成長を阻害するもの

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 小田玄紀です


 人や企業・組織にとって成長を阻害するものは多々あります。

それは『思い込み』、『固定概念』や『慣習』といったものや『過去の成功体験』であったりする場合がほとんどです。


 こうした成長阻害要因を捨て去ることが飛躍的な成長に繋がるということは人においても企業においても過去に多く証明されてきました。


 私が起業してからもうすぐで10年。ソーシャルベンチャーキャピタリストとしてこれまで多くの経営者・起業家・NPO代表と交流をしてきました。こうした方達との交流の中で、最近特に強く感じたことがあります。


 それはNPOや社会起業家の成長を阻害するものの存在です。


 現在、社会起業家として第一線で活躍している方の多くとは今から5~7年前の彼らの起業時から交流があります。もちろん順調に活動がいっているかたもいますが、そうでない方も多くいます。


 順調に活動がいっていない方に共通することに、この成長阻害要因が見受けられます。


 NPO・社会起業家の成長を阻害しているもの、それは『理念』です。


 もちろん『理念』はNPOや社会起業家にとって最も重要なことです。

しかし、それが彼らの活動に制限をかけ、結果としてその成長を止めているということ事実があります。


 多くの社会的な取組を行っている方が言うこととして


 「自分達にとって重要なのは、ミッションの達成であり利益達成ではない」

 

 「誰かの役に立っているということで十分我々の活動の価値はある」


 「大企業のやっている社会貢献はウワベだけだ。彼らは社会起業家というのは、社会性ある活動に専念しているうちらからすれば納得できない話だ」


 などの考えを持ち、


  「いいこと」 = 「正しい」

  「いい人」  = 「優秀な社会起業家」


 という概念をもってしまう傾向があります。


 ただ、それは本当に正しいのでしょうか?


 NPOや社会起業家にとって大事なことはもちろんミッションの達成です。ただ、その団体の優位性は、他の取組と比べた場合のミッション達成コストの低さという結果となるべきです。


 たとえば、貧困地域に薬を届けるという活動をしているNPOがあるとします。国連が同じ取組を行った場合には1000万円の費用をかけて5000人を救えたとします。そこを同じ費用で10,000人を救える取組を行っている団体があったとしたら、これは非常に大きな社会的価値があります。


 環境問題でもCO2の浄化コスト(=植林コストや他のCO2浄化施策実施コスト)で比べる方法もあります。


 教育問題など目標設定が難しいものもありますが(偏差値や就職率で比べるのは総論としては正しいのかもしれませんが、これだけが基準ではないと思うため)、たとえば卒業率や初期に設定した目標達成度合いなどで測る基準は作れると思います。


 何よりも大事なことは、まずは自分達で基準を設定すること。そして、それを同じような取組の主要プレーヤーと比較をしてみること。その際にできれば政府機関やビジネスセクターもいれての比較をしてみることです。


 様々な観点で比較をすると、自らの団体の優位性がみえてきますし、またこれまでは「利益重視」と考えていた企業の活動も実は極めて効率的かつ社会性がある取組であることが見えてくることもあります(実際に吉野家やユニクロなどは日本が代表するBOP事業だと思います。あれだけの低単価で利益が出せて世界的に拡大している事業があることは素晴らしいことです)。


 「いいこと」をするのが「良い団体」のではなく、「社会性ある取組みを他に比べてよりパフォーマンスが出せる団体」が「良い団体」です。


 この点が明確になることで、支援者も集まりやすくなりますし、何よりも自らの存在価値が明確になり取組の指針が見えてきます。


 理念に捉われて、


 「収益活動は制限しないといけない」


 「団体のイメージを考えて、●●はしてはいけない」


 「ミッションに外れることは、一切してはいけない」


 という、固定概念を捨て去り、自由な発想で取組を行うことでその団体及びその起業家のパフォーマンスは圧倒的に改善されると思います。


小田玄紀