旭川~札幌間にあって三笠市って梅之助にはあまり、というよりも全く馴染みのない街。
まあ他にも、上記区間には小さな都市がいくつもあって、仕事関係や親戚・友人がなければなかなか縁は生じないのだけれど、たいてい国道12号線沿いに各都市の市街地が広がっているので、例えば札幌へ車で行く途中その街並みを眺めて、街の特徴や雰囲気を漠然とでも感じる事は出来ます。
けれど、三笠市だけは郊外が国道12号線をかすめているだけなので、どんな街なのか今まで全く知りませんでした(深川市も三笠市と同様な地理条件ですが、旭川の隣街なので知らないという事はありません)。昔の炭鉱で栄えたので、現在は過疎が進む小さな市、という頭の中のイメージ。
ただ最近は三笠市内の国道12号線沿いに道の駅が出来て、なんだか行ってみたいお風呂も出来たので、なんとかその近辺で観光してみる事にしました。

ということで。
5月3日、月形町の樺戸集治監を出た後、三笠市内に向かってみました。
中心部の市民会館に隣接された「食事処 道」(三笠市幸町13)が目に入ったのでそこで昼食。気楽な食堂、といった雰囲気です。

 

 


とんかつ定食を頂きました。するとメニューにはない食後のコーヒーのサービスが。ご厚意のコーヒーは大変「旨い」味でした。

午後から「三笠鉄道記念館」(三笠市幌内町2丁目287)へ。別に「鉄ちゃん」の要素は梅之助には何一つないんですが、北海道の開拓の歴史に触れるという事で。
行ってみるとGWのイベントも行っていました。小さな子供を持つ家族連れも多く、主催者や行楽客にとって恨めしいのは予想外に居座る上空の寒気と雨でした。
 

 

 

 


強い興味があるわけではないので、屋内施設である記念館内の展示資料などはサラリと一瞥。ただ好きな人好きなんだろうな。
ここで触れておきたいのは、実はこの三笠市は非常に古い鉄道の歴史を持つという事。日本の鉄道開通は
  ① 新橋~横浜の京浜鉄道
  ② 大阪~神戸の阪神鉄道
  ③ 小樽~三笠の幌内鉄道
という順番になり、明治15年に全通した小樽手宮と三笠の幌内を結ぶ道内初の鉄道路線は日本で3番目という事になります。
すご~い!
いかに時の明治政府が、北海道の開拓と産業の礎となるこの地の石炭輸送を最優先させていたのかが分かります。
 

 

 

上のC12型はちょっと小型で1932~1947年製造、下の9600型は1913~1926年の製造だそうです。

 

 

このS-304という機関車は敷地内の線路を汽笛を鳴らして元気に走っていました。1939年製造。

炭鉱が閉山して三笠市も他の炭鉱都市同様、過疎化に悩んでいます。従来の基幹産業の性質上、山間の谷間に自治体が形成されるので特に閉山後は新たな都市・産業計画を立てようにも地理的限界があるでしょう。かつては6万人を越えた人口も1万人を割り込み、日本で2番目に人口の少ない「市」になってしまいました。

思うのですが、この施設ももう少し方向性を転換した方がいいんじゃないかな?どちらかというとターゲットが親子連れを中心に、全方位的な戦略みたいに感じるけれど、親子連れは子供が大きくなると、ここには足を向けなくなるでしょう。
それよりも、例えば同じような鉄道関連の歴史的設備を持つ小樽とタイアップして、展示品の共同入手・整備、オークション大会など常にリピーターとなりえる「鉄ちゃん」をガンガン取り込む工夫を発案して、さいたま市の鉄道博物館に負けないくらいのメッカにして欲しいものです。
最近の「鉄ちゃん」は完全に市民権を得て、自分の望みのモノには凄いお金かけていますからね。彼らは一生お客さんでいてくれます。
オークション大会に参加する本州の人は1万円旅費補助!みたいな思い切った手を考えて、まずは上客をゲット&リクルートしなきゃ!


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