新銀行東京の追加出資400億が26日に都議会通過の「方向」などと報道されています。
月曜に都内の某都立施設近くに出向いたところ、あちこちに東京オリンピック誘致のポスターや大きな幕が掲げられていました。
都の財政から見ても、データセンター予定地の築地の移転先の地下水汚染も、湾岸3セクの赤字埋め合わせをもくろんでいた不動産ミニバブルの崩壊もますます顕著で(いずれにせよ、オリンピックまで続くものではなかったですが)、東京も五輪の、「大きな夢を見ようじゃないか」(←昨年の選挙戦でのイシハラ氏発言)どころじゃないのに、本人もそのことは当初から分かっていたろうに、と、さらにしらけた気持ちになります。
推進するその人物の、根深い悪意を、わたしは随所に感じ取らないではいられません。
自らが支配すると信じた都民に向けた悪意、弱い者に向けた悪意、地方に向けた悪意。
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都議会の自民・公明両会派では、新銀行東京に対する追加投資はこの400億円だけだ、などと付帯案をつけています。ただ、忘れてはならないのは、現実の都の公共事業での損失額は、2000年以降、トータルでなんとすでに1兆円であることです(日経調べ)。
日経 08/3/23
東京都主導の大規模計画、「負の遺産」処理に1兆円
多額の累積損失を抱える新銀行東京(東京・千代田)など、東京都が主導した大規模プロジェクトの処理や経営立て直しのために投入した資金額が、官民合わせて1兆円近くにのぼることが明らかになった。都は財政力を背景に大規模事業を次々と立ち上げたが、ノウハウ不足からことごとく失敗。新銀行では旧経営陣の責任を強調するが、同じ失策を繰り返した都の責任も問われそうだ。これらの事業は主にバブル期以降の税収増加時に着手した。都内には大企業が多いため好況時に税収が集中する。豊富な資金を使って始めたが甘い経営見通しや管理のずさんさから行き詰まったものが多い。こうした「負の遺産」に対し、都は追加支援や損失処理を迫られている。日本経済新聞の集計では2000年以降だけでも都や取引金融機関が実施した減資、追加出資、債権放棄などは15件で総額は約9500億円に上る。(23日 07:01)
まさか「ここにたったの4%が加わるだけじゃないか」という判断ではないですよね?
あるいは、400億で今さら騒ぐなというムード作りではないですよね?
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付帯条件に関するニュースです。「厳しい“最後通告”」とは言いますが、こんなものを厳しいとすること自体、違和感があります。
この行動は、まさに記事にあるように都民の批判をかわすのが狙い以外の何物でもありません。
日経 08/3/24
都議会自公「400億円棄損させず」・新銀行東京追加出資で付帯案
経営再建中の新銀行東京(東京・千代田、津島隆一代表執行役)に対する400億円の追加出資案を巡り、都議会与党の自民と公明が、容認の条件として検討している付帯決議案に「400億円を棄損させない」ことを盛り込んだことが24日、分かった。両会派は同日、総会で所属議員の意見を聞いたうえで、合意に向けて最終調整する。両会派とも大株主の都に、厳しい“最後通告”を突きつけ、巨額な税金投入に対する都民の批判をかわすのが狙いとみられる。(16:02)
TBS 08/3/24
新銀行東京・津島氏が再建策を説明
新銀行東京に400億円を追加出資する都の予算案の審議は、今週、大詰めを迎えますが、都議会・自民党は24日、新銀行の津島代表執行役を呼び、再建策について直接説明を求めました。
新銀行への400億円の追加出資について、都議会与党の自民党は、すでに賛成の意向を固めています。
しかし、銀行側の再建策の説明は十分ではないとして、党の会合に新銀行の津島隆一 代表執行役を呼び、直接説明を求めました。(管理人注: 決めたから安心して説明のために召集した、とすら邪推します)
「都民の皆様からいただいた重い400億円を、きちんと業務として成り立たたせる(管理人注: 成り立たないでしょう)、それを作り上げることが使命だと」(新銀行東京、津島隆一 代表執行役)(管理人注: 火の玉精神です)
一方、同じく与党の公明党は、賛成する方向としながらも、追加出資は今回で最後だと都に確約させるなど、最低限必要な条件があるとしています。(管理人注: 出資は今回で最後だけど、都知事談によれば単体で存続はできないので他に売るのは自由である、ということですね)
Q.地元の声は?
