今回の学習指導要領案を読み込む時間がどうにも取れないのですが、まず社会科教育について目を惹く部分をピックアップします。
中学校:
(3) 私たちと政治
ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせるとともに,法の意義を理解させ,民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解させ,我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。また,日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め,日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる。
→力点の置き方に、どうも座りの悪さを覚えてしまいました。
原則を言うなら三権分立や、やや高度ながらも「法の支配」を挙げなくては。
イ 民主政治と政治参加
地方自治の基本的な考え方について理解させる。その際,地方公共団体の政治の仕組みについて理解させるとともに,住民の権利や義務に関連させて,地方自治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる。また,国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらましや政党の役割を理解させ,議会制民主主義の意義について考えさせるとともに,多数決の原理とその運用の在り方について理解を深めさせる。さらに,国民の権利を守り,社会の秩序を維持するために,法に基づく公正な裁判の保障があることについて理解させるとともに,民主政治の推進と,公正な世論の形成や国民の政治参加との関連について考えさせる。その際,選挙の意義について考えさせる。
→「多数決の原理」とは少数意見の斟酌のもとの運用であり、数の暴力ではない事を伝えますか?
それとも数の横暴という国会で日常的に行われている事態を正当化するのでしょうか??
そして、小学校の社会科教育から違和感を持った部分のごく一部ですが(p.42):
エアからクまでについては,例えば,次に掲げる人物を取り上げ,人物の働きを通して学習できるように指導すること。
卑弥呼, 聖徳太子,小野妹子, 中大兄皇子,中臣鎌足, 聖武天皇, 行基,鑑真,藤原道長, 紫式部,清少納言, 平清盛, 源頼朝, 源義経,北条時宗,足利義満,足利義政,雪舟,ザビエル,織田信長,豊臣秀吉,徳川家康,徳川家光,近松門左衛門,歌川(安藤)広重,本居宣長,杉田玄白,伊能忠敬,ペリー,勝海舟,西郷隆盛,大久保利通,木戸孝允,明治天皇,福沢諭吉,大隈重信,板垣退助,伊藤博文,陸奥宗光,東郷平八郎,小村寿太郎,野口英世
うっかり一部の氏名を強調してしまいましたが人選のあり方については識者に委ねます。
・・・少なくとも聖徳太子について言えば最近の歴史学者が語るように、またより簡略化された説明はこちらの東京新聞社説 にもあるように非実在が確認されているのに。
~~~
ここから先は、内容全体について、教育基本法改正情報センターの総則の改定案と現行案比較表 (PDF)と原文から確認します。
また、八木氏らによるパブコメテンプレートにあるような、思想的な観点からの突っ込みに対峙するようなコメントを引き出すのはあまり容易ではありませんが、取り急ぎ総則での差を理解することの意義はあると考えています。
「将来の(あるいは現在の)教育を別の目的に利用しようとする」為政者にコントロールされうる危険、というリスクを見越した批判的観点から指摘事項を書いていますが、どれもこれも変更点は定義からしてすべからくダメ、ということではありません。
■小学校■
◆案
第1章第1
3 学校における体育・健康に関する指導は,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上に関する指導及び安全に関する指導並びに食育その他の心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科の時間はもとより,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。
→やはり発達の度合いを考慮して、がずいぶん多く登場する印象です。
また食育では、早ね早起き朝ごはんとの関連性も懸念(苦笑)されます。
さりげなく取り入れられた、「安全に関する指導」。
ここに武術の必修化や国家安全保障体制の一員という考えがないのかどうか。
◆案
第4章 (現行では総合的な学習の扱い、という章が含まれているので第5章に該当)
2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各教科等の指導に当たっては,児童の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,児童の言語活動を充実すること。
◇【参考】 現行
2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学校生活全体を通して,言語に対する関心や理解を深め,言語環境を整え,児童の言語活動が適正に行われるようにすること。
→あっさりした現行表現から大分書き足してあります。
言語表現だけでなく思考力、判断力、持てる知識や技能の活用があるのはPISAを意識してのことかもしれません。
第4章(続き)
◆案
(4) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるようにすること。
→この項が新設されました。
まず振り返り活動に関する言及を設けたということはPDCAサイクルを回そうということでしょうか。つまりは児童にも目標管理を設定することに見えますが邪推であると安心して良いでしょうか?
◆案
(7) 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。特に,特別支援学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
◇【参考】 現行
(6) 障害のある児童などについては,児童の実態に応じ,指導内容や指導方法を工夫すること。特に,特殊学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
→特別支援教育を意識してのことだとは思います。中学にもありますが、これだけの指導の充実化を図ろうという理想に対して、先生の加配や十分な情報面での支援がなされるのか懸念されます。
◆案
(9) 各教科等の指導に当たっては,児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ,コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け,適切に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
→赤字が現行からの追記部分です。情報モラルは、ネットや携帯による犯罪行為、いじめに加担あるいは巻き込まれないための項目だと積極的に見ることもできますが、どうも規制を容認する方向の根拠になったりするのが心配ですし、また、(申し訳ないですが)今の学校で「情報モラル」を教えられる先生がどれほどいるでしょう?
