ネット記事を検索すると、
・高校生は2年夏までに推薦入試で使えるエピソード
・大学生は3年春までに就活に使えるエピソード
を用意しましょう、
的な内容に行き当たりました。
え? 今の学生は、「面接」でエピソードを語れるようになることを想定しながら日々生きていかなければならないの?
そんな疑問を抱きながら、推薦入試や就職活動についてザッピングしてみました。
かつてAO入試と言われていた推薦入試は、今は「総合型選抜」と呼ぶのが一般的なようです。
「総合型選抜」で大学に合格する方法、あるいは合格した生徒の合格体験記動画(某塾の宣伝動画)が複数ヒットします。
登場する生徒の多く(8割くらい?)は女子です。
平均以上の容姿で、端的に言えば可愛い子が多い印象。塾の宣伝動画だからそういう子が選ばれているのか、実際に合格する子もそういう子が多いのか、実態は不明です。
が、とにかくどれもこれもみんな同じような映像ばかり。話す内容、相槌の打ち方、目線の置き方、作り笑いの仕方まで全部同じ。 アンドロイドのアイドルが次々と出てくる感じです。
こうした入試形態もそれなりの割合で増えているので、機会損失を避けるという意味において無視できなくなっているのは、私も頭では理解しているつもりです。
でも、こういう入試は、塾で面接のテクニックを磨かないと合格できないのでしょうか。
そして、こういう受け答えができないと合格できないのでしょうか。
だとすれば、一体何のための「総合型選抜」なのでしょうか。
入試形態の多様性は、入学してくる生徒の多様性に果たして繋がっているのでしょうか。
色々と考えてしまいました。
これは企業の採用面接とて同じです。
こちらについても色々対策ノウハウがあるらしく、学生は万全の対策をして面接に臨んでいるようです。
以前このブログで、私が会社で人事面接をした時のことを書いたことがあるのですが、その時も、学生たちの話す内容は勿論のこと、相槌の打ち方、目線の置き方、作り笑いの仕方まで悉く同じだったので、こんなんだったら誰を採用しても変わらないのではないか、と思ったことがあります。
新卒採用は、はっきり言ってコスパがよくありません。新卒の3人に1人は、3年以内に会社辞めるわけですし。新卒時にJTCに就職し、数年間働いて基本的な所作と業務知識を身につけた若者を、JTCよりも若干いい条件でヘッドハンティングした方が効率はいいので、それに重きを置いている外資系企業が少なからず存在するのも事実です。
相互型選抜であれ就職活動であれ、若いうちから「他人」からどう気に入られるかばかりを考えて生きていたら、人生に疲れてしまいます。
当たり前ですが、我々は「面接」のために生きているわけではありません。 面接で「他人」からどう評価されるかよりも、まずは大学や会社で「自分」が何をやりたいかを考える方が先だと思います。