オヤジの命日 | ガラス彫刻のしらべ

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ガラス工房ドットコムの店長が贈る、ぼやき・つぶやき、毒ブログです。
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買ったばかりの新しいドレッシング

オフクロが食卓でフタを開けて
プラスチックの中のプルトップのキャップを一生懸命に抜こうとしている。
顔をしかめて、精一杯の力をこめて開けようとしている.

キャップはびくともしない。


観念してボクに渡す。

キャップを抜いてオフクロに返す。

そんなに苦労しなければいけないほど、固いキャップではない。


それが悲しいわけでもないが
しんみりと親の老いを感じる。








子供の頃の
ある風景を思い出す。



オヤジがまだ元気で若かった頃

家族4人のいつもの食卓に
海苔の佃煮のビン詰が出てくる。

買ったばかりの新しいヤツ。


ボクが小さな右手でビン詰のフタを握りしめ
渾身の力を込めて開けようとするが
ビン詰のフタはびくともしない。

観念したボクは
ビン詰をオフクロに渡す。

オフクロも渾身の力で開けようとするがこれまたびくともしない。


オフクロが知恵を働かせて
ビン詰のフタの部分を軽くコンロの火にかける。

金属製のフタを熱で膨張させて開きやすくするというヤツだ。


それでもビンは開かない。




子供なりに力がなかったせいか
昔のビン詰っていうのは

嫌がらせかっ!

と思うほど
本当にフタが固かった記憶がある。

コンロの火にかけるなんて、ビン詰開封の定番的儀式だったし
そうやって悶絶しながらジャムや海苔佃煮のフタを開けていた記憶がある。


それに比べれば今のビン詰のフタなんて

キュポッッ!(°∀°)b

という感じで本当に開けやすい。



まぁ、それはいい。





とにかく


火で炙っても開かないそのビン詰は
オフクロの手からオヤジの手に渡る。

オヤジが顔をしかめて渾身の力を込め
フタを開けようとする。

開かない…ふりをする。


「あ~固い!
ちょっと開けてくれ!」f^_^;



ビン詰を今度は妹に渡す。


妹が渾身の力を込めて
フタを開ける。

拍子抜けするほどに
フタは簡単に開く。


「お~!すごいね~!」


オヤジが笑う。

ちょっとした小芝居。



実はオヤジが開けていて
最後に妹に華を持たせたことはボクは百も承知なのだが
別に文句を言うわけでも
タネ明かしをするわけでもない。

どこにでもあるような
小さな家族の夕景だった。




ドレッシングのフタを一生懸命に開けようとするオフクロの姿を見ながら
ふと、そんな事を思い出す。




7月5日で
オヤジが死んでから24年が経つ。


二十四回忌


東京から妹夫婦も来て
家族だけで小さく執り行う。

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