第五十壱撃 遊び半分で夜の学校に行くもんじゃない。 | north・east・ern.fight

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凍えてしまった心を、溶かしてあげたいのです。



幸村side






夏休みのある夜。


某は学校のカバンをあさり、気付いた。









「・・・・・・・・・英語の宿題が無い」









どうも苦手な英語。


後々やろうと取っておいたテキストを、


どうやら某は学校の机に入れたまま夏休みを迎えていたらしい。



しかしもう夜。明日の朝取りに行こうと、ひとまず他の宿題をやろうとした。









「なんか探してたみてェだが・・・見付かったのか?」









部屋に居た元親殿に聞かれ、訳を話せば、


元親殿は楽しそうな笑みを浮かべて立ち上がった。























「も、元親殿・・・・・・某は明日でも良かったのでござるが・・・」



「良いじゃねェか!肝試しだぜ!」



「というか・・・なんでウチまで?」









目の前には陽炎中学校。


元親殿が行こうと言い、此処まで来た。



風音が怖がっている、と言うと、お前さんも怖いのか?と返され、


某はあっさり挑発に乗ってしまった。









「ほ、ホントに行くの!?」



「大丈夫だ風音!怖ェなら掴まってろ!」



「え・・・あ、うん」



「!い、いや!某と・・・!」



「え、あ・・・えーっと」









サラリと掴まっていろなどと言う元親殿。


煽られるように某も風音に手を出す。



そこで考えれば今、某はか、か、かなり・・・破廉恥なことをっっ!!



手を引っ込めようとしたところで、風音の手でそれは拒まれた。









「じゃ、じゃあ・・・その、怖いから・・・二人共・・・・・・握ってて



「~~~~~~~!!!////////」









滾(タギ)る心を落ち着かせ、軽く頷くと、風音は嬉しそうに笑った。


手が汗ばんでくる。バレていないであろうか。


そんな事を考えている内に、風音の反対側の右手を握っている元親殿が校舎へと歩いていく。


引っ張られる感じで某も歩き出す。



しかし玄関は開いている筈もなく。


開いている窓を探していると、いきなり風音が小さく悲鳴を上げて某に抱き付いてきた。


破廉恥、そう叫びそうになった瞬間に元親殿に張り倒される様に口を塞がれる。









「どうした風音?」



「・・・・・・っ、今、あそこの窓が・・・勝手に開いたのっっ・・・・・・」



「おおおおおおお落ち着くでござるかかかかかか風音ッッ!!!」



「お前が落ち着け」







指差す方を見れば、確かに先程は鍵が閉まっていた第一視聴覚室の窓が、半分くらい開いていた。


しかし誰かが外に出た様な形跡は無い。


だからと言って、入ったのなら某達は近くに居たから気付く筈。


そもそも、鍵が閉まっていたのだ。入れる筈が無い。



ゆっくり、ゆっくり、その窓に近付いて、元親殿が窓から教室を覗く。


頭を戻してから、誰も居ないぜ、と不思議そうに言う。


そして戻した頭を再び教室に入れ、そのまま中に入ろうと縁に足を掛けた。









「ちょっ!な、中入るの!!??」



「此処まで来たんだ、真田のテキスト取って帰ろうぜ!」



「こ、怖い・・・ってば、勝手に開いたし、この窓・・・!絶対なにか居るよ!!!」



「大丈夫だぜ、オレに真田が居る」



「でも・・・っ」



「元親殿、無理に行かせるのは流石に可哀想でござる」



「んーー・・・まァなァ・・・そんなに怖ェならそこで真田と待っろよ」



「え・・・でも親危ないよ!」



「オレぁ平気だ」









ニィ、と笑って、元親殿は教室へと入る。


某と風音は待っている事にした。



じゃあ行って来るな、振り返りながら言った元親殿の顔が、一瞬にして歪んだ。









「真田 風音!!!!後ろだ!!!!!!!!!!!!」



「!!!!!!」









何が起きたのか、分からなかった。


薄れゆく意識の中、某は元親殿が倒れる音を聞いた。














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うっふふ、どうなっちゃってるんでしょうかね?(`∀´)


あ、別に殴られたとかそういうのじゃないからご心配なく☆←



何か得体の知れないものが蠢いています。フフフフフ・・・キラーン



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