民主主義の根幹を維持する原理として、民意を積極的に傾聴すること(たとえ民意とまとめられるものが、どんなに分かりにくく、流動的で、理解が困難であっても!)は大前提の態度として遵守されるべきである、と考えているわたしとしては、「あの」自民党とその支持者であるという留保付きとはいえ、極端な衆愚思想を披瀝するような人が、政界にも、くわえてそのお取り巻きにも絶えないことには、何回ため息をついてもつきたりません。。。


しかも、それを得々と語るセンセイ方が、決して賢明ではないことを語り続けているにも関わらず、大手メディアのほとんどは、相変わらず彼らの言葉を「天の声」として後生大切に扱って、ストリーミングしています。


そもそも、弱者切捨てと踏み潰しを是とし、たとえば後期高齢者医療の負担を「天引きする」ことを、「効率化を達成し、負担が軽減されるよいアイデアである」とするような人々(たとえばマチムラ氏)がリードしている誠和会政治は、思想の左右を問わず理解しがたいものであるはずでしたが、こうして実際に生命が危機にさらされる(憲法25条が骨抜きにされる)まで、絶賛されてきました。


いまさらの感は拭い去れませんが、あのタハラ聡一朗氏(先日の朝生でも思い切り財界に擦り寄り、圧倒的多数を占める視聴者側≒市民側でなく、メディア界で永らえて御自らの生涯年俸を上げることにしか念頭には無いように見えてなりませんでした)に、「民意を聞けでは解決しない」という一見すると軽いタイトルのもとに、どうみても「民意を聞くことは必要十分条件でない」ではなく、「民意なんぞ聞いてはならない」という考えを打ち出して、与党の太鼓持ちを続けている様子には我慢なりません


タハラ氏は、もうジャーナリストとして「上がり」(昭和時代の人生ゲームでいえば、貧乏農場でないほうの、ともかくゴールのひとつ)にあるのなら、この程度の妄言にいちいちつっかかるのも無駄なのでしょうけれど、ともかく大メディアがこんな言論を恥ずかしげもなく言論として掲載する意図はどこにあるのでしょうか。


(余談)非常に私的な感情としては、映画「靖国」の弾圧にあたりタハラ氏が稲田氏を批判したのも、右派のなま暖かい空気を壊し、「右派と右翼の関係」を「たかが民意」に断罪されることを面倒がった、あるいは恐れたのかもしれない、なんて邪推してしまいます。

日経BP 田原総一朗の政財界「ここだけの話」
2008年5月1日

第57回
なぜ自民は山口で惨敗したのか 後期高齢者医療とガソリン税


(2ページ目)

(略)


後期高齢者医療制度の問題とは何だったのか。本当にこの制度自体が悪法だったのか。


実は説明責任を与党がきちんと果たしてこなかったことがこの制度の一番の問題だったのではないのか。後期高齢者医療制度について書かれた自民党の説明書や厚生労働省の説明書などを読んでも、何を言わんとしているのか、何のためにやるのか、さっぱり分からなかった。何でこんなに分かりにくいのか。


元大蔵官僚の榊原英資さんがまだ現役だった頃、官僚の文章について僕にこう話をしたことがある。「官僚の書く文章は、暗号だ。国民にはさっぱり分からないように書くのが官僚の文章なのだ。だいたい官僚の書くものは国民に理解されては困るものが大半なのだが、その中でも特に理解されて困るものは徹底的に分かりにくく書く。官僚仲間にだけわかる暗証番号がないと、その暗号は解けないのだ」。つまり、わざと分かりにくく書いてあるから分からないというのだ。


(5ページ目)
「民意を聞け」では解決しない
民主党に対しても決して信頼が高いわけではないのだが、今回の後期高齢者医療制度で自民党に対する不信感が一挙に高まり、この1点だけで民主党に投票しようという人が出た。今まで必ず自民党に入れていた高齢者を中心とする人々が、民主党に入れた。これが、今回の山口2区補欠選挙の自民党の敗因につながった。


