ユニクロの社会事業

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 小田玄紀です


 先日のニュースですが、ユニクロがグラミン銀行と提携して社会事業を始めるとの記事がありました。


http://www.shopbiz.jp/ic/news/64202.html


 このことは非常に大きな意味合いを持っていると思います。


 よく、フェアトレードなどを含めた途上国支援の社会起業家の方は“ものづくり”を始める傾向があります。現地の資源と人的リソースを組み合わせると、参入ハードルが低いために、ものづくりを事業の柱として展開していくところが多くなります。


 ただ、実際に“ものづくり”をはじめてみると、思った以上に手間がかかるということに気が付きます。当然、作業効率が高い訳でもないので、「そこそこの品質の製品が、普通よりは高い価格」で完成されることになります。


 “ものづくり”の背景を見せると、それは心に訴求するものがあるケースが大半ですが、多くの顧客は“ものづくりの背景”ではなく“もの”自体を評価します。そしてその評価基準は一般的に「品質」と「価格」になります。


 この生活者の購買行動と生産側の提供価値のGAPに社会起業家がスケールアウトできない原因があります。


 ユニクロはアパレルメーカーとして、世界的なノウハウを有しています。あれだけの品質の製品をあれだけのコストで生産できることは非常に価値あることです。


 片方でそういう企業がある中で、そこに“思い”だけで競合するのは得策ではありません。むしろ、ユニクロの持っている強みを活用して、その強みと自社の強みを検討していく。そこに社会問題解決の重要なステップがあると思います。


 餅は餅屋です。何か社会問題の解決をしたいという際に、その活動の全てを自社で行うのではなく、問題解決ができるパートナーを開拓し、そのパートナーの強みを活かして課題解決を行うところにこそ、真のアントレプレナーシップがあると考えます。


 小田玄紀