『また逢う日まで』の尾崎紀世彦さんです。歌のうまい歌手ベスト⚪︎⚪︎に名を連ねることが多くお亡くなりになってしまいましたが、本格派の歌い手さんです。名曲『また逢う日まで』のヒットは私がまだ物心つく前でしたので、『サマーラブ』でTVに出ていた尾崎さんの印象の方が私の場合は強く残っています。素晴らしい歌手にも関わらず、70年代、80年代、90年代、ベストテンなどの音楽番組や紅白などに露出が多かったイメージがありません。それに比べ同系統?の布施明さんは露出が多く、私の子どもの頃の憧れは布施明さんでした。失礼ながら、もみあげや髭の濃いおじさんというのが、歌手生活の全盛期を知っているはずの私のイメージでした。1.2年前にyoutubeを見ていて見つけた『夜もヒッパレ』の動画、歌手が他の方の歌を歌うこの番組の動画で、尾崎さんがミスチルの『イノセントワールド』を歌うのを見て、衝撃を受けました。ご存知の方も多いと思いますが、私この番組あまり興味がなく、リアルタイムで見逃していました。尾崎さんは昔の歌手、声はいいけど、若者の歌うようなキーの高い曲やリズムの複雑な曲が歌えるはずがないと勝手に思っていたのです。

ここで紹介するのはXJapanの『Longing〜途切れたメロディ』です。XJpanといえばハイトーンの曲、難曲といったイメージですが、尾崎さんは直立不動で歌い上げます。ご本家との比較は野暮ですが、圧倒的です。驚くのはあの高いキーを鼻腔共鳴に逃げていない。共鳴させるのが、もっと下にあることです。尾崎さんは腹筋をものすごく鍛えていらっしゃったらしいのですが、その辺りと関係があるのかもしれません。動画を見たことがある方も多いと思いますが、是非見たことがない方にこの歌唱を聴いていただきたいと思います。まさに伝説の歌唱だと思います。