さて、これから自民党はどうするのか。今の日本の1番の問題は、将来展望が全くないことだ。暗い見通ししかない。それに対して政治はどうするのか。

だが新聞をはじめとするメディアは、今の政治状況に対して、「民意に耳を傾けろ、民意をキャッチしろ」といったことしか言わない。これも問題だ。


「民意を聞け」とは何か。民意というのは、全体のバランスや方向性を考えずに「福祉を重くしろ、税金は軽くしろ」となる矛盾だらけのものなのだ。そして、民意というのはそういうものなのだ。

今大切なことは、「民意を聞くこと」ではない。政治があるべき正しい方向を目指し、国民にとって痛みを伴う内容であればあるほど、それをきちんと話す説明責任と透明性がより求められるのだ。これこそが重要なのだ。ここをマスコミは全く誤解している。


後期高齢者制度という名前は悪かったかもしれないが、それでも制度の内容と必要性を国民にきちんと説明していればここまで問題にならなかったかもしれない。厚生労働省からの「大したことはありません」という説明を鵜呑みにして、自民党の実力者たちは追及もしなかった。その結果、自分たちも国民にきちんとした説明ができずに山口の選挙では敗北したのだ。

(略)

「きちんとした説明」として、

 (1)分かりにくい言葉で韜晦する

 (2)ワンフレーズでごまかす

いずれも一向に構わない、と開き直っているように見えます。


どんな無理筋を決定しても、その後の説明責任(無理矢理の納得を含める)を取って合意を後付けで取ればよい、そう言っているんですよね??


一見すれば、与党の説明責任の不在に渇を入れる、中立的な、政局混乱への「有識者」の激励にも見えますが、日ごろの言説と重ね合わせて読みこんでいけば、極端に民意を軽んじる態度を是として、いかなる場合にも「外乱」に惑わされず、強引なまでの霞ヶ関・永田町唯我独尊思想を貫き通せ、と示唆しているに過ぎないことが分かります。


そういえば、天木直人さんのブログにこんな内容が同じタイミングで記載されていました。

公式 天木直人のブログ  2008年5月1日

なぜ今さら騒ぐ


(略)

官僚は、暇に任せて机上の空論を重ね、複雑で、矛盾に満ちた欠陥法律を乱造してきた。そうして、自分たちだけが理解できる法律をつくって、自分たちの権限を守ってきたのだ。

 選挙の事しか頭にない政治家に、そんな複雑な法律が理解できるはずはない。採決前に官僚を呼びつけて教えてもらうような政治家ばかりだ。官僚の用意した法案を、ただ採決するだけの与党政治家なのである。

 野党政治家は、曲がりなりにも勉強をして問題点を追求する努力をする。しかし、多勢に無勢である。官僚は、議員もスタッフも少ない野党が追及できないように、わざと法案を複雑にし、乱造する。

 野党議員はアップアップ状態なのだ。

 ましてや、他社との競争に明け暮れる若い記者が、官僚のつくる法案を勉強して、その真意を見抜く事など出来るはずはない。

 こうしてこの国の、国民を切り捨てる政策がどんどんと作られていく。その多くは後になって多くの問題点が含まれている事が明らかになる。

 「今ごろ騒いでも法案が通ってしまったら終わりだ」

 そういう官僚の高笑いが、私には聞こえる。

悲しいことにその高笑い(官僚が作ったお利口な文言を理解できやしないという見下しの態度)が、わたしにも聞こえます。


それでも、官僚と自公の強く求める法案を規定路線として放置することはできません。


先日挙げた、学校教育法の運用(学習指導要領前倒し)でも、「案」をちょっと読んでみるだけで、そこには官僚特有の表現に満ちていることが分かります。


弊ブログエントリー

2008-04-27
学習指導要領前倒し(パブコメ募集中)では大臣談話の理数系でなく、総則・道徳・社会科が目立ちます


【追記】

当初、悲惨なほど眠い状態で書いてしまったので、誤記は大分訂正しました・・・


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