IAEAが、柏崎刈羽原発に「お墨付き」と「良い教訓」というご褒美を与えて、危険でならない再稼動に向けた動きが大きな一歩を踏み出しそうになっています。
東京電力 for youという首都圏のTVCMも、これまでは「柏崎刈羽原発は設備点検を続けています」という内容であったのに、今日気付いたら(家に着いたらちょうどCMが流れていました。多分News23の終わりの頃のようです)、「1号機~7号機まで設備点検を終了」「地盤の調査も3月に完了」というスケジュールの提示という「すっかり超ポジティブな」内容に差し替えられています。
以前ご紹介した、原子力資料情報室(CNIC)の『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴えて、新潟日報に1ページの意見広告を出しましょう! 』を改めて引用させていただきます。
強調は引用者によります。
原子力資料情報室(CNIC)
柏崎刈羽原発の閉鎖を訴えて、新潟日報に1ページの意見広告を出しましょう!
東京電力と国は、柏崎刈羽原発の再開を画策しています。いくつもの検討委員会がひんぱんに開かれていますが、傍聴していると、こんな議論でいいのかと強く感じます。新潟県の人たちがそれを聴いていたら驚き、あきれ果てるのではないでしょうか。
1980年代から、変動地形専門の研究者には柏崎平野の活褶曲構造は知られており、沖合には海底活断層が存在し、長さも23キロメ-トルを超えることは容易に推定されました。電力業界と経済産業省、および審査にあたった一部の「専門家」はそれを無視していました。とにかく、原発をつくることが最優先され、安全性は軽んじられていたのです。その反省がないまま、またも無責任な議論が再開を第一に繰り返されています。
1月末には、国際原子力機関(IAEA)の第二次調査団が現地を訪問する予定です。また2月26~27日には柏崎で、国際シンポジウムが予定されています。「地震の影響を受けた機器の健全性評価、地盤変状の影響とその対策、および防災・火災防備に焦点をあて」、日本原子力産業協会の主催です。これらは、再開のお墨付きを与えるのではないでしょうか。
一方で、新潟県民には情報がきちんと届いていないのではと心配です。あんな豆腐のような地盤を技術的に強固なものにできるの? 地震動のS1とかS2と言われても、もうひとつぴんとこない。安全余裕がたっぷりあったと国は言うけれど、ほんとうなの?とさまざまな問いが寄せられています。
私たちが疑問に思っていることを、国の検討委員会はどう説明しているのか。そのことに私たちはどう反論し、そうではないと主張しているのかを、新潟県民のみなさまへわかりやすくお知らせしようと考えています。「柏崎刈羽・科学者の会」が精力的に検討をおこなっています。最初の公開質問状にはすでに回答があり、次の公開質問状が準備されつつあります。国側の矛盾がちらちら見えています。
2月末の柏崎での国際シンポを聴いたうえで、それへの意見を含めて、新潟県民のみなさまが再開の是非を判断するときの資料を、新潟日報の1ペ-ジ全面に意見広告として掲載したいと考えています。これは新潟県の人たちだけではなく、脱原発を願う全国の人たちの思いでもありましょう。一人でも多くの個人、団体に賛同のカンパをお願いしたいと思います。まわりの人たちにもぜひ呼びかけてくださいませんか。
掲載期日:3月中旬、国際シンポ後のできるだけはやく、をねらう。
基金目標:掲載日までに、300万~350万円個人1口:1000円
団体1口:3000円
■振込先■
郵便振替:00140-3-63145
加入者名:原子力資料情報室※なお、振替用紙には、意見広告カンパと明記しお名前の公表の可否にもお答えください。
呼びかけ:原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議
協 力:柏崎刈羽原発反対地元3団体
事務局:原子力資料情報室
第五福竜丸がビキニの水爆実験で被災し久保山愛吉さんが亡くなられたとき、日本では3000万人規模の反核運動が起こりましたが、その際に原子力の「平和利用」(=米国主導のまずは原子力の産業化)を是とすべく世論誘導で暗躍したのが「野球の父」、あの讀賣新聞の正力松太郎氏でした。
その裏には、かつての盟友が政界に入り、自らもそれを望む正力氏、マイクロ波通信によりネットワーク網(日本テレビ通信網」という名称にその名残り)を押さえようとしてもままならなかった彼が、70歳前に最後のチャンスとして原子力にいわば「乗ってみた」という事実があります。
讀賣新聞で原子力エネルギー推進のキャンペーンを張っただけでなく、が伊勢丹で原子力展を開き、そこに第五福竜丸を展示させたこともあったとのことです。
(以上、『原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史― 』(新潮新書)より超簡略紹介です)
少しこちらも印象操作めいた表現になってしまうのですが、何とも、現在起こっている事実と酷似しています。
柏崎市で開かれていた「原子力発電所の耐震安全性・信頼性に関する国際シンポジウム」(社団法人日本原子力産業協会など主催)が27日、閉会した。同日は、地盤や防火対策などを議論。東電の現状報告や海外の防火対策などが発表された。課題として、柏崎刈羽原発の埋め戻した地盤が沈下し、消火用配管などの構造物が機能しなかったことなどが挙げられた。
また、コミュニケーションの問題も指摘され、出席者から「何かあった時に急に情報を発信するのではなく、日ごろからの東電と地域の関係作りが必要」、「マスコミが一部だけを取り上げて報道することは問題だった」などの意見が出た。
米国原子力エネルギー協会のアレックス・マリオン氏は「今回の報告を世界の原子力産業界の教訓に生かすことが第一歩になる」と総括した。
(2008年2月28日 読売新聞)
読売 国際シンポ前に柏崎刈羽原発視察、海外の専門家ら
変圧器の搬出準備作業を視察する参加者(25日、柏崎刈羽原発で) 中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所の教訓を世界各国で共有しようと26日から柏崎市で開かれる「原子力発電所の耐震安全性・信頼性に関する国際シンポジウム」に先立ち、議論に参加する専門家らが25日、同原発を視察した。シンポジウムは、原子力の平和利用を促進する社団法人日本原子力産業協会(会長・今井敬経団連名誉会長)など、民間3団体が主催。海外からも専門家が出席し、2日間にわたって、原発機器の健全性や、地盤、防火対策などについて発表や討論が行われる。
25日の視察にはアメリカなどの技術者ら約50人が参加。ボルトが損傷した2号機の変圧器を搬出するための準備作業や、制御棒を瞬時に炉内に挿入するための装置などを見学して回った。
視察後、米国電力研究所のデービッド・モディーン氏は「安全に直接かかわらない部分のダメージを見ると、改めて地震の威力を思い知らされた」とする一方、「3号機の原子炉建屋内を見たが、まったく異状はなく、あまりにクリーンで素晴らしいプラントで感動した」と話していた。
(2008年2月26日 読売新聞)
こちらは時事通信です:
時事ドットコム
2008/02/27-13:17
「防火対策、既に改善」=IAEAが追加報告-中越沖地震被災・東電柏崎刈羽原発
昨年7月の新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発について、国際原子力機関(IAEA)は27日、「安全上重要な機器に顕著な損傷はなく、防火対策も改善された」などとする2回目の調査結果の報告書を公表した。IAEAは5月に同原発付近で国際ワークショップを開催する予定で、地震で得られた教訓の国際共有を進める。
IAEAは地震直後の8月にも調査団を派遣し、「被害は予想より軽微」とする報告をまとめているが、地震から約半年が経過した1月28日から2月1日まで、現地調査を含む再調査を実施していた。
