日本時間の12月28日午前中、安倍総理がオバマ米国大統領と共に真珠湾を訪れ、慰霊の献花を行いました。外相、防衛相、統合幕僚長も行かれたそうですね。この件についての私見は既に12月8日の記事(下記の関連記事参照)に書いていますので、特に今回は深く触れません。総理の言動も予定内のものでしたので、まずはひと安心。

当地での演説は→こちら(首相官邸HP)

 

真珠湾ビジターセンター 首相官邸HPより

 

いつもの如く中共が「南京に来い!」などと喚いていますが、ホント彼らは分かりやすいですね。中共は己にとって不都合の悪い事については必ず反応します。今回の総理の訪問が如何に「効いている」かが理解できる格好のバロメーターになっています。中共に関してはNewsweek日本版『安倍首相の真珠湾訪問を中国が非難――「南京が先だろう!」』を日本人は読んでおくべきですね。

遠藤 誉・東京福祉大学国際交流センター長によるこのレポートの骨子は「毛沢東時代は旧日本軍の表立った批判はされて来なかった。毛沢東がそれを許さなかった為であり、理由は毛沢東自身が日本軍と共謀していたからだ。つまり、歴史を歪曲しているのは明らかに中国共産党である」というものです。

 

「iRONNA」(代表撮影)より

 

さて、ハワイにはアリゾナ記念館の他にもいくつか戦争記念館があります。

その展示内容は中韓のそれらとは違い、比較的客観性の高い記述、展示になっているそうで、梅之助は行った事がないので極言は出来ませんが、中には自虐的な日本の歴史教科書よりもよっぽど日本を公正に評価している施設もあるのだとか。

是非以下の動画を参考にしてください。

 

 

これは昨年、青山繁晴氏がハワイの各戦争記念館を訪れた時のレポートで、彼も展示内容の公平性に触れています。ただ、中共がカネの力で展示内容を干渉、変更させようとしている事も指摘されていて、チャイナマネーを絶えさせる事が如何に日本にとって重要かが痛感させられます。

 

さて、話は変わります。

数日前、個人的に調べていて分かったのだけれど、1983年にアリゾナ記念館のゲーリー・カミンズ館長が靖国神社を訪れているんだよね。最近では2002年にキャサリン・ビリングス前館長も。

 

・・・・・靖国神社の宮司さんらも真珠湾に行かれては?

 

もちろん靖国神社は現在、国とは関係のない、いち宗教法人。今回総理と一緒にっていう訳にはいきませんが、これだけ日米両国民が注目しているこの時期を逃さない手はありません。前後して行かれたらいいのではないでしょうか?

アリゾナ記念館の方々も過去に来られているのです。靖国神社側が行っても何ら不自然ではありません。立場や理屈、原理原則に拘っていてはいけないと思います(過去に靖国神社側が訪問されていたとしたら、スミマセン)。

 

 2013年夏 靖国神社にて

 

靖国神社問題はもはや政治家による理屈とかテクニックで解決出来る問題ではありません。

政教分離という国内問題でしかなかったにもかかわらず、朝日新聞など国内左翼勢力の特亜ご注進と焚き付けによって外交・歴史問題となった現状においては、政治色・イデオロギー色のない「慰霊」という形で(よく靖国神社への参拝は「顕彰」であって「慰霊」「追悼」ではない、という言葉を聞きますが、そこまで細かなニュアンスに拘る必要はないでしょう。要は感謝の意を捧げるという事です)、一つ一つ環境を整理して既成事実を重ねていくしかないと思われます。

 

ここでいう環境整理とか、既成事実について少しだけ触れます。

環境整理というとA級戦犯とされた人々の合祀問題が思い浮かべられますが、彼らは法的根拠もむちゃくちゃな不当裁判の結果ゆえの立場なので、分祀する必要などありません。現に日本の主権回復後、彼らは名誉回復を受けており、合祀に関して問題がある訳でもないのです。また、この世とは異なる宗教教義による判断ですから、我々がどうこう言える立場でもありません。

ただ、靖国神社の遊就館の展示の在り方は、検討される余地があるのではないでしょうか?

