金曜の会見でのイシハラ都知事の築地移転宣言を、あたかも決定事項のように全国紙は伝えています。

その翌日、本当にすごいタイミングで、築地市場の仲卸などの事業者の各店舗に、大家である東京都自らが、その公式の封筒に入れた状態のイシハラ発言のA3で2枚の、いわば「果たし状」と呼びたくなるものを配布して回ったそうです。

これです(外観)。
Like a rolling bean (new) 出来事録-101023築地事業者に東京都が配布

しかもこの写真から分かるように、都知事サイン(印刷でしょうけれど)入りです。
内容を見ても、一種の怪文書と呼ぶにふさわしいものです。

まず画像から。クリックで拡大します。後ろにテキスト起こしもしました。

Like a rolling bean (new) 出来事録-101023築地事業者にイシハラ都知事手紙1

Like a rolling bean (new) 出来事録-101023築地事業者にイシハラ都知事手紙1


諦めろ、という通告のつもりなのでしょう。許しておくわけにはいきません。
嘘の数を数えたらキリがありません。議会の愚弄、あるいは根本的な「シカト」状態、それに議論や事実関係をまとめた言葉の「もはや捏造」というべき状況など、超弩級ですね。

 最低限でも、ここで示された内容が「現実に立脚し」ていないことだけは確実です。この内容をメディアはどう伝えるのでしょうか。あるいは何も伝えないでしょうか。

ここからがテキストに起こした内容です。「まさか」と思う方は、上掲の画像を拡大してご覧ください。

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、首都圏三千三百万人の食を支えるため、ご尽力されていることに深く敬意を表し、感謝いたします。

 さて、この度、私は東京都知事として、築地市場の豊洲移転を進めていくことを決断いたしました。

 築地市場の際整備が持ち上がったのは二十五年以上も前、鈴木都政の時代のことであります。当初の築地・現在地再整備が残念ながら頓挫した後、業界自ら苦い経験を糧にして、築地の街に深い愛着を持ちつつも、豊洲での新市場建設に活路を見出されました。都としても、共に協議を重ねて、平成二十六年度の開場を目指してまいりました。

 本年の第一回都議会定例会では、移転のための予算が認められた一方、議会として現在地再整備について検討したいとの意向が示されたことから、結論を待っておりました。
 議会の検討からは、現在地再整備の困難さが、改めて明らかとなりました。仮に全てが順調に進んでも十数年の月日がかかることがわかりました。
 現在地再整備が選択肢たり得ないことは明白ですが、議会は結論を先送りし、今後の見通しも示しておりません。
 ならば、知事としての責任で大きく歯車を回すしかありません。
 
 なにより、築地市場を取り巻く情勢が、先送りを許しません。
 開場から七十五年が経過し老朽化は窮まっております。観光客の賑わいとは裏腹に、今後求められる品質・衛生管理の水準に応えられず、産地・顧客ニーズへの対応もままなりません。
 新市場整備が先に延びるほど、厳しい経営環境が、一段と悪化するのは必至です。

 先般、業界団体から「議会の現在地再整備案では実際には二十年かかり、とても待てない。豊洲に新市場を解説して欲しい。」旨の切実なご要望を頂きました。

 市場の未来を見据え長い時間をかけて議論をまとめてきた業界の労苦に応えるためにも、先も見えぬまま末不安と焦燥に区切りを付けるべく、決断をいたしました。

 今後、豊洲移転に全力を傾けてまいります。

 移転予定地の土壌汚染対策については、我が国最高権威の学者の方々の英知もおカリして、日本の優れた先端技術を活用した汚染除去手法を編み出し、現地での実験も済ませております。安全・安心の確保は十分可能であり、万全を期してまいります。
 移転を具体的に進めていくにあたり、皆様がそれぞれに抱える課題・不安・心配は様々であります。これらの丁寧に耳を傾けながら、皆様と共に知恵を絞ってまいります。

 首都の行政を預かる知事として、現実に立脚し、複合的に発想して、今回の決断をいたしました。
 皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

 平成二十二年 十月
   東京都知事 石原慎太郎

築地市場事業者の皆様

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補足:

なお、(この「果たし状」が明らかになる前の)土曜日の東京新聞によれば、都議会公明党の中嶋義雄幹事長が取材に応じて、「今後は市場関係者をはじめ、都民の理解が得られるように新市場整備を進めてほしい」と語ったそうだから、これまた都知事と一体化した少数与党の爆走ぶりに呆れ返ります。

別のところでも書きましたが、これだけ強烈な日本売りを都知事が行なおうとしていることに、保守を自任している自民党が文句を言わないどころか・・・というのは摩訶不思議、いささか滑稽ですな、と言いたくなりますね。
二度と得られない伝統文化というかけがえのないものよりは、ロボット工学のセンセイによる日本の英知だかのほうが素晴らしいということなのでしょうか。
真の保守たるもの、どんな猛毒でも魔法のように解決できる日本の強みを盲信し信じ、汚染された土壌の上で外資が幅を効かせる市場でも構築できるのだ、硬直化していないのだと言いたいのでしょうか。よく分かりませんね(あえて言えば)。

東京新聞
築地移転決断 野党反発『厳しく対応』 与党『知事の判断尊重』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101023/CK2010102302000033.html

2010年10月23日

 築地市場の移転問題で、石原慎太郎知事が都議会審議の結論を待たず、江東区豊洲への移転を決断したことについて、現在地再整備案を含めた継続審議を主張する民主党など野党会派は「強引だ」「議会軽視」と反発の声を上げた。

 昨年の都議選で「強引な移転に反対」を掲げて、第一党に躍進した民主党の大沢昇幹事長は「大変な憤りを感じている。現在地再整備案の方が優れているとの意見も多い。豊洲移転を強引に進めるなら、今後の関連議案には厳しい対応をせざるを得ないと断言する」との談話を発表。来年度予算案などの議案審議で対決姿勢を鮮明にする考えを示した。

 共産党都議団の吉田信夫幹事長も談話で「厳しく抗議する。豊洲は食の安全が最優先されるべき市場移転地としてふさわしくない。豊洲移転の強行は『百年の悔い』を残す」と指摘した。

 生活者ネット・みらいの西崎光子幹事長は「議会軽視と言わざるを得ず、強く抗議する。汚染された豊洲への移転が消費者にとって最善の利益とは考えられない」との声明を出した。

 一方で石原知事を支える与党、都議会自民党の三宅茂樹幹事長は本紙の取材に「知事の決断を尊重する。市場は生鮮食品の流通に不可欠で、政争の具にするのは言語道断だ」と述べた。

 都議会公明党の中嶋義雄幹事長も取材に「今後は市場関係者をはじめ、都民の理解が得られるように新市場整備を進めてほしい」とコメントした。


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