第壱陣 取り残された幼子 | north・east・ern.fight

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凍えてしまった心を、溶かしてあげたいのです。


※注意

『TWELVE...第弐合戦を読むにあたって』



・第弐合戦は過去編です。第壱合戦を読まれていない方はそちらからお願いします。


・戦国時代に関しての知識は浅く、有り得ないであろう内容にも成り得ます。ご了承下さい。


・戦国BASARAはアニメしか見ておらず、ゲームでのストーリーは全く知りません。

 アニメ沿いになるか、オリジナルになるか、将又両方かです。


・ゲームを知らない為、アニメに出て来ていないキャラは口調や性格が分かりません。

 なのでゲームのみのキャラは小説に出せないかもしれません。


・戦国BASARAキャラの幼少期有り。捏造だらけです。


・ギャグが少なくてシリアスが多いかも。


・キャラの設定上、出番に差があります。




[ オリジナル設定 ]


▼用語


策略乱世・・・策だけで周りの国を支配しようとする。比較的戦はなく、平和な時期。

        同盟を組んでいなくても交流があったりする。

        武将よりも軍師や姫が活躍する傾向。


戦国乱世・・・主に戦で周りの国を支配しようとする。戦ばかりで荒れている時期。

        武将が活躍する。


戦国時代・・・策略乱世、戦国乱世の総称。


姫会・・・戦国乱世における、姫だけが集う会。

     姫同士が交流を経て、同盟を組むか敵対するかなどを見極める。

     (姫が居ない場合は君主を除く、それ相応の身分の女が参加しても良い)

     そして、同盟を結びたいと思った相手にだけ、武将召集会合の約束を取り付ける。

     尚、姫会に参加する際、付き人は二人までと決まっている。

     この会の姫次第で、自国の未来が決まると言っても過言ではない。


武将召集会合・・・姫会で姫同士が約束を取り付けると行われる会合。

           姫が会合同意書に名を書いた時点で、武将に会合の拒否権はない。

           この会合で、武将同士が同盟を組むかを正式に決める。

           規則で、姫会に出た姫は会合にも必ず出席せねばならない。



▼人物


真田夜月・・・正式本名、真田黒牙之夜月。くろきばの、こくがの、どちらでも呼ばれることがある。

        父、真田昌幸。真田幸村の妹。

        訳があり武田の姫になる。


北条水南・・・正式本名、北条山江吹水南。やまえぶき、と読む。

        父、北条氏康。北条氏政の孫。

        北条の姫。


清水奈瀬・・・正式本名、清水空宮野奈瀬。そらみやの、と読む。

        父は毛利元就に仕える、清水宗治。

        その関係で奈瀬も元就の下に就くことになる。


安芸風音・・・正式本名、安芸紅月方風音。こうづきがた、と読む。

        父は安芸国虎。


▼BASARAキャラ、幼少期の名前について


全員変えると分かりづらくなると思うので、政宗と幸村だけ幼少期の名前を変えます。


政宗・・・梵天丸(ぼんてんまる)

幸村・・・弁丸(べんまる)



以上をお読みになり、それでも大丈夫!という心広きお方だけ・・・Let's Party!!↓↓










     TWELVE...  









