学習指導要領の件に続いて、こちらは覚え書きとしてアップします。
犬山市が次年度の全国学力テストを見送りましたが、それに対しての市長の見解が挙げられていました。
朝日 学力テスト不参加、犬山市長「混乱に巻き込みたくない」

2008年03月16日20時27分

 全国学力調査(学力テスト)をめぐり、愛知県犬山市の田中志典(ゆきのり)市長は16日、教育委員の増員を市議会3月定例会に提案しないことを正式に明らかにした。市長は朝日新聞のインタビューに応じ、2回目となる08年度調査への不参加が確定することについて、「『断念』ではなく決断した」と述べた。市民の様々な意見を取り入れることをねらいに保護者に教育委員になってもらい、将来の参加もにらんで委員数を増やす検討を続けることも明らかにした。

 田中市長は「決断」について、「私も4人の子どもたちを市内の学校に通わせている保護者だ。現場の先生や児童・生徒をこれ以上の混乱に巻き込ませたくないと考えた。また、市民や全国の人々にこれ以上、犬山のことを誤解されたくはないと思った」と胸の内を語った。

 全国学力調査に対する考え方で、市長と、市教委の総意とは隔たりがあった。

 市教委は「教育現場に競争を持ち込み、豊かな人間関係を育む土壌をなくし、子ども同士や学校間で格差を生む」と、学力調査の弊害を指摘してきた。

 これに対し、田中市長はインタビューの中で、調査そのものに確かに問題もあるが、利点も多いので個人的にはやるべきだと思うとしたうえで、「現実には競争というものも存在する。グローバル化が日本社会で進むなかで、親として子どもたちにもっと力をつけて欲しいとも思う。学力調査を受けることは、子どもたちの状況を知るうえでも害になるとは思えない」と述べた。

 これまで、「委員を増員し、(参加派を多数にして)調査に参加することもできる」と発言してきた田中市長は、実際に新たな教育委員の人選も進め、市議会とも相談してきたという。「今でも参加すべきだと考えている。だが今回、ことさらにマスメディアに取り上げられ、対立を強調された」と話す。

 「教育行政への政治介入」との批判も受けているとして、「介入するつもりはない。ただ、公教育なので民主的なやり方で市民の思いを反映させた機関決定をしてほしいと望んでいる」と強調。「学力調査の功罪を、もっと保護者、市民も含めて議論すべきだ。アンケートなどで意向を尋ねる方法もある」と話す。

 市教委や瀬見井久教育長は校長らへの説明や、学力調査の理解を深めるQ&Aなどをまとめた書籍を発行してきた。だが田中市長は、住民への説明はなお不十分だ、との主張だ。

 犬山のこれまでの教育改革について、田中市長は肯定的にとらえ、「教育改革を否定するつもりはまるでない。むしろ賛同し、発展させたい。全国から注目され、誇りに思う」として、08年度予算でも今まで通りに少人数学級のための補助教員の費用などを積極的に認めてきたことを挙げた。

 ただ、田中市長は委員の増員は今回の議会で見送っただけだとして、「改正法(改正地方教育行政法)の要請もあり、市民や保護者の意見を幅広く市教委に反映させるため、増員は考えている」と述べた。4月から施行される改正法では委員の増員が可能となり保護者が含まれるよう努めること、とされている。

 今回の田中市長の「決断」について、瀬見井教育長は「改めてコメントすることはない」としている。

 2回目調査に不参加を決めたことも含め教育問題全般について、市教委は21日から、四つある中学校区単位の保護者、住民を対象にした意見交換会を開く予定だ。
ひとまずはよかったと思います。

わたしも文科省と聞いたが最後、闇雲に反対をする、またはイデオロギー競争として燃える、ということが目的であるわけでないですが、ひとつ気がかりなのは、市長の言葉にある

   「実際に競争は存在する」、だから・・・

という論理に、「うんうん」と頷いてしまいがちな傾向(たぶん、わたしにもどこかあるのかもしれません)です。

世界には競争があるから、子どもにも将来の競争があるから、だから今のうちに強みや弱さを知っておこう、対処しておこう、世の中は甘くない、愚かであるとしてグローバル社会からなめられてはいけない・・・。

そこに罠が潜んでいる、というとまた言いすぎになるでしょうけれど、獅子がその仔を谷から落とす、という発想で教育に対峙することそのものやそれが国により強制されることで、そこから外される者を出してまでに至ったり偽装が行われたりすることを十分に恐れないで「実際に競争はある」ことを優先させるならば、それは新自由主義的なスタンスを「ある程度は仕方ない」という認めることに他なりません。
その点をどこまで自覚していけるかを考えています。

以下はここに至るまでの議論の一端です。
毎日 犬山市議会:一般質問、教育問題で議論百出 /愛知

 全国学力テストへの不参加問題で注目される犬山市議会の一般質問は12日再開され、教育問題への質問が相次いだ。教育委員の増員について田中志典市長は「幅広い意見を聞き、活発に議論するには保護者が加わるのがいい」と改めて増員に意欲を示した。

 久世高裕議員(清風会)の「増員を考えているか」との質問に対し、田中市長は「委員長は進行役、教育長は議案の提案者で、実質3人の議論では不十分。若い世代、女性、地域バランスも考える必要がある」と答弁。しかし、実施時期については言及をさけた。

 また、一連の教育・テスト問題について、岡覚議員(共産)が「市教委への不当な圧力ととられかねない報道が目立つが、発言を慎重にすべきでは」と苦言。吉田鋭夫議員(清風会)も「対立報道を市民はどう見ていると思うか」とただした。

 これに対し、田中市長は「介入しているような報道は不本意。ただ、私には市民の声を伝える義務はある」と答弁した。瀬見井久教育長は「イデオロギーの相違でなく、単純な問題」とだけ答えた。【花井武人】

毎日新聞 2008年3月13日


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