最近リーダーシップについてよく考える。前回は日本代表の長谷部。今回はAKB48の実質キャプテン、高橋みなみ、通称たかみなについて考えたこと。
この人、番組内ではだいぶいじられてるし、話せばスベる。
でもプロデューサーの秋元康は「AKB48とは、高橋みなみのことである」と絶賛している。
あくまでもメディア媒体から感じたことなので、偏った見方があるかもしれないが、この人は19歳とは思えないものを持っていると思う。
こんな記事があった。
『彼女は皆の尊敬を集める存在だった。誰もが彼女に一目置いていた。それは大人も子供もだ。どんな人間も、彼女と接すると、その極限まで自分を律するストイックな姿勢や、どんな人間にも平等に、しかも偉ぶることなく接する謙虚さに、一目置かないわけにはいかなくなる。
彼女はいつも練習に励んでいた。練習場に来るのはいつも一番乗りだったし、また帰るのも一番後だった。みんなが帰ったその後で、一人黙々と練習していることもあった。
誰もが彼女のことをすごいと思った。だけど、彼女はみんなのお手本になったわけでは必ずしもなかった。なぜなら、彼女はあまりにすごすぎて、「これは真似できない」と誰もが思わせられるからだった。みんな彼女ことを見習えなかった。彼女はそれほどすごかった。』
高いプロ意識の持ち主。しかしそれだけではリーダーにはなれないのだと俺は思う。
続けて上の記事の続き。
『しかしかと言って、彼女がいない方が良いというわけではなかった。彼女はみんなの支えだった。みんな彼女のことを頼りにしていた。いざという時、彼女に助けてもらうことを期待していた。彼女はチームのエースだった。あるいはリレーのアンカーのようなものだった。どんなに苦しい時でも、どんなに窮地に立たされた時でも、彼女がいれば大丈夫、彼女がいれば安心、いざとなったら彼女がいる――みんな、そんなふうに彼女を頼り、そんなふうに彼女を慕っていた。』
このような状況では後には引けない。更に自分に厳しくストイックに臨むことになる。
すごいのはその立場をきちんと受け止めていることではないか。自然発生的にキャプテンになったらしいが、自ら置かれた環境を理解し、それを前向きにとらえている印象がある。
そして驚くべきは協調性が必ずしもあるわけではないという見方があること。というか、そのような面があるということ。彼女の一面には強烈なクセがあり、また強烈なこだわりがあって、強烈なプライドも持っていたと言う。
自分がやりたくないことは頑としてやらない。自分がやろうと思ったことができなかったりすると、とても悔しがる。
見方を変えれば俗に言う自己中である。いつでも空気を読んで、場の雰囲気をリードするというわけではけっしてない。どちらかと言えば空気の読めない方だったし、どちらかと言えば一本気でおっちょこちょいなところがある。
ではなぜ、あの大所帯のリーダーであり、まとめあげることができているか。
以下、記事の引用。
『しかし彼女は、そういうところを覆してあまりある、強烈なやさしさの持ち主であった。そのやさしさは他を圧倒していて、どんな者も敵わなかった。その彼女のやさしさに触れた時、人は、そこに慈愛とか母性といったものの本質を見る思いにとらわれるのだった。
彼女は強い子であった。そんなふうに、人を助けたり、やさしさをかけてあげることになんの躊躇いも抱かなかった。人からどう思われるかを考えたりはしなかった。そういう時、ただただ自分のうちから溢れ出てくるやさしさというものを、躊躇うことなくかけてあげるのだった。
また彼女は、人にやさしくするだけでなく、人からやさしくされることに対してもなんの躊躇いも抱かなかった。彼女は、たとえどんな相手からであろうと、やさしくされたり、やさしい言葉をかけてもらったりすると、心から嬉しそうな顔をして、ありがとうと言って素直に喜んだ。
彼女は、人から愛されることに対して全く躊躇いがなかった。どんな人物からであろうと、それが愛情であれば、素直に受け取って喜ぶのだった。』
『コンサートなど大きなイベントでも、控え室やバックヤードをつねにウロウロ行ったり来たりする。それは、悩んでいる子、落ち込んでいる子を誰よりも先に見つけるためである。』
高橋みなみのリーダーの要因は「優しさ」である。そして「愛情」である。
とにかく相手のことを考えるのである。そのためであれば、厳しい言葉も厭わない。
そして厳しい言葉を言われた相手もきっと普段の行動から分かっているのだろう。自分のために言ってくれるのだと。
そう思わせる人はなかなかいない。普段の行動を積み重ねてこそのものであり、発言と行動が一致してなければ説得力がない。
自分に厳しく、人に優しく。
そしていつも目の前の事に本気なんだろう。というか、目の前の事だけしか見ていない。
だから、自分の事だけになってしまうこともある。
でも、人のために本気になれる。
そして人をよく見ている。見下した態度は一切なく、驕らず、謙虚に人と接する。
周りのことを本気で大切に出来る人なんだろう。
これからも頑張ってほしい人物であるし、同時にもっと知りたい人物である。