9月ですね〜。
涼しくなってきたのでかなり集中して制作できるようになりました👍
昨日はまた「目止め」の作業をしました。
砥の粉と水と生漆を混ぜて作った「錆」を使って、木の道管を埋める作業です。
ケヤキは特に木目が深いので、気合いを入れていきます🔥
目止め前↓
目止め後↓木目の穴が埋まってます👀
しばらく置いて、よく乾かします。
カッチリ固まるまで、数日間〜1週間くらいは置いておきます。
さて今日は漆器の洗い方について書いてみたいと思います。
こちらは拭き漆のケヤキの丸椀↓
漆器を使った後は、
①洗う
②流す
③拭く
です
基本的に油っぽくない時はハンドタオルを使ってやさしく洗います。
洗剤を付けずに、水かぬるま湯で流しながらハンドタオルで撫で洗い。その後、手ぬぐいを使って拭いて、水気を取ってから食器棚にしまいます。
漆器の水気を拭くのには、今のところ手ぬぐいがベストかなと思っています。
やわらかくて、丈夫で、大きさもちょうどよく、濡れてもすぐに乾きやすいのでおすすめですよ👍
油分の多い食べ物に使用した時は、普通の家庭用洗剤を使い、スポンジで洗っています。
(※ゴシゴシ洗ったり、新品のスポンジや固めのスポンジだと傷が付く場合があるので気を付けます)
普通の食器と同じように、洗剤で洗って、泡を流します。
それから手ぬぐいなどで拭いて、食器棚にしまいます。
洗ったあと、水切りトレーみたいなところに置いて干しても大丈夫ですが、そのまま放置して乾くと水アカが付いてしまいます。洗った後は水気をきれいに拭いてしまった方が、漆器の美しさを長く保つことができます。お椀でもお皿でも酒器でもお重でも、洗い方は同じですよ☺️
普通の漆器は、食器洗浄機には入れられません。
洗剤や研磨剤や高温や水圧で、歪んだり傷が付いたりしてしまいます。
たまに食器洗浄機対応の漆器として売られている商品もありますが、、、
たぶんそれは素地が木材じゃなかったり、塗装がウレタン塗料だったりする、いわゆる漆塗り風の食器というモノです。それなりにきちんとした漆器は、食器洗浄機は使用不可になっているはずです。
漆器は扱いが難しそうだったり、面倒くさそうだったり、気を使わなきゃいけない気がしますよね。私も自分で使うまでは難しいイメージを持っていました。初めて有名な作家さんの高価な漆器を使った時は、ちょっと緊張しながら使ってみたり…
でも慣れてしまえば、思ったよりも難しくないと感じるようになりました。
洗った後に水気を拭くのも、ほんの数分です。
好きな器を愛でる時間だと思えば、そんなに無駄な時間でもないですよね
何でもそうですが、知らないモノって、なんだか怖いし、不安ですよね。
でもいったん知ってしまえば、その先には新しい豊かな世界が広がっているかもしれません。
ちなみに、傷が付いたり欠けたりした漆器を修理したい時は、買った所や作った人に修理してもらうのがいちばん良いと思います。場合によっては修理が難しいこともありますので、漆の職人さんや作家さんなど詳しい人に見てもらうと良いかもしれません。
漆器のいちばんのお手入れ方法はとにかく「使うこと」です。
使わないでしまっておくよりも、日々使ってあげること。
これがいちばんのお手入れ方法だと思います。
人間のお肌と同じで、適度に水分があったり、油分があった方が良い状態を保てるのだと思います。
箱に入れられてずっと乾いた状態は、漆器にとってもあまり嬉しくない状態なのです
もしも、長い間しまっていた漆器を久しぶりに出して使う時は、いったんぬるま湯で洗って乾かしてから使い始めるのが良いと思います。いきなり熱いお湯を入れたりするのは、乾燥していた木や漆にとって急激な変化を与えることになるため、避けた方が良いかと思います。
ざっと、漆器の洗い方やお手入れについて書いてみました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます
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