『月刊日本』編集部ブログ

日本の自立と再生をめざす言論誌


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 民主党政権の次の狙いはTPP参加です。消費増税法案は政権交代後に凍結することが可能ですが、TPPを脱退するのは容易なことではありません。

 TPPは経済だけに関わる問題ではありません。政治とは経済であり、経済とは政治です。政治と経済を切り離すことはできない。
TPPに参加すれば、日米一体化はさらに進むでしょう。中国に対抗するためにTPPに参加すべき、という見解を述べる人達の狙いはここにあります。

 しかし、日米一体化が進むということは、沖縄の普天間基地が固定化するということであり、北方領土交渉も滞るということです。アメリカは日本の自主外交を認めないでしょう。これではアメリカの属国にすぎません。

 ここでは、以前弊誌に登場していただいた、
前農林水産大臣・山田正彦氏と立教大学教授・郭洋春氏の対談を再掲いたします。山田議員は消費増税法案にも反対しており、TPP参加を粉砕する上でキーパーソンになると思います。

 
TPPは、原発と同様、食の安全を大きく損ねる危険があります。また、医療や保険など、国民の日常生活とも無関係ではありません。国民一人ひとりがTPPに関心を持つ必要があります。(YN)



『月刊日本』 3月号
「TPP参加を必ず阻止する!」より一部抜粋

アメリカ国民の大半がTPP反対だ
―― 1月8日、山田議員は「TPPを考える国民会議」米国調査団の団長として訪米し、アメリカ政府関係者や業界団体らとTPPについて情報交換をされた。アメリカではTPPについてどのように考えられているのか。

山田 まず、はっきりと申し上げておく必要があるが、民主党政府はTPPに参加するとは表明していない。あたかも日本がTPPに参加することが決定事項であるかのごとく国内や海外で報道されているが、それは間違っている。

 野田総理も国会で、交渉参加を前提としない事前協議であると述べている。しかも、国会議員の365人がTPP反対の国会請願を出している。おそらく日本がTPPを批准することはない。私はアメリカの政府関係者に対してもそのように述べてきた。

 さて、私は訪米するまで、アメリカは国を挙げてTPPに賛成しているかと思っていた。しかし、現地に行き、それが間違いであることがわかった。アメリカではTPP以前に、FTAなどの自由貿易そのものに対する不信感が強くなっているのだ。

 2010年9月に行われたNBCニュースと『ウォールストリートジャーナル』の世論調査によれば、69%のアメリカ人が「米国と他国のFTAは米国の雇用を犠牲にしている」と答えた。その一方で、FTAがアメリカに利益を与えてきたと答えたのは、たったの17%であった。

 このような世論の反応はあまりにも当然のことだ。というのも、彼らには自由貿易協定について苦い経験があるからだ。

 アメリカにとっては、自由貿易協定はTPPやFTAが初めてではない。カナダとメキシコとの間で結ばれ、1994年に発効されたNAFTAがその始まりである。

 しかし、NAFTAはアメリカ国民にとって何一つプラスにならなかった。NAFTAは、アメリカがカナダやメキシコから富を収奪する仕組みであると考えられているが、NAFTAで利益を得たのは多国籍企業などの大企業だけだ。アメリカ国内の企業が賃金の安い労働者を求めて工場をメキシコに移すといったことが頻発し、アメリカ国内で100万人の雇用が失われたと言われている。

 米韓FTAやTPPによってアメリカ国民の雇用が奪われるのではないか、一部の大企業が儲かるだけではないのか――こうした不信感がアメリカの一般国民の間で広がっている。ウォール街占拠運動もその表れであろう。

 オバマ大統領もそうした世論の動向に気づいている。オバマ大統領は年頭教書演説で、TPPについて直接言及していない。TPPが次の大統領選で有利に働かないとわかっているからだ。

 反対しているのは世論だけでない。アメリカ議会の中にも反対派はいる。リード農水委員長は、TPPはアメリカの農業にとって有利と言われているにも関わらず、反対派である。ピーターズ下院議員は14名のTPP反対の署名を集めて大統領に申請書を出している。上院でも30名の署名を集めている方がいた。