「一般的に厳しいですね。これは当然だと思う」(都議会・公明党、中嶋義雄 幹事長)(管理人注: 総理を真似て他人ごと癖がついているのかな?と思います)
党の支持者からの反対も強く、一部の議員からは本会議の採決は自主投票にしてくれという声も出ているということです。都議会では、委員会の採決が26日に行われます。(24日15:55)
毎日
◇中小企業支援目的は評価/「救済ありき」の縮小均衡/事業清算に向けた一里塚/第三者の判断が必要だ
東京都が「新銀行東京」(千代田区)に400億円を追加出資する予算案が26日、都議会予算特別委員会で与党が賛成し可決される見通しとなった。「再建していくことが私の政治責任」と訴える石原慎太郎知事の主張に沿った再出発になるが、リストラ策で黒字化を目指す再建計画に未来はあるのか。金融・経済の専門家4人に採点してもらった。【村上尊一、木村健二】
▽米格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」の吉沢亮二・主席アナリスト▽投資サービス会社「GCIキャピタル」の村田雅志・チーフエコノミスト▽経済ジャーナリストの須田慎一郎さん▽慶応大の金子勝教授(財政学)が、優(80~100点)、良(70~79点)、可(60~69点)、不可(59点以下)の4段階で評価した。
「可」としたのは、吉沢氏だけで、3人はいずれも「不可」だった。吉沢氏は、中小企業支援を目的とした点を評価し「都の政策実施のための一手段。追加出資による縮小均衡しか方向性がないのは理解できる」。そのうえで、「景況が悪化せず、新たな貸し倒れが出ないようにするなど、克服すべき課題が多い」と注文を付けた。
村田氏は「追加出資は『救済ありき』の縮小均衡路線」と厳しい。新銀行は行員を450人から120人に削減する計画を立てるが、「既存の業務を処理できる態勢が作れるのか」と疑問を呈した。須田氏も「再建計画は、限りない縮小均衡だ。事業清算に向けた一里塚でしかない」とみる。金子氏は「金融庁など第三者に評価してもらい、計画の可否を判断すべきだった。選択肢はたくさん残されている」と指摘している。
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■再建計画の骨子■
<組織>
▽6店舗を1店舗へ(08年度)
▽人員450人を12年3月末までに120人に
▽営業力強化の人材配置
<事業>
▽今後10年間で延べ1兆円規模の新規事業
▽平年度ベースの融資・保証残高700億円が目標(成長企業支援型融資100億円、ファンド投資100億円、一般融資150億円、公共工事代金債権信託100億円など)
毎日新聞 2008年3月24日 東京夕刊
もし、与党が真に追加投資が必要だと信じるなら、その党の支持者の反対があっても話し合いを持ち、その後、信任を問うべきでしょう。
どこまでも、その場しのぎの批判をかわす対応であることかが分かります。
産経MSNにも、タイトルとは一味異なる批判的な内容が掲載されていましたが、日曜の沖縄の一件がとどめになり、その新聞にあった文字列を引用するのもおぞましい気分です。
タイトルとURLだけ記載しておきます。
産経-MSN
都、逃げ切り目前 新銀行東京、審議大詰め
2008.3.23 20:15
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080323/fnc0803232015000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080323/fnc0803232015000-n2.htm
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NHKも、こと都政に対しては、今回だけかもしれませんが意外に中立的な報道もしているように思えます。
NHK
多額の累積赤字を抱えて東京都が追加出資の方針を示している「新銀行東京」について、銀行の設立にかかわった都の担当者ら複数の関係者がNHKの取材に応じ、「天の声で過大な計画が作られ旧経営陣が引きずられたのが経営悪化の要因で、都に責任がないという理屈は通らない」などと証言しました。
(3月24日 18時30分)
また、しんぶん赤旗は、毎回そうであるように、容赦なく数字を挙げたたみかけて実態を示しています。
しんぶん赤旗
石原知事への不信深まる 経営破たん 新銀行東京 400億円増資は背信--------------------------------------------------------------------------------
