
夜の歩道橋を
トコトコと歩いているのは、
あれはヨシではないだろうか。
あたたかな夜の細かな雨の
まんまる街灯の滲んだ光。
時々たち止まっては
格子から車をみるしぐさ、
大きな耳・・・緑色の服装。
もしかしたら
見ているのは幻覚で、
いつのまにやら
消えてしまうのではないか
そう思って
じっと見つめていたけれど、
歩道橋を降りて
ずっと遠くのほうまで
小さく去っていくまで
まるで消えずのままだった。
(両親とも合流したらしい)
その歩道橋の
少し向こう側にあるのが
ヨシが好きだった歩道橋。
ひとりで誇らしく渡りながら
下の横断歩道を並んで歩く僕を
格子ごしに見て笑っていた。
おどけたり手を振ったり。
春のあたたかな夜の
柔らかな光に包まれた
雨降りならば・・・
空に少し近い歩道橋にぐらいは
あどけない幽霊が出たりしても
いいのではないでしょうか。