慌ただしく女中が動き回る城の中、ある一室で、少年が呆然と座っていた。


庭からは池に流れる水の音が聞こえる。


少年はただ、一点を見続けていた。


女中が声を掛けるが、少年は微動だにしない。






「昌幸様・・・まだお若いのに・・・お気の毒に」


「弁丸様はまだ五歳ですわよ・・・」


「あら、そんなことを言ったら姫様は三歳じゃないの」






廊からはそんな女中の話し声。


少年がその方向を睨み付けると、女中は慌てて頭を下げて去って行った。



再び静かになった部屋。


少年・・・、弁丸は、膝に置いていた拳を強く握った。






「何故・・・ですか、父上」







小さく、絞り出すような声色は、震えていた。


そんな時、部屋の障子がカタン、と音を立てる。


弁丸が振り返らずにいると、その気配は彼のすぐ横へとやってきた。






「・・・あにさま、」






まだまだ幼い、舌足らずの口調で、少女は弁丸を兄様と呼び、彼を見る。


弁丸は横に座る少女をゆっくりと見返した。


だいじょうぶ?と心配そうに聞く少女に、弁丸は自分に寄り掛からせるようにして引き寄せた。






「・・・夜月」


「うん?」






夜月。と名前を呼ばれ、少女は返事をするが、それに対しての兄の返事が来ない。


夜月が上を向けば、弁丸はかたく目を閉じていた。


兄を見ていた夜月は、兄から、横たわる、父へと視線を落とした。


既にその息はなく、血色もない。


二度と動かないその身体は、亡くなったことを表していた。



もう一度兄を見る妹は、兄の苦しそうな表情に、自分も眉を下げる。


そして小さな手で、兄の瞼に、そっと触れた。






「・・・おめめ、いたくなっちゃう」






そう言われ、開かれた目からは、同時に涙が溢れ出した。


弁丸は瞼に触れていた夜月の手を固く握ると、強く強く抱きしめた。






「夜月・・・父上はな・・・っ・・・母上の元へと旅立ったのだ・・・」


「・・・・・・うん」


「だから・・・悲しいことなど・・・なにもない・・・っ」


「・・・・・・ちちうえとははうえが、やっとあえるんだね」


「そうだ・・・だから父上に・・・っ、さよならを・・・言うの・・・だ・・・っ」


「・・・うん」


「父上・・・!夜月には某がついておりまする・・・!

 だから・・・っっ、心配・・・なさらないで・・・下さ、れ・・・っっっ・・・!」


「・・・ちちうえ、さようなら」






わたしはははうえのおかおをしらない。というより、おぼえていない。


わたしをうんでからすぐにびょうきでなくなったから。


そしてきょうのあさ、ちちうえがびょうきでなくなられた。


ちちうえとははうえ、おふたりはいまごろ、おそらのどこかであうことができたのかな。






夜月が机に向かって日記を書いていると、障子の前に人影が映った。


そちらに目を移すと、夜月は筆を置いて、入るように促す。


ゆっくりと障子が開かれて、緑の着流しを来た少年が姿を見せた。


部屋に入るなり、頭を下げて「この度の不幸は・・・」と言い始める少年を一瞥すると、夜月は炭を擦り始める。






「さすけ、いいよそんなこといわなくても」


「しかし・・・」


「それに、おおやけのばでなければふつうにはなしていいっていったはず」


「・・・・・・でもね、姫様」


「いいの。ちちうえはまえからびょうきでよわってたし・・・こうなることもなんとなくそうぞうはできた」


「・・・・・・」


「それとね・・・、まだよくわからないの。ひとがしぬっていうことが、どういうことか」






炭を擦る手を止めて、どこか遠くを見る夜月に、少年、佐助は困ったように眉を寄せた。


部屋の蝋燭がゆらり、と揺れる。それと同時に炭を置くと、夜月は佐助のすぐ傍へと座った。






「あにさまは、ないていた。たくさん。たくさんないていた」


「・・・姫様、」


「だけど、わたしはぜんぜんなみだがでてこなかった。かなしいのに、でてこなかった」


「・・・・・・」


「ねぇ、どうして?やづきはかなしいのに、どうしてあにさまみたいになみだがでないの?」






“死”というものが、まだ分からないから?それとも薄情者なのかな、


そんなことを聞く幼い子を、佐助は思わず抱き締めた。


夜月がどうしてだろう、と繰り返す度に、佐助の胸は締め付けられた。






「違うよ・・・。夜月姫様は薄情者なんかじゃない。優しすぎるんだよ」


「やさしすぎる・・・?」


「そう・・・。弁丸様が泣いているのに、自分まで泣いたら更に弁丸様が悲しむって思ったんだ」


「・・・・・・」


「・・・今弁丸様はこの部屋に居ない。だからね、姫様・・・今は泣いても良いんだよ」


「・・・・・・!」






ボロボロと零れる滴を隠すように、佐助は腕の力を強めた。


父も母も失った幼子二人を、これからは自分が精一杯支えなくては。


蝋燭の炎を見ながら、佐助は静かに誓った。











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はい・・・始まってしまいましたよ第弐合戦・・・!

が。いきなり暗いってどういうことなの・・・\(^q^)/

しかし、第弐合戦はこんな感じになることが多々・・・^q^q^

うわあああ苦手な人はごめんなさいいいいいい!!!!

これからちまちま更新していこうと思います・・・

あまり期待はしないでお待ちくださると嬉しいです・・・!(;´Д`)ノ

あ、キャラモデル企画は継続中ですのでまだ大丈夫です・・・!


というか喉が痛すぎてね・・・どうしようほんと。明日超大事な用事があるのでキツイ・・・orz

ま、まあ・・・頑張りますよ・・・頑張るから・・・なんとかするから・・・

・・・うおおおお!!!気合よ入って来おおおおおおい!!!!!


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