こんにちわ
下の音楽を流しながら,映画を観てるような感覚でご覧ください
Radish Entertainment Inc
Presents
「俺を甘く見るんじゃねえ。
３時間もあげてるんだぜ。
いくらでもできるだろ、アホ！
それと、これだけは言っとく。
地元の警察車両を配備して、臨戦態勢をとったり
GPSつけたり、追跡ヘリを飛ばしたり・・
そんなのを見つけたら、ただじゃおかねえからな。
とにかく、パトカー１台で来い。
以上だべ。
じゃ、待ってるぜ」
テロ組織/イマジン・アノニマスよって、駅などの公共施設、ショッピングモールやオフィースビル等8か所を破壊された首都・チンシティ・・・
そして、更なる大規模テロ実行を示唆、それを基に捕虜解放要求も突き付けられた。
果たして、テロ対策本部側は打つ手を見いだせるのか？
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第５５話＜捕虜引き渡し＞
テロ対策本部
「とすると、作戦を練る時間は余裕を見て３０分程度しかない。
強硬手段をとって、捕虜受け渡し場所でテロリストたちを拿捕するか・・・あるいは・・・
どうだろう？ 警部」
テロ対策本部長のオカーダは眉間にしわをよせながら言った。
「強硬手段に出るのは、危険だと思われますな。
彼らは、拘留中の仲間を釈放しないと、２０箇所同時多発テロを起こすと言っております。
今までの流れから・・・おそらく本気でやるでしょう。
現場に引き取りに来たテロリスト数名を確保するのは、リスクが大きすぎます」
「そうですね、私もそう思います。
敵には、不死身のジョプリンも加わってますし
もしその場に彼が現れたら、確保どころか地元警察の火器では、例え相手が少人数でも返り討ちに遭ってしまいます」
と、モンロー。
「ジョプリンって男は、そんなに凄いのか？
では、どうしますかね？
ただ、指をくわえて見てるしかないと？」
「テロリストたちの元を絶つことが重要ですので、アジトを見つけることですが・・
それについて、何かいい方法があれば・・
でも、ヘリは使えないし一般車を装ってし追跡するしかないとなると・・それも危険ですわね」
「多少の危険はしょうがないでしょう。
だいたい、捕虜を引き渡したって、その後テロを起こさないという保証はありませんからね」
交渉人ディーンが言った。
「確かに・・
テロリストは、いつでも20個所以上を破壊出来ると捕虜解放の脅し文句に使ってますよね。
それが本当なら、今までにかなりの時間とお金をかけて仕掛けを施してしてきたはずです。
どうして、そんなことが出来たのかは、今後解明と対策が必要ですが
だとしたら、逆に言えば・・・用意周到に準備したものを、そのままにしておくかしら？
必ず・・別な要求の手段として使ってくることが考えられますわ」
「分かりました。
奴らの活動拠点を見つけ出すこと・・・
ここにポイントを絞りましょう。
警察官を総動員して、逃走経路に使いそうな道路に一定区間を置いて張り込みをさせる」
「受け渡し場所である清チン寮にも、観光客や地元民に扮した私服警官を配備させたほうがいいですな」
「もちろんです。
さて・・・もう時間がありません。
準備に取り掛からないと・・・」
「護送要員として、可能であれば・・あたしをメンバーに入れていただけないかしら？
もし、相手側にジョプリンがいれば、何でテロ集団になんか加わったのか聞いてみたいわ。
悪党は悪党でも彼は一匹狼で、組織なんかに入らない人間だと思ってたので・・」
「そうですか。
何が起こるか分からない危険な任務ですが、テロリストと直接関わったことのあるモンローさんです。
行ってもらえれば有難い。
護衛には、我が部隊で最も有能な２人をつけます。
１人は、射撃の名手で伊藤という男。
もう１人は、元レーサーという変わった肩書を持つ東出刑事。
運転技術には非凡なものがあります。
それでは早速、行動を開始しましょう」
留置場に監禁されている、元警察特殊部隊の庶務課に所属していた高田課長こと、テロ組織IAの幹部であるシャドウは、ベッド脇のコーナーで瞑想していたが、扉が開かれる音で目を開けた。
「高田
釈放だ。
両手を前に出せ。
