この間の日曜、タケナカ氏がタハラ氏の番組で、またもやとうとうと、


「だから今、郵政民営化と同じように、法人税率切り下げ」と語ってました。

そこで、

【覚え書き】 タケナカ発言を受け、日本の法人税率(企業負担国際比較)を再確認する 』をひそかにアップしていました。


賃金を上げないで法人税を下げる。それが信頼される日本経済を作る、という論調が最近あちこちに目立ちます。


上のエントリーにはこうしたコメントもいただきました。


■豪腕・奥田会長 日本の賃金を下げる


週刊東洋経済-東洋経済新報社
2008年3月29日号(2008年3月24日発売)
COVER STORY
給料はなぜ上がらない !
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2008/0329/index.html
TOP STORY
豪腕・奥田会長 日本の賃金を下げる-08/03/23
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1a3ccc5b154fb4ff7b83ee194529d9f5/

ゴンベイ 2008-03-25 07:52:43

奥田氏の日本の賃金下げとその波及効果いついて、ぜひリンク先や今発売されている雑誌本体お読み下さい(今週はまだ東洋経済もダイヤモンドも手に取れていませんでした)。


たしかに自動車関連企業に勤める人が、「だってトヨタが上がってないんだからうちはしょうがないでしょうねえ」と諦め顔、というよりは納得ずくで語るのをお聞きしたことがあります。