というのも、ここに慧眼鋭いブログ記事がありましたので紹介しておきます。

 

『アリゾナ記念館を訪ねて・馬場正博の「ご隠居の視点」』

 

梅之助はアリゾナ記念館はもちろん、遊就館にも行った事はありません(靖国神社の拝殿参拝はしています→「2013  上京してきました⑦~靖国神社」(2013/09/13))。よって梅之助個人の直接的な感想からは評価できないので、上記ブログ筆者の優れた平衡感覚を信頼して、特に注目して頂きたい部分を抜き出させて頂きます。

 

この種のアメリカの展示場の例に漏れず、展示物や解説は充実していました。その中では太平洋戦争にいたった背景については「アジアでの日米の権益が衝突」したと説明されていました。これは真珠湾攻撃を記念するアメリカの展示場の歴史観としては驚くほど公平と言えます。奇襲した日本に対し「卑怯」「卑劣」といった表現は使われず、アメリカ人と一緒にいても居心地の悪さを感じられるような物ではありません。

 

これと比べれば、靖国神社にある日本の戦争の歴史を展示していると言う遊就館の解説はずい分と一方的にアメリカを非難しています。 ~中略~ 歴史は日本が全て悪いという自虐史観と被害者意識丸出しの陰謀史観を結ぶ線上にはなく、もっと深く立体的なものです。そしてその全体像をとらえるには、冷静で客観的な目を持つことが必要です。アメリカと比べれば日本はいまだに太平洋戦争を消化してはいないのかもしれません。

 

なるほどねぇ。

先の大戦には日本の正義があり、米国の正義がありました。どちらがより正しかったかなど、神様でもない限り、究極的には分からない事です。また靖国神社には本殿の他に、「鎮霊社」という諸外国の人々を慰霊する社もあります。

であるならば遊就館の展示思想も、一度頭を真っ白にして見直してみてもいいのではないでしょうか。別に特亜や国内左翼の意見を参考にする必要はありません。互いの歴史観を強調するのではなく、戦争の原因や背景に関しては真珠湾の記念館のように事実を第三者のような立場で淡々と記述すればいいのです。

和解と融和。

そういう真の歩み寄りが(左翼、特亜の主張は、歪んだ歩み寄りに過ぎません)今まで靖国神社側にあったでしょうか?

梅之助の言う環境整備とは、そういう事です。

そして既成事実とは、アリゾナ記念館や靖国神社の当事者による相互訪問の積み重ねなどを指しているのは言うまでもありません。

 

このような土台を築いたうえで、米国大統領の靖国訪問実現となれば問題は一気に解決します。

次期米国大統領ドナルド・トランプ氏はチャイナマネーにまみれたヒラリー・クリントン氏と異なり、中共はもちろん最も各方面とのしがらみのない人物です。可能性としてはゼロではありません。

その為にも、地道で小さな種まきを民間含め保守陣営は考えていかねばならないと思いますよ。靖国神社宮司の真珠湾訪問もそんな小さな一歩になると思うんですけど、誰かそういう助言や働きかけをする人物はいないのでしょうかねぇ。

 

追記

本日、稲田朋美・防衛大臣が靖国神社に参拝したそうですね。ずっと外出していたので知りませんでした。「真珠湾帰国の翌日っていうのもどうよ」が一報を聞いた時の率直な個人的感想でした。年明けてからでもいいんじゃないかな、と。

正直申し上げますと今の梅之助にとって、この靖国神社を取り巻く現状では総理であろうと外相、防衛相であろうと、その人個人が参拝をする事にさほどの意義を見出せません。

こういうおかしな状況になってしまった以上、責任ある者の仕事は「参拝する」こと自体ではなく、外国要人含め誰もが「参拝出来る道筋を作りだす」ことだと思っています。それがどんなに困難な道のりでも。

 

中共と韓国がヒステリーを起こしていますね。中共はともかく、ふざけているのは韓国。

日本と韓国は第一、戦争していません。加えて2002年に韓国の日本駐在武官の陸・海軍大佐2名が靖国神社を訪れています。

定見がないというか、頭が腐っているとしか言いようがありません。

 

 

【関連記事】

靖国神社のA級戦犯合祀は終わった問題(2018/08/30)

付記:靖国神社参拝を終えて(2018/06/28)

「安倍総理、真珠湾訪問」に対する私見(2016/12/08)

一体どこの国のメディアなのか?~安倍総理の靖国参拝(2013/12/26)