丸一日つきっきりで面倒を見たという。そして遂にその日がやってきた。とっ、とれた~!!。苗が届いてからわずか数日じゃったが、爺さまとヴェシカリウスには強いきずなが生まれたという。
女の子が欲しくて頑張った爺さまじゃったがそればかりはどうにもならんかった。しかし、その爺さまに待望の女の子が生まれた瞬間じゃった。
爺さまはこの子に「ヴェシ花」と名付け、それはそれは、目の中に入れても痛くないほど可愛がったという。
さすがに布団をかけたり、一緒に寝ることなどしなかったが毎日毎日、それはそれは甲斐甲斐しくお世話したそうじゃ。なるべく日が当たるところに置き、北風からは体を張って守り、凍てつく夜はそっと玄関に招き入れたという。
そんな爺さまの献身的な愛に「ヴェシ花」もこたえたそうじゃ。双葉のまま一年目を終えるヴェシも多い中、何と本葉が発生したのじゃった。
株元から本葉が出る、これもまたヴェシの特異性じゃ。さらに「ヴェシ花」もがんばった。
もう、こんな狭い鉢の中にはおれん。「ヴェシ花」が爺さまにもっと広い世界を、と訴えたそうな。
爺さまは、そうっと鉢を抜いてみた。根が回っているとまではいかないが、健康な白根で埋め尽くされていた。3月初めのことじゃった。普通は休眠を控えたこの時期、植え替えなどもってのほかじゃったが、可愛い愛娘の訴えは無視することが出来んかったという。
そこで爺さま、細心の注意を払い、根鉢を崩さぬよう、そうっと一回り大きな鉢に植え替えたという。
じゃがそんな爺さまに、またもや試練が襲い掛かる。いや、悪夢といってもいいじゃろう。
つづく。
3月26日(土) 11:00
新型コロナワクチン 3回目接種をした。
最も抗体値の上がるといわれるF・F・Mだ。
3月27日(日) 午前中までは触ると痛い程度だったが午後から頭痛がした。薬を飲んで大人しくしていたら少しは収まったかな?
今日 28日(月)まで有給休暇入れてあるので大丈夫っしょ。
早くも4回目接種の話も出てる。ヤダな~(笑)
始めに
これら一連のお話は爺さまの実体験に基づく物語ですが、時代背景の誤りや勘違い、おかしな言葉遣いや不適切な表現が多々ありますことをご承知おき下さい。
むか~しむかし、相模の国に草花の大好きな爺さまが住んでおったそうな。爺さまは婆さまと、二人の男の子とそれはそれは仲良くつつましく暮らしておったと。爺さまの「買っては枯らし」の道楽さえなければええのにのう、とは婆さまの口癖じゃったが。
その爺さま、チベタとの熱く長い戦いに敗れ、憔悴しきっているかと思いきや、更に面白いものを見つけてしもうたそうじゃ。遠い異国の地、トルコの砂漠に咲くというヴェシカリウスじゃ。
聞くところによると庭植えでは開花例がいくつかあるものの、鉢植えではほとんど無かったというではないか。もっともトルコからシリアにかけては紛争地帯で、容易に立ち入ることが出来ず、ブツを持っているのはごく一部のマニアと原種専門のナーセリーくらいじゃったからな。
容易に手に入らんとなると余計に欲しくなるのが爺さまの悪い癖じゃった。ほしい、ほしい。爺さまは欲しくて欲しくてたまらんかった。
まだ見ぬ異国の地で花開くヴェシカリウスがワシを待っておる。
思い立ったのが12月の中頃じゃった。◯郷園というところで種を見つけたそうじゃ。一粒一千両じゃった。が、そんな時期にあろうはずもなかった。また来てねといわれたそうじゃ。そりゃそうじゃ、既に播き終えている時期じゃからのう。そんなことも知らぬ素人丸出しの爺さまじゃった。
しかし、そのくらいで諦める爺さまじゃあなかったそうな。そうじゃ!種が無いなら苗じゃ!! そのころになると爺さまのネット徘徊はお手の物じゃったという。隅から隅までくまなく探したと。
爺さまの執念は実り、ついに〇村園芸のヴェシ発芽苗、一株五千両というのを見つけてしもうたそうな。見つけたには見つけたが、小さく「う~ん」と唸ったそうじゃ。
それもそのはず。海のものとも山のものとも知れぬものが五千両!?
しかし爺さまには一刻の猶予もなかったそうな。売り切れたらしまいじゃ~。来年まで待たねばならぬ。ヴェシカリウスがワシを待っておる。
爺さまは打ち震える思いでポチっとしてしもうた。もう後には引けぬ。そんな思いが爺さまの頭の中を駆け抜けていったそうじゃ。
届いた苗を見てさらに驚いた。
発芽苗といえば発芽苗じゃが、双葉はまだ顔を出しておらんかったそうな。こりゃあ、おったまげたわい。こげなもんが世に出回るとはのう。
こやつが花開くまで8年というではないか。こりゃあ何があっても死ねんのう。こうして爺さまとヴェシカリウスの開花をかけた戦いが始まったという。
この発芽苗が生死を分けた事件になることをまだ誰も知らない。
つづく。