先日、教育学部の教員の方とお話をする機会がありました。
実施に77億円をかけた全国学力テストの結果を受けて(この4月に第2回が行われました)、教育現場の変質、とりわけ先生方への圧迫や勉強が苦手な子へのプレッシャーはいっそう強くなっているのは事前に懸念されていた(※)通りだそうです。
(※)2007-04-23
『「全国学力・学習状況調査」(悉皆式学力テスト)の問題簡易まとめ
』
また、実施にあたり、大きな利権が絡んでいることも当初から明らかになっていました。
改めてリンクします。
◆阿修羅
『全国学力テスト』の実施は、ベネッセとNTTデータが協力(うさぎの小部屋)
77億円*10年間、770億円は相当の「うまみ」になるはずです。
さらに、教育の機会不均等やその根にある貧困の問題(都市と地方の格差)との相関が指摘されています。
そのくせ、産経などでは、昨年の結果を受けて、「県民性」やら「泣き笑い」と冗談めかして平然と競争をあおっています。「能力面での現実を突きつけられるのは当然」などと安直に片付けることができないことには、この人たちのきわめて限られた見識では決して思い至ることもないのでしょう。
産経MSN 2007.10.24
【学力テスト】県民性反映!? 順位に泣き笑い (1/2ページ)
~~~
そこでは、都道府県別の集計で平均点の低かった沖東京都足立区や沖縄県などの事例を伺いました。
参考: 東奥日報 2007/7/17
そこで驚いたことのひとつには、沖縄では選択式の問題で、単純な誤りが多いのではなく、空欄が異例に多かったという点があります。
このことを怠惰と言えるでしょうか?これを県民性と言い放つことができるでしょうか?
あるいは、子どもの側からの権力へのボイコットと見ることができるでしょうか。
・・・どうもそうではないようです。
ちょうどほぼ1年前に沖縄の先生から拝聴したところを以下のエントリーでも書いていたように、貧困によって学習の機会を剥奪される子どもたちの実態はまったく看過できないものです。
◆2007-5-27
沖縄タイムス 2007年10月25日
(略)
家の所得で正答率に差
二十四日に公表された全国学力テスト結果の学校別分析で、就学援助を受けている子どもが多い学校ほど正答率が低いという傾向が、小中学生に実施したすべての教科で表れた。
就学援助は生活保護を受けるなど所得が低く、子どもの就学が困難な家庭に、国や自治体が学用品購入費や給食費などを補助する制度。文科省は「割合が高い学校の中には正答率が高い学校もあり、一概には言えない」とするが、統計上は家庭の所得による格差の存在を示した。
就学援助を受ける子どもが一人もいない学校から半数以上まで、割合に応じ六グループに分類。各グループの半数が含まれる中間層の正答率の中央値を比べる方法で分析した。
その結果、小学国語Bでは援助を受ける児童がいないグループの正答率は64%。援助を受ける割合が高まるごとに正答率が低下し、半数を超えるグループでは53%となって11ポイントの差が生じた。小学校の他教科でも6―8ポイントの差があった。
中学校では、援助を受ける生徒がいないグループの数学Bの正答率66%に対し、半数以上のグループは46%。ほかの教科も10―20ポイントの開きがあり、小学校より差が大きかった。
援助を受ける子どもが半数を超えるグループに分類された小学校は約四百七十校、中学校は約二百七十校で、それぞれ全体の2%を占めている。
(略)
この結果を見て、まさか親の収入を親の能力と、子どもの学力をその能力の継承に帰着させるような恐ろしい考えを持つ方がいないことを信じていたいものです。少なくとも、「苦学生」という言葉がかつてありました。
学力テストを競争には用いない、とかつて文科省が明言していても、わたしは一切信用していませんでしたが(犬山市教育委員会の方々もでしょう)、やはりふたを開けてみたら、「低い点数」を「出してしまった」地域や学校や先生には、サポートが与えられるのではなく、ただひたるら自助努力で点数を上げるよう、至上命令が与えられるそうです。上のような実態があるのにも関わらず、です。
かつて会社が儲からないのは社員のせい、と話し、顰蹙を買った大企業トップの誤りと同じ、もしかしたら(もしかしなくても)それ以上のモラル崩壊です。
★学習指導要領前倒しへのパブコメは5/24までです。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10091589970.html
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月曜(5/12)発売の週刊東洋経済は、『子ども格差』特集です。
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/
見出しを引用します。
このままでは日本の未来が危ない!!
子ども格差
子育て家庭の貧困世帯率が14%にも達する日本。出産から育児、教育まで、子どもをめぐる格差の実態を追った。
- 【図解】学歴、職業、年収… 格差は親から子へ継承される
- 貧困の撲滅掲げた英国、いまだ手つかずの日本
- INTERVIEW
- 立教大学コミュニティ福祉学部教授/浅井春夫
- 中央大学法科大学院教授/森信茂樹
- PART 1
「子どもの貧困」最前線 - 虐待問題で疲弊、パンク状態の児童相談所
- COLUMN
- 声を上げ始めた児童養護施設出身者たち
- 母子の貧困、生活保護家庭の悲鳴
- 妊婦健診への公費助成で14倍の自治体間格差
- 外国籍児童の不就学をなぜ放置するのか
- 【海外編 1】イラクへ送られる米国の落ちこぼれ生徒たち
- PART 2
ここまで来た!! 教育熱 - 半年で350万円出費も! 私立小学校「お受験」の舞台裏
- 東大生も使い放題! セレブのぜいたく受験術
- いよいよ必修化! 小学校から始まる英語格差
- カウンセリングで見えた 「家族を追い詰める国」日本
- INTERVIEW
- NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事/安藤哲也
- PART 3
学校に通えない子どもたち - 授業料滞納問題が噴出
- COLUMN
- 基準がまちまちの就学援助
- 大学進学を阻む学費の壁
- 【海外編 2】中国の仰天「教育格差」事情
- INTERVIEW | 子ども政策を問う(1)
- 厚生労働大臣/舛添要一
- PART 4
学び育つ場所が危ない - 規制緩和を悪用、保育が「金儲け」の手段に
- 人手不足を派遣保育士で補う公立保育園
- 大規模施設に衣替えされる学童保育
- 特別支援教育で混乱する学校
- 取得率88%は幻 育児休業取得は至難の業
- INTERVIEW | 子ども政策を問う(2)
- 内閣府特命担当大臣(少子化対策)/上川陽子
どのような記事であるかはまた読んでからお知らせしたいと思います。
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