ウクライナ戦争に関して戦闘過程の細かなニュースには、TV報道やネット情報双方ともあまり気を取られないようにしています。

もう、リアルタイムで流れてくる情報は、よう判別できんので。

ただし時間の許す限り、色々な識者の見解には耳を傾けるようにしています。

地上波のニュース解説で出てくる小泉悠氏(3月9日公開)や廣瀬陽子氏(3月2日公開)、そして元ウクライナ大使・角茂樹氏(3月10日公開)の日本記者クラブにおける長時間の解説も以前に観ました。小泉氏の奥様はロシア人なんですね。

また特に角茂樹氏と馬渕睦夫氏とでは言っている事が全く違います。

 

今戦争の直接的発火点は東ウクライナ。

日本政府の立場は「東ウクライナでロシア系住民が虐殺されている」のは、ロシアのプロパガンダという見解のようです。角氏の見解も同様で、ご自身が大使在任期間中(2014~2019)に何度も東ウクライナに足を運んでおり、「そのような事実はない」と仰っていました。

確かによく見かける「これまで13000人のロシア系ウクライナ人が虐殺されてきた」とする表現はちょっと無理がありそうで、この数字をそのまま使用するならばウクライナ政府・私兵の戦闘員、親ロシア派戦闘員(含ロシア軍)、そして不幸にも巻き込まれる形となった一般住民のトータルと見るのが自然なんだろうと梅之助は解釈しています。

角氏は日本国大使として当地に幾度となく赴いているものの、安全面を考えると当然ウクライナ政府軍の護衛の元であると思われ、また危険な核心部である親ロ派支配地域にまでは行っていない可能性も推察されます。

恐らく核心地域では規模の大小は別として、きっと過去には不幸な出来事もあったでしょう。

 

東ウクライナは双方のプロパガンダの温床地なので、詳しくない日本人は容易に立ち入らない方がいいですね。ウクライナの国家主権という大前提がある一方、歴史的経緯とそれに加えて人権の問題もあるので、プロパガンダを見極めつつ、どのように判断するかはそれこそ個人の見解に分かれてしまいそうです。

 

ただここで考えたいのがロシアによる「迫害を受けているロシア系ウクライナ人の解放」という大義名分。

これはいつの時代も事実であれ、口実であれ、その双方であれ、戦争の原因になっています。思いつくだけでかつてのヒトラー・ドイツ軍、関東軍の満洲事変もそうで、他にももっとありそうです。

いわゆる「居留民保護」というやつですね。勿論、いい悪いの議論ではありません。

それを思うと現代の日本もちょっと心配です。

 

長くなったものの、ここまでは実は前置き。

以下はちょっと前の2018年の記事ですが、引用します。

 

 

 

 

画像は全て引用記事より

 

日章学園九州国際高等学校は宮崎県にある私立高校。

元々は日本人だけだったそうですが、少子化で生徒集めに苦労するようになり、留学生を積極的に受け入れる方針に転換しました。

その結果、2018年の入学式は中国人167名、日本人16名という現実に。

一体、この高校ではどんな歴史の授業をするんでしょうか。

30万人とも言われる南京の大虐殺?

歴史を修正し、チャイナとの対決色を強める安倍、高市は日帝軍国主義?

この記事では旭川市の隣町・東川町の留学生支援の実態にも触れられており、北海道もとても心配されています。

留学生も立派なチャイナの居留民。これはほんの一例であり、留学生に限らずこういう実態は全国各地、枚挙にいとまがないのでしょう。

 

日本国内に在住するロシア人の数は少なく、祖国の戦争に対しては批判的な人も多いので、現在日本政府が行っている国策との反目・対立は表面化しておりません。

しかしロシアとは比較にならない程の独裁国家・チャイナの場合、日本とチャイナの双方が当事者として有事が迫った時はそうはならないでしょう。

ご存知のようにチャイナには「国防動員法」もあります。

これがどのようなレベルで適用されるか想像できません(国防動員法は18歳以上なので、留学高校生は殆どが適用されない事は、一応書いておきます)。

 

つい先日、岸田政権は「留学生に一律10万円支援」なんてぶち上げて、結構批判の声が上がりました。まあ、カネの問題だけならまだしも、有事になった際にチャイナ居留民を大量に抱え込んだ日本の混乱は必至。

上記のように、合法的に日本へやって来るまだ若い高校生たちには全く罪はありませんが、日本国は日本人の為に優先的にお金を使って欲しいものだし、安全保障の面からも変な国策や制度は改めるべきです。

 

そして、やはり日本人にとって今戦争におけるチャイナの出方は注目です。

チャイナと言えばやっぱりこの人、興梠一郎氏。

 

3月24日 公開  約17分

 

興梠氏はチャイナメディアに掲載される論説記事や公式文書を一つ一つ丁寧に解説し、現在チャイナが何を考えているかを、ウクライナ戦争直前から極めて客観的に動画を上げ続けておられます。当然、チャイナメディアに掲載される記事は当局の事実上の公認のもの。

しかし「プーチンと手を切れ」という記事が出たかと思えば、それが削除されたりするなど、政権内部での路線議論や対立がある事を伺わせます(上動画とは別の動画)。

興梠氏の動画は論説記事の解説がメインなので一つ観ただけではピンと来ませんが、時系列的にこの一カ月間通して観るとチャイナの「ワタワタ感」がかなり興味深いです。

 

最後に。

あんまり気持ちの良いものではないのだけれど、事実なので仕方がありません。

 

19+14+07+28=68 1914年07月28日(第1次世界大戦の開始日)
19+39+09+01=68 1939年09月01日(第2次世界大戦の開始日)
20+22+02+24=68 2022年02月24日(ロシアのウクライナ侵攻開始日)

 

な~に、ただの数字遊びですよ。

 

 

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