1913(大正2)年に建築された「遺愛幼稚園」(プロテスタント系)のレトロな園舎(写真を撮らなかった!)を右手に見ながら歩いて行くと。

やって来ました、「函館ハリストス正教会」(函館市元町3-13)です。

 

 

元町散策で、一番行ってみたい所でした。

何せ、カトリックでもプロテスタントでもない、東方正教会(ギリシャ正教)という全く馴染みのない所ですからね(まあ、別にカトリックやプロテスタントに馴染みがある訳でもないが)。

日本の東方正教会(日本正教会)の中でも、最古の歴史を持ちます。

 

 

入ってきた門からまっすぐに来たこの位置から、反時計回りに建物を回ってみます。

 

1860年にロシア領事館付属の聖堂として建てられたのが、この教会の始まり。

そして1861年に領事館付司祭として箱館にやって来たのが、東京のニコライ堂で有名なニコライです。彼は箱館を拠点として日本正教会を創設し、伝道活動を行いました。

 

 

明治以降に日本正教会の拠点は東京・神田に移されましたが、函館ハリストス正教会は最も長い伝統を誇る正教会として存在し続けています。

 

 

初代の聖堂は1907(明治40)年の大火で全焼。現在のものは1916(大正5)年に再建されました。

 

 

 

(右)「亜使徒・日本の大主教 聖ニコライ 1836~1912」と刻まれた碑がありますね。

 

 

 

建物の基礎は石積み、壁体は赤煉瓦積みをセメント・モルタル塗りし、更に白漆喰で仕上げています。何ともロシア風ビザンチン様式の姿が美しいです。

 

「函館ハリストス正教会」HP より

 

サイト「たびらい」 より

 

聖堂内部は写真撮影禁止なので、教会HPや観光情報サイトの画像を拝借。

キリスト教徒ではないので具体的な言葉はうまく出てこないけれど、雰囲気がプロテスタントは勿論、カトリックとも一味異なりました。

ささやかな献金をして、外に出ます。

 

 

頂いた簡易パンフ。

イコンが配置された衝立のようなものを「聖障」(イコノスタシス)と呼ぶそうです。

 

函館ハリストス正教会の近くには、大鐘楼がすぐに目に映る「カトリック元町教会」(函館市元町15-30)もあります。当然そこにも行ってみましょうか。

 

 

横浜の山手、長崎の大浦とともに最も古い歴史を持つこの教会は、1859年にパリ外国宣教会司祭メルメが仮聖堂を設けた事に由来します。

右の方の塀に「白百合幼稚園」の文字が見えますね。

ほ~、函館二大お嬢様「遺愛」はプロテスタントで、「白百合」はカトリックなんだ。

 

 

 

二度の大火に遭い、現在の聖堂は1923(大正12)年に竣工、翌年に献堂されたもの。

ゴシック様式の建物が荘厳ですね。

 

 

正面の扉は閉じていますが、右奥の扉が開いているので行ってみましょう。

 

 

 

(左)正面の扉。(右)右奥から中に入った入口内部のステンドグラス。

 

 

 

入口部分内部の様子です。

 

さて、この先から撮影禁止ですので、以下の2枚は「函館市公式観光情報 はこぶら」HP からのものです。

 

 

 

いやぁ~、カトリックらしいというか、とても立派な祭壇です。これは時のローマ教皇・ベネディクト15世から贈られた日本唯一の貴重なものだそうです。

ここでも僅かながらの献金をして、教会を後にしました。

 

 

この付近には「日本聖公会 函館ヨハネ教会」(函館市元町3-23)というプロテスタント・英国国教会系の教会もあり、ハリストス正教会、元町教会とともに元町を代表する3教会に数えられています。

起源も明治初期からの古いものですが、現在の建物は1979年建築なので遠目から外観を一枚撮影するだけに。

 

 

石畳が美しい「大三坂」を、港の方に向かって。

左の赤い屋根はカトリック元町教会の一部施設です。

 

 

カトリック元町教会から大三坂を挟んだ反対側には、とても立派なお寺の屋根が見えました。

東本願寺函館別院です。

1907(明治40)年の大火で類焼し、1915(大正4)年の建替えの際に寺院建築としては日本初の鉄筋コンクリート造りで建築されました。

 

 

大三坂を下っていきます。

レトロな建物をあちこちで見かけます。

交差点の角にある古い建物は、左に函館アイヌ協会と「カムイイコロ」というアイヌ製品のお土産屋で、右は「やまじょう」という喫茶店。

その隣の赤い三角屋根は「函館カール・レイモン レイモンハウス 元町店」。

また交差点の傍らに、「日本の道 百選」の石柱が建っていました。

函館のエキゾチックな坂道として、この大三坂通が百選に選ばれたんですね。

 

 

大三坂をさらに下って、振り返ったところです。

雨がずっと石畳を濡らしていました。

 

 

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