こんにちは。今回の外語祭公演で演出その他をつとめたニッケル(朴)です。


 心血を注いで作り上げた舞台だったので、終わってしまうと気が抜けて何をする気もなくなってしまい、ブログ記事の執筆が遅れてしまいました。申し訳ありません><


 ご来場してくださった皆様、本当にありがとうございました。外語祭での公演はなにぶん初めての試みだったうえ、演出の都合で場所も一番奥まった教室でしたので、お客さまに来ていただけるか本当に不安でした。が、結果として約140人ものお客さまにご来場いただき、パンフレット増刷のうれしい悲鳴をあげることになりました。演劇は、役者と観客のあいだで成立するものです。観客がいなければ、演劇は成立しません。その意味でも、お客様がたくさんいらしてくださったことをうれしく思います。


 この公演は、二年越しの夢でした。実を言うと「ガラスの動物園」はわたしがはじめて真剣に読んだ戯曲です。二年生のとき、戯曲といえばろくに読んだことのないシェイクスピアの作品くらいしか知らなかったので、何かひとつ読んでみようという軽い気持ちでこの作品を手に取りました。ことばのひとつひとつがガラスの破片のようにきらめき、わたしの心に突き刺さりました。それからさまざまな戯曲を読みましたが、この戯曲をどうしても忘れられませんでした。テネシー・ウィリアムズの小品を何度か舞台にかけ、満を持して四年生の最後にこの作品を上演することができました。


 「楽しいお祭り」である外語祭でこの作品を上演したのは、「パラダイスダンスホール」と「狭いアパートの一室」という登場人物のおかれている空間を「外の賑やかな外語祭」と「教室内のこの公演」という形で観客の皆様に追体験してもらいたいと思ったからです。その効果のほどは、観客の皆様の実感にゆだねるしかありませんが・・・。


 今回の公演の稽古期間は、授業があるなかでの一ケ月間でした。時間に余裕はありませんでしたが、役者のみんなと楽しくしかし真剣に稽古をすることができました。ずん、まっすー、ヘロニモの三人には本当にお世話になりました。今回の公演がうまくいったのは彼、彼女たちのおかげです。ずんには、留学前からオファーをさせてもらっていました。彼女は就活やバイトで時間のない中でもがんばってくれて、ローラとして存在感のある演技をしてくれました。まっすーは稽古によく来てくれて、素晴らしい演技力で稽古も舞台もひきしめてくれました。ヘロニモは役者として舞台でも映像でもいい演技をしてくれたうえに、美しい音楽を作曲・演奏してくれました。三人には心から感謝しています。


 また、この公演はドラマトゥルク(別名PR隊長)のビオレ先輩の活躍を抜きに語ることはできません。先輩には一年生のころからご指導をいただいてきました。この公演でも、演出、演技について多くのアイデア、示唆、指導をいただきました。それぞれの人物の「ガラスの動物園」として本を使うというアイデアはビオレさんからの示唆によります。長年の夢であった充実したパンフレットやアフタートークが実現したのも先輩のおかげです。さらには映像の編集、字幕の製作も・・・。先輩は、私の家で何日もほとんど寝ずに作業をしてくださいました。ありがとうございました。


 思えば本当に多くの人に支えられてきました。ジェシカは素晴らしいドレスを二着も作ってくれました。かねたんと池村家の皆さまには今回の演出のカギとなる映像の撮影地を提供していただきました。かなこへにはフライヤーにとても美しいデザインをしてもらい、さりーにはきれいで印象的な垂れ幕を作ってもらいました。らっぱは映像の撮り方を教えてくれ、めりにゃんは徹夜までして映像の編集をしてくれました。なまものには外語祭パンフの編集でお世話になりました。ポルは当日スタッフとしてがんばってくれました。よしPとマカフィはバラシを手伝ってくれました。みんなほんとうにありがとう。


 本当にやりたかったことができて満足しています。「語劇より良かった」、「瑛太(2012年に渋谷で上演された「ガラスの動物園」でトムを演じた)より良かった」との意見もいただきうれしすぎて卒倒しかけました。わたしはダダンからフェードアウトしていきますが、また新しい公演が、挑戦がどんどん行われることでしょう!これからも劇団ダダンをどうかよろしくお願いします。まずは卒業公演から!


ケル