13日は7:00から宿で朝食を頂いて、8:00頃には出発しました。

14日は仕事な為、あまり疲れは残したくなかったので訪問予定先を効率よく回って旭川に帰らなければなりません。

 

 

網走湖キャンプ場からの網走湖。

網走湖は周囲の河川から淡水が流れ込み、網走川を通してオホーツク海に流れ注いでいる湖ですが、湖面標高が0mなので海の潮が満ちると海水が網走川を逆流して来る為、湖底には塩分濃度の高い水が滞留しているそうです。

ボート競技が出来るようにもなっていました。日本ボート協会公認の競技場でもあるようです。

 

網走市街地へ一度戻りまして、現役の「網走刑務所」(網走市字三眺)です。

 

 

 

国道39号線から刑務所に向かうには網走川に架かる鏡橋を渡らなければならないのですが、橋の入り口に「観光客の車両通行禁止」とあったので、すぐ近くの三眺河畔公園の駐車場に車を停めて徒歩で見てきました。上の正門は1924(大正13)年の建築。

因みに現在の網走刑務所には、刑期10年以下の比較的軽い受刑者が収容されているようです。逆に10年以上とか、無期刑の者は梅之助の地元・旭川刑務所にいるのだとか。

 

そして開館の8:30少し前に合わせて、「博物館 網走監獄」(網走市呼人1-1) へやって来ました。ここには20年以上前に一度来た事があります。

駐車場に到着してみると、入場を待つ観光客の車やバイクが予想以上に既に沢山停まっていましたね。

 

 

 

(左)は1917(大正6)年に完成した二代目鏡橋の再現だそうです。橋の名前の由来は「流れる清流を鏡として、我が身を見つめ、自ら襟をただし目的の岸にわたるべし」という意味合いより。

(右)は入口。この門の左隣が入館受付所になります。

入館料は1080円。

梅之助らはペンションの奥さんから1割の割引券を貰っていました。併用は出来ませんが10%OFFの携帯・スマホクーポンも使えるので、殆どの人は1000円未満で済みます。結論から言うと、値段に比べて大変見応えのある施設だと思いますね。

 

 

正門。これは実物をさっき見てきました。

 

 

 

1912(明治45)年建築の庁舎(1988年移築)。重要文化財です。

庁舎内は囚徒が切り開いた北海道開拓の歴史や、網走監獄の見どころを展示・紹介しており、博物館見学のスタート的な立ち位置となっています。

 

 

 

通称「看守長屋」と呼ばれた刑務所職員官舎と内部の様子。

1912(明治45)年建築されたものを再現しています。1軒の広さは9坪。実際に1983年頃まで、同様の長屋が使われていたそうです。

 

 

1924(大正13)年完成の網走刑務所裏門(1995年移築)。登録有形文化財です。

通称「通用門」と呼ばれ、受刑者が塀の外の農場、養豚場などに出かける時に通っていました。

 

 

1924(大正13)年完成の刑務所水門の再現。網走川を利用した、物資の運び入れ用の水路になります。

 

 

 

釧路地方裁判所網走支部法廷復元棟の内部です。

(左)は合議法廷(重罪事件を3人の裁判官によって審理する)の様子。1952~1991年まで使用された法廷内の再現で、天井のシャンデリアは人を公正に裁く意味がある天秤をイメージしているのだそうです。

(右)は1890(明治23)年に制定された当時の裁判官法服。

 

 

 

1891(明治24)年から始まった旭川~網走を結ぶ中央道路開削工事(228km)での休泊所の再現。

これらの工事で多くの囚徒の犠牲者が出た為、囚人使役は「囚人は果たして二重の刑罰を科されるべきか」と国会で問題となり廃止されますが、休泊所の様式が開拓時代の工事現場にそのまま取り入れられ、後の民間人労働者の「タコ部屋」と呼ばれるものに繋がっていきます。

 

 

監獄歴史館の内部。

中央の3面映像シアターでは、中央道路開削をテーマにした再現映像展示が行われていました。

網走から北見峠までの163kmの工事に網走監獄より約1200名の囚人が投入され、過酷な環境の中、約8ヶ月(通常の4倍のスピード)の工期で211人の囚人が死亡しています。この異例の工程は、迫りくるロシアの脅威に対する明治政府の思惑と切っても切り離せません。

日本人、特に北海道に住む者は、これらの背景と歴史的悲劇について無知であってはならない責務があります。

「赭い囚徒の森」と題された再現映像では、当初は囚人犠牲者に冷淡だった看守も、過酷な環境を共にするうちに最後は「おい、一緒に帰るって言っただろ!死ぬな!」と犠牲者を抱きかかえるシーンが印象的でした。

 

 

 

この館には監獄の歴史紹介の他に、最近の雑居房及び独居房の再現展示や、明治期の工事用もっこ担ぎ、逃走防止用鉄球鎖の体感コーナーなどもありました。

 

 

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