リードはサックスの音色を決める重要なパーツである。いろいろなブランドやサイズがあるので、マウスピースとの組み合わせを考えて選択するとよい。メイヤー5MMかダダリオのジャズ・セレクトD5Mであれば、バンドレンのJava2.5(アンファイルド)から試すことをお勧めする。ブランドとしてバンドレンを勧める理由は、リード1枚ずつが個別包装されていて長期保存に適しているからだ。「2.5」というのはリードの硬さである。大きくなるほど硬くなる。「2.5」というのはやや柔らかく、少ない息でも鳴りやすいので初心者に向いている。

 

 リードは、同じブランドで同じ硬さであっても個体差がある。なかには鳴りにくいリードもあるので、少しの調整が必要になる。調整が必要な箇所は2つだ。1つはリード裏面で、ここは完全に平らである必要がある。マウスピースのテーブルとリードの間に隙間があると、音が出しにくく、リードミスも誘発される。そこでリードギークというツールを使って、裏面を平らにすることを習慣にするとよい。リードは濡らしたり乾かしたりしているうちに、瓦のように反るので、練習のたびにこの調整を行う。

 

 もう1つ調整が必要なのは、左右のバランスだ。これもリードギークを使って行う。リードの左右のバランスが崩れていると、やはり鳴りが悪くなり、リードミスも起こりやすい。ただ、左右のバランス調整については経験が必要なので、最初はやらないでもよい。リードギークについて説明した動画などを見て、興味があったら少し試してみるくらいの気持ちでいればいい。リードギークは意外と高くて驚くかもしれないが、これを使うことで鳴らないリードを捨てるということがなくなるので、すぐに元がとれる。

 

 リードの管理方法は人によってさまざまである。共通しているのは、演奏前につばか水で濡らすことくらいだ。演奏後は、水洗いをしてからティッシュで拭き、リード用のケースにしまう。リードは複数枚を用意してローテションして使う。僕は、常時4枚のリードを用意している。それぞれ、延べ1ヶ月ほどは使える。つまり、毎月1枚ずつ新しいリードをおろして、同時に一番古いものを破棄するペースである。