手錠をかける」
「フフフ
思ったより早かったな」
約30分後・・・
テロリスト・シャドウを乗せたパトカーは、首都高速に入るとサイレンを鳴らし加速した。
後部座席の中央に座るシャドウの脇を固めるのは、右側にモンロー刑事、左側は伊藤という刑事。
その伊藤が運転席に向かって言葉を発した。
「東出
もう２時間切ってるからな・・・
遅れるとヤバい、頼むぜ」
「了解。
メーターを振り切れば、１時間っすよ」
運転席にいる東出と呼ばれる刑事はアクセルを踏み込むと、規制で一般車の姿がなくなった高速道路を疾走した。
「伊藤と言います。
挨拶もそこそこだったので、改めて」
伊藤は、隣にいるテロリストを無視するようにモンローに向かって握手の手を伸ばした。
「モンローです。
よろしく」
２人は、シャドウの前で握手を交わした。
「俺の前で握手なんかしやがって、失礼な奴らだな」
伊藤はシャドウのほうをチラッと見ると、握手をしてる手の肘で、テロリストの顔面を思い切り殴打した。
「失礼。
握手の力が強かったので、離すときの反動でぶつかってしまったよ。
悪い悪い・・・ｱﾊﾊ」
シャドウは、鼻血をぬぐうため、手錠をかけられた両手を顔に持って行った。
「お前さんの名前・・・とくと覚えたぜ」
受け渡し時刻３０分前
清チン寮近くの雑木林に１台の黒いバンが停車し、中から４人の男たちが出て来た。
「ジョプリンさん。
引き取りの時間まで少しあるから、ここで一服するぜ」
と言いながら咥えた煙草に火をつけたのは、シャドウ引き取り要員のサブリーダー・モトキ。
「ほかの奴らの準備はOKか？」
「バッチリよ！
だが、同じ車を使ってのトリックで、練習なしのぶっつけ本番だからな。
ミスは許されねえ。
アンタも頼むぜ」
「口の利き方に気をつけろ。
俺がリーダーだぞ」
「す・・・すんまへんな」
そして
モンローたちのたちパトカーは、清チン寮に到着した。
「今、１５分前・・
まだ来てないようね」
「奴らの車が来るまで、中にいましょう。
東出、受け渡し場所まで行って、そこで停めてくれ」
パトカーは、入口のほうへ向かった。
やがて時間が経過し、指定時刻の３分前に黒いバンがゆっくりとその姿を現した。
「どうやら来たようです。
外に出ましょう」
運転手の東出を車内に残し、後部座席の３人が降りたった。
シャドウの両脇はモンローと伊藤ががっちり固めた。
およそ３０メートルほど離れた場所に停められたバンの中から、武装した黒マスクの男たちが次々と現れた。
そして・・
最後に出て来たのは、ジョプリンだった。
「やっぱりいたわ。
伊藤刑事
あの・・・マスクをしてないちょび髭の男がジョプリンです。
彼は、かなりやっかいです」
「あれが・・・銃も効かないという、噂の奴ですか・・
弱そうに見えますが」
そこで、テロリストたちの１人が大声を発してきた。
「オウ・・遅れずに連れて来たな。
まず、その方の手錠を外すんだ」
伊藤はポケットから鍵を出し、シャドウの手錠を外してやった。
シャドウはニコニコしながら両手をブラブラさせると、いきなり、その手が伊藤の顔面を襲った。
不意を突かれた伊藤は、防御姿勢を取ろうとしたが、相手の右手のほうが速かった。
顎のあたりに強烈な一撃を食らってしまった。
「先ほどの礼だ」
伊藤は、反撃したいのを必死に堪えながら、両手こぶしを握った。
「礼といっても・・・ホントはそんなもんじゃないけどな。
あとで、１０００倍にして返してやるから、楽しみに待ってな」
シャドウはそう言いながら、引き取りのテロリストたちのいる場所に合流した。
「シャドウさん、お帰りなさい」
「ほんじゃオマエら
あいつらには用はなくなった。
片付けるぞ」
モトキがそう号令を出すと、ジョプリンを除く３人がモンロー達に銃を向けた。
「やめろ！
奴らを殺っても意味ねえぜ」
静止したのは、ジョプリンだった。
モトキたち武装テロリストは怪訝な顔をしたが、すぐに銃口を下に向けた。
登場人物
ジョプリン・チャールズチャップリン
モンロー刑事・マリリンモンロー
ブロンソン警部・チャールズブロンソン
内閣官房危機管理監・岡田・岡田准一
交渉人ディーン・ジェームズディーン
モトキ・本木雅弘
ナカイ・中居正広