報告書は、経済産業省原子力安全・保安院や東電などによる復旧や点検、地質調査などについて「非常に多くの質の高い作業が行われており、東電の点検計画は国際社会の参考になる」と評価。その上で「多くの地質調査の結果を集約し、基準地震動の設定を適切に行うべきだ」と指摘した。
そうして、新聞で、TVCMで、盛んに原発の安全性が訴えられようとするさなか、
6号機に剥離が発見されたのだそうです。
東京電力は28日、中越沖地震で被災し、ひび割れが確認されている柏崎刈羽原発6号機の放水路コンクリート壁で、厚さ約10センチのはく離1カ所が新たに見つかったと発表した。はく離は幅約1メートル、高さ約6メートル。ひびは7号機放水路でも見つかっており、合わせて3月10日から補修工事に入る。
また、地震で変形した消火用ろ過水の鉄製タンク2基も同16日から補強工事を行う。
新潟日報2008年2月28日
IAEA自身も、原発反対派というわけではありませんから(設立の経緯も上記の「正力本」で解説されています)、反対側にかたよった意見を出すであろという過剰な期待をしてはならないのですが、まずは今回のプレスリリースを貼り付けておきます。
レポートはこちらです。→http://www.iaea.org/NewsCenter/News/PDF/kashiwazaki280108_vol1.pdf
http://www.iaea.org/NewsCenter/News/2008/kashiwazaki260208.html
Follow-up IAEA Report on Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant Published
Staff Report
28 February 2008
A continuing review of the impact of a strong earthquake that led to the shutdown of the Kashiwazaki-Kariwa nuclear power plant in Japan is likely to influence approaches to the seismic safety of nuclear power plants worldwide, a report by a second IAEA fact finding mission investigating the event said today.
The team confirmed there was no significant damage to the parts of the plant important to safety after its mission in late January 2008. However, its 68-page findings, published today, said that "no international regulation or experience" is readily available to precisely characterise the effects of the 18 July 2007 earthquake.
"The IAEA is in a position to provide international expertise to apply to the event and in so doing international nuclear power safety standards will benefit," Philippe Jamet, head of the IAEA´s Division of Installation Safety and leader of the mission said today.
The Niigataken Chuetsu-oki earthquake "very significantly exceeded"" the level of seismic activity for which the plant, in the coastal prefecture of Niigata, north-west of Tokyo, was designed, the report said.
The four reactors in operation at the time in the seven unit complex - the world´s largest nuclear power plant - shut down safely and there was a very small radioactive release well below public health and environmental safety limits.
In order to understand the earthquake and to assess the possibility of future earthquakes that may affect the nuclear power plant, the report said, a large amount of "high quality" work has been performed by Japanese experts. They will now have to assemble all the data within a coherent framework to produce an appropriately conservative seismic evaluation, said the report.
The 12-member IAEA-led team of international experts who compiled the report was invited to Japan by the Japanese Nuclear and Industrial Safety Agency (NISA). The mission was tasked with focusing on seismic safety, the integrity of the plant and fire safety. The team held meetings with regulators, geologists, seismologists and the operators of the plant, the Tokyo Electric Power Company (TEPCO). It also visited the plant.
レポートは長くて読めていませんが、 上記の速報の冒頭にもあるように、ひとまずの重篤な損傷は認められなかったものの、中越沖地震の影響を正確に評価する国際的な規格や経験(実証データ)は無い、と語っていますね。
今回のデータを適切に分析すればよい知見が蓄えられる、といった趣旨ですが、そのデータの信頼性や分析と判断が真に客観的になされるのか・・・
「安全上重要な機器に顕著な損傷はなく、防火対策も改善された」などとする報告書という日本の報道の表現とは大分ニュアンスが異なります。
その違いがあることゆえに、全く予断を許さないと言えます。
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引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。
被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。
「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。
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