(考え方の問題ではなく、いわゆるネットリテラシーの面で)
◆案
(12) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間,幼稚園や保育所,中学校,特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。
◇【参考】 現行
(11) 開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間や幼稚園,中学校,盲学校,聾(ろう)学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。
→改定案では、「学校がその目的を」とありますが、現行では開かれた学づくり、が先頭に挙げられています。
同じような文言は中学校版にもありますが、ではいきなり大きな概念として提起されている、「学校の目的」って何でしたっけ?(爆)
~★~~
そうしたわけで、思い切りわき道にそれますが、学校の目的とは、改悪改定教育基本法によれば、以下のようなところにあるそうです。
(中教審サイトより: なんだか目的と目標が一部ごっちゃになっているようであったり、教育のそれと学校のそれも混在しているように見えるのは、こちらの読解力不足でしょうか・・・)
1. 教育基本法の改正を踏まえた新しい時代の学校の目的・目標の見直しや学校の組織運営体制の確立方策等(学校教育法の改正)
1) 基本的な考え方
○ 教育基本法の改正により、教育の目的は、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」と定められた(第1条)。また、教育の目標について、公共の精神や伝統と文化の尊重など、今日重要と考えられる事柄が新たに規定された(第2条)。さらに、義務教育についても、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うという目的が定められた(第5条第2項)。同様に、大学や幼児期の教育に関する規定(第7条及び第11条)も置かれたところである。
○ 学校教育法には、それぞれの学校種ごとに目標等が規定されている。これらの規定は、初等中等教育においては、小・中・高等学校等の教科等の教育内容の大枠を定めるとの性格を持つとともに、教育理念を規定する教育基本法と教科構成やその具体的な内容を定める学習指導要領等をつなぐ役割を果たしている。
○ このため、義務教育については、改正教育基本法第5条第2項に新たに義務教育の目的が規定されたことを踏まえ、義務教育の目標を学校教育法において明確化することが必要である。
その際、審議においては、義務教育の目標により詳細にわたる具体的な教育内容を書く必要があるのではないかとの意見もあったが、他方で、むしろ学校教育法の目標規定はより大綱化すべきとの意見も出された。このため、現在の小・中学校の目標に、改正教育基本法第2条において教育の目標として新たに規定された理念の中で教科等の教育内容の大枠として学校教育法に規定することが適当なものを加えるとの考え方で整理することが妥当である。
さて、改悪教育基本法そのものも引っ張っておきます。
教育基本法
平成十八年十二月二十二日法律第百二十号
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
(略)
第五条
2 義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
第六条法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
2 前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
~★~~
余談ですが前提条件に関わるところなので長くなってしまいました。
ここから中学校に対しての学習指導要領案(総則)になります。
特徴として、現行では、「第3 選択教科の内容等の取扱い」が別立てですが、これは今回の案では前段とまとめられ、規定詳細も案では記載されていません。また、「第4 総合的な学習の時間の取扱い」が掲載されていません。
■中学校■
◆案
第1章総則 第1 教育課程編成の一般方針
1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態及び生徒の心身の発達の段階や特性を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとする。
学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。
→赤字追記として、判断力などPISAテストの課題に対応するとも思える事項あるのは小学校と同様です。
加えて「態度を養うこと」が示されています。なぜでしょうか、この「一般方針」が長くなっていますね。
◆案
2 道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,伝統と文化を継承し,発展させ,個性豊かな文化の創造を図るとともに,公共の精神を尊び,民主的な社会及び国家の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓ひらく主体性のある日本人を育成するため,その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。
◇【参考】 現行
2 道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏(い)敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓(ひら)く主体性のある日本人を育成するため,その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。
→赤字が追記です。はい、伝統と文化に関する規定ですね。
◆案
第3章 道徳 第2 内容
(9) 日本人としての自覚をもって国を愛し,国家の発展に努めるとともに,優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献する。
→これ(愛国心の涵養)が道徳(モラル)なのか、という最大の争点になるところです。
また、その進め方ですが、
◆案
道徳教育を進めるに当たっては,教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深めるとともに,生徒が道徳的価値に基づいた人間としての生き方についての自覚を深め,家庭や地域社会との連携を図りながら,職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動などの豊かな体験を通して生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。その際,特に生徒が自他の生命を尊重し,規律ある生活ができ,自分の将来を考え,法やきまりの意義の理解を深め,主体的に社会の形成に参画し,国際社会に生きる日本人としての自覚を身に付けるようにすることなどに配慮しなければならない。
◇【参考】 現行
道徳教育を進めるに当たっては,教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深めるとともに,生徒が人間としての生き方についての自覚を深め,家庭や地域社会との連携を図りながら,ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。
→人間としての生き方の自覚(現行)という自然的に備わったモラルと、「道徳的価値に基づいた人間としての行き方の自覚」(新規案)では、大いに異なると思うのですけれど。
その「道徳的価値」が国家たのめ、という影響を受ける規定になっているため。
◆案
3 学校における体育・健康に関する指導は,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上に関する指導及び安全に関する指導並びに食育その他の心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科の時間はもとより,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。
