ここ1週間ほど、CNNで日本やアジアのことを見る機会が増えました。トランプさんがアジアを歴訪しているからですが、先週の日曜日はアメリカでまたも銃の乱射事件があったのでした。今度は精神疾患のある男が教会の礼拝に集まっていた人たちを無差別に撃ち、27名の方が殺されました。

 日本にいたトランプさんは「精神疾患が悪いのであって銃が悪いのではない」と銃をかばっていました。まだ言うか、という感じです。この論理、日本でも聞きます。「包丁で人を殺せるからといって、包丁を取り締まることなんてできないでしょ?」と。うーん。それはたしかに包丁は場合によっては凶器ですけど、包丁はもともと殺傷のために持っているわけではないし、だいたい殺傷能力が違いすぎです。

 アメリカは原野を開拓して(実際には先住民の人たちがいたのですが)、自分たちを襲ってくる野獣や先住民の人たちを倒しながら建国したので、皆が武装するのが当たり前でそれが今でも残っているのでしょうが、アメリカの多くの人は驚くほど世間知らず。

 銃規制が必要だ、と訴えるアメリカの議員さんたちが「こんなことは世界中でアメリカでしか起こらないんですよ」と必死に訴えていますが、アメリカしか知らず、アメリカで死んでいく人たちにとっては「だから?」という感じでしょうね。しかしいくら何でも自動小銃は自衛のためには不要だと思うのですが。

 怖いなあと思ったのは、テキサス州のラスベガス銃撃事件の後、近隣住民がテレビのインタビューに答えて「今まで銃を持とうなんて思ったことないけど、怖いからこれからは銃を持とうと思うの」と言っていたことです。「悪循環」というほかありません。

 アメリカで銃が規制される日は永遠に来ないのかなあ、とあきらめのような気持ちを抱いています。