東京都議会で、経営破たんした新銀行東京への400億円追加出資の審議が大詰めを迎えています。25日は予算特別委員会でのしめくくり総括質疑のヤマ場になります。放漫経営の実態が次々と明らかになり、詳細な説明を拒み続ける石原知事と新銀行経営陣への不信は深まるばかりです。(岡部裕三)
--------------------------------------------------------------------------------新銀行は、三月期決算で累積赤字が千十六億円にふくらむ見通しで、東京都が出資した一千億円をドブに捨てたも同然の事態となっています。
大赤字の原因の一つが、融資の失敗です。
日本共産党の追及で、石原都政が作成した新銀行マスタープランは、開業三年目に黒字にするため九千三百億円にする過大な融資目標をたて、新銀行経営陣をあおり、融資の焦げ付きを増やす結果となったことが浮かび上がりました。
融資以外では、新銀行が購入した国債など有価証券の損失があります。今年三月末で四十億円にのぼる見通しです。
百二十四億円かけたコンピューターのソフトウエアもむだになり、〇七年三月期決算で八十三億円を減損処理し、特別損失に計上しました。
開発経費と維持費で十二億円かけてATM(現金自動預け払い機)を百五十一台設置しましたが、経営悪化で店舗外の百二十六台の稼働を中止、撤去を進めています。
電話で顧客の相談に応じるコールセンターも、利用客が少なく撤収。業務委託費とビル賃借料で二億円をかけました。
6ページの再建計画
追加出資を前提にした新銀行の再建計画も粗末です。再建計画書は表紙を含めてたった六ページ。日本共産党は新銀行が作成した経営破たんの調査報告書全文の提出、四百億円の根拠、再建計画の収支見通し、貸付・預金の想定利率など詳しい説明を求めました。
これに対し、石原知事は経営破たんの原因を「われわれが期待し、委嘱した経営陣の問題だ」と旧経営陣に責任を転嫁し、調査報告書全文の提出も拒否。都産業労働局も「銀行側が明らかにしていない」といって詳しい説明を拒否したまま。
この答弁に、日本共産党は「これでは白紙委任しろということではないか。そんな無責任な説明で追加出資を求めても、都民は納得しない」と厳しく批判しました。
提案自体に問題
石原知事が追加出資を提案したこと自体、大きな問題があります。もともと東京都は新銀行マスタープランで、同行の出資金は都一千億円、民間は当初の五百億円から最終的に一千億円に増やし、都の出資比率を五割に抑える計画でした。しかし、当初から民間出資がうまくいかず、都出資分のほとんどを失うことになるとの疑問がだされていたのです。
これに対し、同行の代表執行役に天下りした津島隆一氏は、都の新銀行設立本部長時代に、民間出資について、「十分な見通しをもってやっている」(〇四年九月)、「民間企業五十社程度の資本参加を含む五百億円を超える自己資本調達の見通しがつき」(〇五年三月)と答弁していました。
実際は、開業後三年たっても民間の出資は百八十七億円にとどまっています。
高まる反対世論
また、石原知事は民間に追加出資を求めることもせず、新銀行取締役会の要請を受けた日に、わずか半日足らずで追加出資を決めるという、ずさんな審査・決定の経緯も日本共産党の追及で判明しました。都の追加出資は、民間出資分の穴埋めとして行われることになり、都民への背信行為です。
石原知事が新銀行を設立した目的は、中小企業融資でした。しかし、同行の中小企業融資比率は昨年九月には47・2%に低下。再建計画では、主力商品の無担保無保証融資を事実上廃止するなど、中小企業融資から大幅撤退の方針です。設立目的を放棄した新銀行への追加出資は、破たんを先送りするだけです。
不誠実な石原知事と新銀行経営陣に、都民の批判は高まるばかりです。東京都に寄せられた意見は十九日までに八百六十八件に増え、反対が84・8%と圧倒的です。
都の幹部も「四百億円を追加出資しても、再建できない」「都の負担がさらにふえる可能性もある」と指摘します。
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引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。
被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。
「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。
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