→コメントは小学校編と同じですが(食育のことなど)、「生涯を通じて・・・の基礎」というあたり(以前からありましたが)どうも「健康自己責任論」を思わせてひっかかります。
◆案
第3 授業時数等の取扱い(現行では「第5 授業時数等の取扱い」)
1 各教科,道徳,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科等」という。ただし,1及び3において,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)の授業は,年間35週以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし,各教科等(特別活動を除く。)や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,学期の内外を問わず,これらの授業を特定の期間に行うことができる。なお,給食,休憩などの時間については,学校において工夫を加え,適切に定めるものとする。
→学期の内外を問わず、が追記事項としてあります。
10%増などをはじめとして、既存の学期枠では収まらないことが想定されているようです。
◆案
3 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,生徒の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。なお,10分間程度の短い時間を単位として特定の教科の指導を行う場合において,当該教科を担当する教師がその指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは,その時間を当該教科の年間授業時数に含めることができる。
→新設。そこまでしないと10%増は(以下略)
◆案
4 各学校においては,地域や学校及び生徒の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かし時間割を弾力的に編成できることができる。
→新設。そこまでしないと10%(略)
◆案
5 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。
→新設。「総合的な学習の時間」を学校行事に振替えることができるとしています。
あえてセンセーショナルに書けば、「学校行事がなくなる?」というところでしょうか。
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
◆案
1-(2) 各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるなど,効果的な指導ができるようにすること。
◇【参考】 現行
1-(2) 各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるとともに,教材等の精選を図り,効果的な指導ができるようにすること。
→案では、「教材等の精選を図り」が無くなっていますが、現場での選択が制限されるということを長期的に想定しているのでしょうか、邪推でしょうか。
◆案
2-(2) 各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活用した問題解決的な学習を重視するとともに,生徒の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
→問題解決的な学習は重要ですが、PISAが堪えていたようです(感想)
◆案
2-(6) 各教科等の指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるようにすること。
→新設。小学校にあるように、PDCAサイクル(成果主義のツール)が見え隠れします。
◆案
2-(8) 障害のある生徒などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。特に,特別支援学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
◇【参考】 現行
(7) 障害のある生徒などについては,生徒の実態に応じ,指導内容や指導方法を工夫すること。特に,特殊学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
→特別支援教育の内容盛り込み。こちらも教師などの職員加配が書かれていないけれど、大丈夫でしょうか。
◆案
(10) 各教科等の指導に当たっては,生徒が情報モラルを身に付け,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
→これは上述の通り。
◆案
(13) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。
→新設。奥が深そうです。
◆案
(14) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,中学校間や小学校,高等学校,特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。
◇【参考】 現行
(12) 開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,中学校間や小学校,高等学校,盲学校,聾(ろう)学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。
→上でも長いわき道で書きましたが、現行の「開かれた学校づくりの推進」という目的が無くなり、学校間の横断的な共同学習が追記されています。
道徳教育がどう変わるか、ベネッセ(教育再生会議や全国学力テストでしばしば登場してきました)のサイトに記事がありました。
Benesse教育情報サイト
斎藤剛史 2008/03/06 15:00:00
(略)これに対して政府の教育再生会議は、小・中学校の道徳の時間を教科「徳育」として、教科書も作るよう提言したのですが、文科省の中央教育審議会は、道徳の教科化を見送りました。道徳の充実を主張する立場の人々からは、教科化の見送りについて強い不満が出されています。一方で、「学校の教育活動全体を通じて行う」という現行の位置づけは、ある意味で教科よりも重要であることを示しているとして、教科化に慎重な姿勢を示す道徳教育の専門家も少なくありません。
教科書もなく評価もしないということで、一部の学校現場では指導の「手抜き」が行われていたことも確かです。かつて「道徳の時間」は、教育番組のビデオを見せるだけでおしまい、という例も多かったようです。また、道徳教育の年間指導計画を作成していなかったり、作成していても教員同士で周知徹底していなかったりする学校もありました。つまり、学校として統一した道徳の指導がされていなかった、ということになります。この背景には、道徳教育の実務上の責任者が誰かあいまいで、実質的には直接指導に当たる学級担任の先生にすべて任されていた、という事情があります。
このため、各学校で道徳教育の責任者である「道徳教育推進教師」を置き、年間指導計画の作成や各教員に指導内容を周知徹底することをとおして、道徳教育を充実させようというのが、新学習指導要領のねらいです。「学校の教育活動全体を通じて行う」ということは変わりませんが、その前に「道徳の時間を要として」という言葉が追加され、道徳の時間の位置づけがより強化されています。
(略)
中教審は道徳の教科化を見送ったとはいえ、今回の案では、準教科化、と理解されてしまいます。
そして、内心の自由のないところに、個として、不測の事態にも対応しうる高い倫理観の育成を求めることはできません。
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引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。
被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。
「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。
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