サプライヤに限らず、「天下のトヨタ様がベースアップしていない」ことは、経営者にも働く側にも大きな影響があります。


~~~

賃金を上げないで法人税を下げる。それが信頼される日本経済を作る、という論調について、最近の傾向として、「労働分配率が上がっていないと言うんでしょう?それはあなた(働き手)の側の考えが足りないよ、なぜならうんぬんかんぬん・・・」といったものが目立つような気がしています。


先週読んでいた下記の記事も、賃上げがどれほど弊害があって、それを「あえて行わない」ことがどれほどに魅力的で効率的で「しょうがない」ことなのか、説得していました。

日経ビジネス:

「増益=賃上げ」は当たり前? 春闘妥結もトヨタ、コマツの利益の源泉は・・・
2008年3月19日 水曜日 篠原 匡


 2008年春の賃金交渉が続々と妥結している。


 3月12日、自動車や電機、鉄鋼などの主要労働組合に対して、経営側が一斉回答。その後、電力大手、JRグループ、NTTなどが労組との賃金交渉を終えた。1500円の賃上げ要求に対して昨年と同額の1000円を提示したトヨタ自動車を筆頭に、大手製造業の賃上げ回答は昨年並みの水準にとどまっている。


 「余力ある企業は働く人々への分配を厚くすることも検討してよい」。日本経済団体連合会の御手洗冨士夫会長は賃上げを容認する姿勢を示していた。ところが、米国の景気後退や急速な円高の進行、原材料高などから先行きに危機感を強めた企業サイドは慎重な姿勢に転じている。


 そんな2008年春の賃金交渉。成り行きを観察していたある運用会社の社長は一言、こう漏らした。


 「付加価値はどこで、誰が創造しているのか。改めて考えた方がいいのではないでしょうか」

 サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題が炸裂した昨秋以降こそ、ファンドの運用成績がTOPIX並みに落ち込んでいるが、10年近く、TOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを出してきた人物である。


 彼の主張を要約すると以下のようになる。

 (1)賃上げとは労働分配率を引き上げること。
   ↓
 (2)労働分配率は「(人件費/付加価値)×100」。
   ↓
 (3)ただ、企業の利益成長は日本市場ではなく海外市場に依存。
   ↓
 (4)海外で創造された付加価値はどこまで日本の従業員に帰属するのか。


(略)


「大企業の経常利益は総額32兆8342億円でバブル期の1.75倍。それに連動して、株主配当は4.17倍になっている。その一方、民間労働者の平均賃金は435万円で9年連続の減少。自社と関連会社に働くすべての従業員に月1万円の賃上げを行うのに必要な原資は4兆6308億円。217兆円の内部留保の2.1%を取り崩すだけで実現可能」(一部要約)


 ただ、冷静に考えてみると、企業業績の伸びを支えているのは主に海外市場である。


 2008年3月期で過去最高益を見込むトヨタ自動車。その営業利益の構成比を見ると、北米と欧州で58%を占めている(2007年4~12月期の合計)。同じく最高益のコマツも米州、欧州・CIS(独立国家共同体)、中国で営業利益の80%以上を稼ぎ出す。急速な円高という不確定要素はあるものの、「国内市場はよくて横這い、利益成長は海外」というのがグローバル製造業の1つのパターンである。


 先にも述べた通り、労働分配率とは人件費を付加価値で除したもの。そして、付加価値とは企業が新たに生み出した価値である。生み出した付加価値に応じて報いることが原則だとすれば、国内従業員の労働分配率は上がらなくて当然という見方も成り立つ


 「海外が稼ぐ利益は、基本的に海外の人々が生み出した付加価値。それがなぜ、そのまま国内の従業員の賃上げにつながるのでしょうか」。冒頭の社長は疑問を呈する。

 もちろん、国内の従業員が様々な形で海外での付加価値創造に寄与していることは論をまたない。研究開発をしているのは日本にいる従業員。生産のノウハウも日本で蓄積し、磨き上げたものだろう。グローバル展開していない内需関連企業には関係ない話でもある。


 加えて、賃上げは内需拡大につながる重要な要素。労働分配率は1999年をピークに低下傾向にある。日本総研によれば、大企業の労働分配率は44.4%(2007年10~12月)にまで低下。「さすがに下がりすぎ」(日本総研調査部の山田久氏)との声も上がる。


 ただ、今は連結で企業を見る時代である。国内の従業員のベースアップを連結業績と絡めて議論する従来の考え方が相応しいのか、考え直す必要があるのではないだろうか。いつまでも「ベア×円要求」という議論が通用する保証はないだろう。しかも、グローバル企業では海外の地域法人の存在も大きくなり、地域別利益とその配分に現地の従業員は敏感になっている。


■現金より自社株がお得に?

 連結時代の賃金交渉――。先の運用会社社長は、「1つの考え方」と断った上で次のように提案する。「海外での利益成長の恩恵は賃上げではなく、自社株の取得で享受してはどうか」。


(略)


「連結」の概念はある程度理解していますが、本論では賃上げ要求にあたってのいくつもの前提となる条件が無視されているのではないかと感じています。

このコラムだけでなく、上の社長さんのようなことをおっしゃる方を現実に見ているため、備忘録として何点か、思うところを残します。


・まさに説明にあるように、売上を作ってきたことに国内の従業員の貢献が少なからず、というより大きな割合であること(特に、海外の製造・開発・販売拠点の立ち上げには、多くの場合、国内から赴任や長期出張組が出向きます)

・連合も、内部留保の全てを切り崩して還元せよ、などと横暴な主張をしているわけではないことから、それをなだめるのは適切ではないと考えます。
何より90年代から最近にかけて賃上げ抑制がなされた期間に、業績の向上までのしばらくは「痛み」を飲んでくれ、後で報いるから、と言っていたのは経営側だったことを思い出す必要があります

・その業績の向上が海外展開も視野に入れたものだった、要するにグローバル化はごくごく近年に始まったことでなく、「フラット化する世界」という概念が挙げられて以降、大半の企業が採用した、予定内の「戦略」だったのだから、為替リスクを口実に賃金を抑制し続けるという方便には「何を今さら」感は拭い去れません。


もろもろを併せて考えると、結局は90年代以降、働く人はカラ手形をつかまされてきたと考えてよいのでしょうか?


さらに加えます。


自社株投資は、強制されない愛社精神に基づくものであればひとえに否定されるものではないでしょうけれど、
賃金は企業の業績に(タテマエ上)連動し、株価も配当も(一応は)業績と相関を持つ、その性質を考えるに、給与と株を集中させるやり方は、ポートフォリオとしてはあまりお勧めできないとも思います。


社員持ち株会では手数料が免除されたり、それ以上のインセンティブがついている場合もありますが、なぜ賃上げのほかにわざわざ自社株を「買わされる」のか(もちろん自主的になら構わないですが)、
まったく納得がいかない、とかつて感じていたことを思い出します。


ちなみに、上の日経ビジネスのコラムの触れ込みは、

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、NBonline編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

だったりします。

いつもついているものなのでしょうけれど、無理難題の正当化のパターンとして、こうして「あなたなら分かると思うが」という自尊心くすぐりの切り口がよく持ち出されるように思います。


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