 要するに、アメリカでTPPに賛成しているのは、大企業と、その意向をくんだ政治家たちだけなのだ。それは日本で経団連がTPPを強く推進しているのと同様である。

 TPPの危険性については、先に結ばれた米韓FTAを見ればよくわかる。実際、アメリカのマランティス次席通商代表やカトラー通商代表補に対して、TPP交渉においてアメリカは日本に何を求めるのかと尋ねると、米韓FTAを見てください、日本に求めるものがそこに書かれている、と言われた。

 また、アメリカ国務省からは、米韓FTA以上のハイレベルなものを求めると言われた。

 このように、TPPの是非について判断するためには、日本国民は米韓FTAがどのようなものであるかということをしっかりと認識する必要がある。

(中略)

日本の食卓にBSE牛肉が並ぶ日
―― 仮に日本がTPPに参加することになった場合、遺伝子組み換え食品など、安全基準に極めて問題のある食品が日本に大量に流入してくると言われている。

山田 アメリカの小麦協会の会長に話をうかがった時、これまでは大豆やトウモロコシなど家畜が食べるものに対して遺伝子組み換えを行っていたが、今後は人間が食べる小麦についても遺伝子組み換えを行うと言っていた。

 また、オーストラリアやニュージーランドでは遺伝子組み換え食品について表示義務があるが、TPPによってこれの撤廃が求められている。現に、韓国では米韓FTAによって表示義務が撤廃されることになっている。

 それに加えて、アメリカは、日本がTPPの交渉参加したいのなら牛肉の輸入規制を緩和するように求めている。日本はこれまで、BSE感染例がほとんどない月齢20カ月以下の牛肉に限って輸入していたが、TPPに参加すればこの規制が緩和され、危険な牛肉が流入する恐れがある。

 さらに、遺伝子組み換え成長ホルモンを使って育てられた牛も流入してくるだろう。ヨーロッパでは、この成長ホルモンは発がん性があるとして禁止されている。

 そのため、私個人としては、トレーサビリティのないものは日本に入れるべきではないと考えている。トレーサビリティとは、物品の流通経路を生産段階から最終的な消費段階まで追跡できる制度である。これにより、食品の原料原産国などが全て明らかとなり、消費者が安全なものを選択することができるからだ。

 TPPにはラチェット条項が盛り込まれることが確実視されているため、一度牛肉の輸入を決定してしまえば、仮にBSEが発生したとしても輸入を禁止することができなくなる。BSEが特定された牛肉だけを排除すればよい、ということになってしまう。

山田 また、アメリカでは、収穫後のジャガイモに放射線を当てて芽が出ないようにしている。日本はそれを禁止しているが、これも非関税障壁であるとアメリカから撤廃を求められているため、今後こうしたジャガイモも日本に入ってくる可能性がある。

―― TPP賛成派は日本の農業が過度に保護されていると批判している。

山田 日本の農産物の平均関税はEUよりも低く、既に十分に開かれていると言える。米の関税は770%ほどだが、ミニマムアクセス米を75万トン輸入し、また商社間の自由な取引を10万トンほど認めているので、事実上は300%ほどの関税だ。

 しかし、この関税を撤廃するとなると、稲作は完全に崩壊する。畜産や砂糖なども同様だ。

 かつて木材の関税をゼロにした時に、日本の林業は壊滅的打撃を受けた。大きな50年物の檜一本と、だいこん一本の値段が一緒になった。それから毎年1兆円近いお金を林業再生のためにつぎ込んできたが、20年たった今でも山は荒れたままだ。

 そもそも、TPPに参加すると、GDPの押し上げが10年間で2兆7000億、1年間で2700億円と言われているが、関税を撤廃すると関税収入が年間で8000億円減少するのだ。このように、TPPによって失われるものは多いが、得るものなどほとんどない。



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